【目次】
・布団に入ってすぐに寝られない原因とは?
・夜、できるだけすぐ寝る方法
・それでも眠れないときの対処法
布団に入ってすぐに寝られない原因とは?
就寝前にスマホやパソコンを見ている
スマートフォンやパソコン画面からは、ブルーライトが放たれています。内科医の成田亜希子先生によると、このブルーライトは脳を活性化させ入眠を妨げる作用があるのだそう。
就寝前にこうしたブルーライトを発する機器をしばらく使っていると、入眠が妨げられいざ眠ろうとしたときになかなか眠れない… ということになってしまう可能性が。
ストレスが溜まっている
成田先生曰く、ストレスというのは交感神経を刺激して入眠や熟睡を妨げてしまうことがあるのだそう。
あまりにも強いストレスを日常的に受けていたり、日々積み重なるストレスを上手に発散できず溜め込んでしまったりしている人は、夜なかなか寝られないということになりやすいのかもしれません。
お風呂はシャワーで済ませている
医師の赤澤純代先生によると、お風呂をシャワーのみにすると睡眠障害につながる可能性があるのだそう。
「ストレスや不調を抱えている人、忙しい人、冷えに悩んでいる人ほど、たいがいシャワーのみ。しかし、シャワーでは身体を温めたり血流を改善することができないばかりか、寝る前のからだが冷えていると睡眠障害につながります。人は体温がストンと下がるときに眠りにつくのですが、体温が低いとこれ以上は下がらず、冷えで眠れない、ということが起きるのです」(赤澤先生)
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カフェインを多く摂っている
カフェインは睡眠を妨げるものの代表と言われています。1日の摂取量の目安は300mgくらいまで。
注意したいのはカフェインの「積み重ね」。コーヒー、玉露、エナジードリンク、紅茶、ウーロン茶など、いつも無意識に選んでいる飲み物のカフェインは、積み重ねるとかなりの量になっていることも…。
カフェインの覚醒作用は4~5時間持続すると言われています。
日常的にカフェイン飲料を飲む方や、寝る前にカフェイン飲料を飲んでいる方のすぐに眠れない原因は、ここにあるかもしれません。
夜、できるだけすぐ寝る方法
部屋の温度と湿度を調整する
できるだけ早く寝るためには、快適な温度や湿度であることが重要。
就寝の1時間前は体温を下げるために汗をかくため、夏は冷房を25度に入れて部屋をしっかりと冷やすことが大切です。
就寝時は27〜29度がベスト。
また、湿度は低過ぎても高過ぎても不快に感じてしまうので、除湿機などを利用して40〜60%くらいをキープするのが理想です。
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食事は就寝の3時間前までに済ませる
成田先生によると、食事を取ることで胃や腸が活発に動くので、就寝前に食事してしまうと睡眠が浅くなってしまう可能性があるのだとか。
また、脂肪分が多い食事は消化に時間がかかると言われているので、夕食はほどほどにすることも大切だそう。
食事は就寝の3時間前に済ませるようにし、心身ともに入眠時、休める体制を整えると良いそうです。
夕方から夜の光は落とす
夕方を過ぎたら、光を落とすこともおすすめです。
日が沈むと脳は夜だと判断し、メラトニンという睡眠ホルモンを分泌します。強い光はこのメラトニンの生成を妨げると言われているので、寝る3時間くらい前には間接照明を利用するなど部屋の光を落とすことを意識してみましょう。
また、夜すぐに寝れるかどうかは、朝光を浴びたかどうかも関わってきます。
人間は朝、光を浴びることで体内時計がリセットされます。そして朝日を浴びた14〜16時間後にメラトニンの分泌が増加し、眠くなってくると言われています。
つまりいい眠りは朝から始まっているとも言えるのです。
食事から睡眠の元をチャージする
寝る前、すぐに実行できることではありませんが、タンパク質やアーモンドなど「トリプトファン」を多く含む食品を毎日積極的に摂ることで寝つきがよくなる可能性もあります。
メラトニンの材料がセロトニン、セロトニンの材料がトリプトファンだと言われていますが、このトリプトファンは人間の体で作ることができません。
そのため、赤身の魚や肉、卵などタンパク質の多い食品、アーモンドやバナナ、アボカド類などトリプトファンを多く含むものを日々積極的に摂取することが推奨されています。
寝る直前なら、ホットアーモンドミルクなどが安眠に効果的だと言われています。
入浴は寝る30分前までに済ませる
シャワーよりも入浴がおすすめだとお伝えしましたが、入浴は睡眠の30分前までに済ませるのが理想です。
また、熱いお湯は心部体温が上がり過ぎて交感神経が高まってしまうため、40℃ほどのお湯がおすすめ。入浴時間は10分〜1時間以内に済ませると良いでしょう。
それでも眠れないときの対処法
市販の薬を服用する
どうしても寝られない状態が続くようなら、市販の薬を服用することもひとつの手。
成田先生によれば、「黄連解毒湯」や「柴胡加竜骨牡蛎湯」をはじめとした漢方薬には、気持ちを落ち着かせて不眠症を改善させる効果があるのだそう。
眠気を引き起こす成分が含まれた睡眠導入剤を試してみるのもありですが、こういった市販薬の効果は人によって異なり、日中の眠気や吐き気を引き起こすような副作用が現れることもあるのだそう。
服用する際は一時的に使用し、漫然と使用するのは避けた方が良いそうです。
医師に相談する
市販の薬を試しても効果が感じられない場合は、最終的に医師に相談し、適切な治療を受けることがおすすめされています。
日中の活動性や集中力・注意力が低下するような重度の場合には、医療機関で薬物療法などの治療を行う必要があるのだそう。
ただし、薬物療法の効果には個人差があり、治療薬は入眠や睡眠の維持を補助する効果があるにすぎないのだそう。そのため、日々の習慣を時間をかけて改善していく必要があるのだとか。
薬に頼りすぎて副作用に苦しんだり依存したりしないためにも、人間が健康的に生きていくベースとなる日常生活の改善を試みるのが一番の近道なのかもしれませんね。
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