「女は冷やしちゃダメ」の東洋医学的理由
女性は陰陽の「陰」
東洋医学では、昼と夜・光と陰・熱と寒・男と女など、万物は対立する二つの自称から成り、それらがバランスをとりながら調和している、という「陰陽」の考え方があります。陰陽でいうと、男性が「陽」に対して女性は「陰」。
かつて男は日中に狩猟に出かけ、女は洞窟で子育てや家事をしていたこと、男は筋肉量が多くより熱産生が活発であること、女の生殖器は体の内側にあることなど、様々な捉え方があります。しかし先に述べたように、陰と陽はバランスをとりながら存在しているため、陽は陰を必要とし、陰は陽を必要としているのです。
冬は「陰」、腎機能・生殖機能も「陰」
温かさは陽で寒さは陰。季節で言えば、秋と冬は陰となります。体の機能で言えば、内臓の下部にある腎機能や生殖機能も「陰」に属しています。「陰」はそれ自体が寒涼性の性質のため、冷えを嫌います。女性、寒さ、冬、腎・生殖器(子宮・卵巣)…陰に偏りがちなこの季節は、バランス失調による不調が起こりやすいため意識的に「陽」を取り入れるべきということになります。
規則正しい生活と、温活を
「陰」の時間は眠り、「陽」の時間は活動する
体のホルモンバランスを整えるためにも、日が沈み気温が下がった「陰」の時間帯には体を休め、日が昇り気温が上昇した「陽」の時間帯に活動する、つまりは規則正しく睡眠時間を取ることが陰陽バランスを取るための重要なポイント。通勤や移動の際には、太陽の光を浴びてウォーキングしましょう!
手で簡単にできる、温まるツボ押し
体が冷えると血行不良になり、さらに冷えるという悪循環に。冷えを感じたら血流改善に効く手のツボをプッシュ! 気づいた時に一日数回行いましょう。
「陽池(ようち)」は、手首を反らせた時できるシワの真ん中あたり、少しくぼんでいる部分。ここを反対の手の親指でグリグリとプッシュ。生理不順など、冷えからくる婦人科系の不調に効くとされているツボです。
「命門(めいもん)」は手のひら側、小指の第二関節にあるツボ。血行促進のツボで、押しているとジワジワと温まる感覚があるはず。両手にありますので、これも反対の手の親指でグリグリと刺激しましょう。
陰陽バランスは食事でも大切! 冷たいものを取りすぎたり、逆に熱性のお肉や油を取りすぎたりすることなく、体調を見ながら胃をいたわりましょう。
大木さと子
国際中医薬膳師・漢方アドバイザー。国立北京中医薬学大学日本校卒。普段はメーカー勤務、よく食べよく飲むアラサーOL。ふだんメシをアップするinstagramにて、薬膳の情報も発信中。