【目次】
・手のひらのツボ押しは、効果がある?
・今すぐ試せる、手のひらのツボ押しマッサージ
・手のひらのツボ押しで注意したいこと
手のひらのツボ押しは、効果がある?
体や心の不調を改善してくれる
東洋医学には、「気」という生命エネルギーの概念があるといわれています。
この気の通り道が「経絡(けいらく)」と呼ばれ、この経絡上にあり、気の流れを調整しているのが「経穴(けいけつ)」、いわゆる“ツボ”なのだそう。
私たちがストレスで心身の不調を感じるのは、「気の異常(気逆)」が原因だと考えられていて、このツボを刺激することで気の流れが改善し、自律神経が整って気逆による息苦しさや不安感、抑うつや肩こり、めまいなどの症状が緩和されます。
「ツボ押しというと、『肩こりや腰痛など、コリをほぐすときに押すのでは?』と思い込んでいる人も少なくありませんが、ツボの刺激は心の不調にも効果的です。イライラしたり、やる気が出なかったりといった状態も、その経絡上のツボを刺激することで改善することができると考えられています」(鍼灸師・心理カウンセラー 影森佳代子先生)
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手のひらには上半身に効果的なツボが多い
ツボは全身に点在していて、手のひらには、上半身に効果的なツボが多くあります。
現代人はデスクワークが多く、運動不足で緊張やストレスにさらされることも多々あるため、頭に血液が集まりがち。すると頭が重く、目も疲れ、肩も凝り、眠れないといった症状が出やすくなるようですが、こういった症状を改善するためにも手のひらのツボは効果的。
また、手のひらには毛細血管も集まっているため、血流の改善も期待できるよう。血液が末端の毛細血管に流れると血圧が下がり、自律神経も副交感神経が優位になってリラックスモードに切り替わります。
手のひらのツボ押しは不調を感じるときだけでなく、リラックスしたいときにも定期的に行うと効果的かもしれませんね。
今すぐ試せる、手のひらのツボ押しマッサージ
血流改善が期待できるツボ
「命門(めいもん)」は手のひら側の小指の第二関節にある血行促進のツボのこと。押してみるとジワジワと温まる感覚があるのではないでしょうか。このツボは両手にあるので、反対の手の親指でグリグリと刺激してください。
冷え性解消のツボ
手の甲側にある「陽池(ようち)」は、手首を反らせたときにできる、しわの真ん中あたりの少しくぼんでいる部分。反対の手の親指でグリグリと押してあげます。
生理不順など、身体の冷えからくる婦人科系の不調に効くといわれています。
リラックス効果が期待できるツボ
人差し指から小指の間にある「指間穴(しかんけつ)」。虎口と同じように、反対の手の親指と人差し指で挟み込み、グリグリと力を入れながら指先の方に10回程度引っ張ってあげましょう。
自律神経が整いリラックス効果が期待できます。
不眠に効果的なツボ
親指と人差し指の間にあるのが「虎口(ここう)」というツボ。
反対の親指と人差し指で虎口を挟み込み、グリグリと力を入れながら指先の方に10回程度引っ張りましょう。
血流促進の効果はもちろん、自律神経が整うので不眠にも効果が期待できます。
くすみや目のクマに効くツボ
睡眠不足によるくすみや、目のクマに効く「労宮(ろうきゅう)」。
手のひらをグーにしたときに、中指と薬指の先端の間にあります。ここを15回くらいクルクルと反対の手の親指でマッサージしてみましょう。
心臓の血流を良くしてくれるツボなので、顔を含めた全身の血流アップが期待できます。
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手のひらのツボ押しで注意したいこと
痛いと感じるほど強く押さない
ツボを押すときは「イタ気持ちい」くらいの強さで押すのがいいと言われています。
グリグリと力任せに押したり、痛いと飛び上がるほど強く押したりすると、筋肉組織を傷つける可能性があるので要注意。
リラックスした状態で行うと効果が高まる
ツボを刺激するタイミングはいつでも良いですが、リラックスした状態で行うと効果がさらに高まります。
「からだの力を抜いて、深呼吸をしてから行います。冷えているとからだがこわばってしまうので、冷えを感じたら、ツボ周辺をさすったりして、温めてから行うのもポイントです」(影森先生)
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1つのツボは、6秒かけることを意識する
ツボを押すときは、3秒かけてゆっくり押し、3秒かけてゆっくり戻すのが正しい押し方だといわれています。こうすることで、ツボまでしっかりと力が伝わり、高い効果が期待できますよ。
また、同時にお腹の底から息を吐きながらツボを押し、息を吸いながら力を抜くのも良いです。余計な力を使わずにツボ押しの効果をアップさせることができます。
身体の不調を感じる側の手を押す
ツボの位置は右手も左手も同じですが、左右のツボは神経を通じて体の各部に対応しています。そのため、身体の右側に不調がある場合は右手を、左側に不調がある場合は、左手のツボを押すといいですよ。
たとえば、右肩が凝っている場合は右手にある肩こりに効くツボを、左肩なら左手にある肩こりに効くツボを押すと効果的です。