不成就日の意味とは?

「不成就日」は「ふじょうじゅにち」または「ふじょうじゅび」と読みます。この日は何事もうまくいかない、何をしても良い結果にならず、願い事が叶わない縁起の悪い日(凶日)といわれています。
不成就日は、陰陽道(おんようどう)で、この日から始めた物事はすべて成就しないと言われる悪い日で、歴注の一つの「選日」(せんじつ)に分類されています。
選日は干支(十干十二支)の組み合わせによって吉凶を占い、全部で次の8種類あります。
◆八専(はっせん)
雨の降る日が多く、法事や結婚式などは良くないと言われる。
◆十方暮(じっぽうぐれ)
十方の気が塞がって、万事が凶になるという日。
◆不成就日(ふじょうじゅにち)
この日から始めた物事がうまくいかないとされる縁起の悪い日。
◆天一天上(てんいちてんじょう)
旅行や外出はいいが、土に関係することや結婚などは避けた方がいい日。
◆三隣亡(さんりんぼう)
この日に建築をすると火災を起こし、近隣の3軒をも滅ぼすという忌日。
◆三伏(さんぷく)
最も暑さが厳しい時期のこと。
◆一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
わずかな元手で巨額の利益を得ることのたとえで、物事が大きく成長する日。
◆犯土(つち、ぼんど)
土を犯してはならない日、つまり土木工事や伐採、種まきなどは慎んだ方がよいといわれる日。
不成就日の由来については明らかになっていませんが、民間の暦が一般的になって今に伝えられてきたと考えられているようです。
不成就日の良い過ごし方

不成就日は何事も成就しないとされる縁起の良くない日ですから、引越しや結婚式など、大きな転機になるようなことを始めるのは避けたいですよね。
しかし、気にしすぎて無理に予定を変更して、当初の計画そのものに狂いが生じてしまうようなら本末転倒です。
もちろん、新しいことや普段やらないようなことはしない方がいいかもしれませんが、中には不成就日を全く考慮しないという人も。神経質になりすぎず、ゆったりとした気持ちで過ごしてみてはいかがでしょう。
◆気にしないでゆっくり休む
基本は静かに過ごすのがおすすめです。不成就日は8日ごとにくり返し訪れますから、この日は何もせずに休息する日と決めてしまうのもよいかもしれません。
◆これから始めることの準備をする
何かを決めたり始めたりすることは避けた方がよいとされていますから、反対に今後の計画を立て、それらに向けて準備をする時間だと考えてみるのもよいかもしれません。
◆自分の考えや行動などを省みる
忙しい日常の中で、自分がどんな言動をしてきたか、ちょっと振り返って自己チェックする。気付かなかったことや反省点が見えてくる機会になるかもしれません。
不成就日と一粒万倍日が重なるとどうなる?

◆一粒万倍日とは?
「不成就日」と同じ選日の一つで、「一粒万倍日」は一粒の種をまいておけば、やがて万倍にも実るという意味の吉日です。いいことが万倍になる、何かを始めるにはとてもいい日ですね。入籍、引越し、開業や会社の設立などに吉とされます。
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◆不成就日と一粒万倍日が重なるのはなぜ?
一粒万倍日は、二十四節気を基準に決められています。二十四節気は、立春や立夏、立秋、立冬などで、太陽の高度を基準に季節を区切るという意味の「節切り」というルールで決められています。
一方、不成就日は「月切り」というルールで決められています。こちらは二十四節気とは関係なく月を基準にしているものです。
つまり不成就日は月、一粒万倍日は太陽を基準に決められており、不成就日は8日ごと、一粒万倍日は月に4~6回ほどありますから、重なる日もあるのです。
◆不成就日と一粒万倍日が重なったら?
吉日と凶日は、先に述べたようにその由来とされる決め方が異なるため重なる場合があります。
一粒万倍日が天赦日などほかの吉日と重なっている場合は、縁起の良さが重なり、吉がさらに増えるとおめでたい行事をする日取りとしても人気です。
しかし、せっかく一粒万倍日などの吉日なのに、不成就日と重なっていたら、願い事が叶わない縁起の悪さが万倍になってしまうのでは? と心配になりますね。
吉と凶が半々だから、一粒万倍日の良いところを不成就日によって打ち消されてしまうのではと負のイメージが強くなりがちですが、プラスマイナスゼロと考えることもできます。
吉凶はその人の日頃の行動や考え方で変わるものです。凶日だから必ずしも悪いことばかり起きるわけではありません。それでも、気になる場合は、その日にあえて大切な行事をするのは避けたほうが無難かもしれません。
2025年不成就日をチェック
では、2025年の不成就日をチェックしてみましょう。
◆2025年の不成就日
1月
5日(日)・13日(祝月)・21日(火)・31日(金)
2月
8日(土)・16日(日)・24日(月)
3月
1日(土)・9日(日)・17日(月)・25日(火)・29日(土)
4月
6日(日)・14日(月)・22日(火)
5月
1日(木)・9日(金)・17日(土)・25日(日)・31日(土)
6月
8日(日)・16日(月)・24日(火)・30日(月)
7月
8日(火)・16日(水)・24日(木)・30日(水)
8月
7日(木)・15日(金)・25日(月)
9月
2日(火)・10日(水)・18日(木)・23日(祝火)
10月
1日(水)・9日(木)・17日(金)・21日(火)・29日(水)
11月
6日(木)・14日(金)・23日(祝日)
12月
1日(月)・9日(火)・17日(水)・24日(水)
不成就日にしてはいけないこととは?

不成就日はこれまで述べてきたように、何事も成就しない日とされ、好ましくない結果を招くといわれる日です。総合的に何かを決める日、物事を起こすなどは見合わせた方がよいとされています。
特に以下のようなことは、なるべく避けた方がいいと言われています。
◆慶事(結婚式・入籍・婚約)
赤ちゃんの命名なども良き日を選んだ方がいいでしょう。
◆開店・契約、習い事
新規開店や引越し、契約ごとなどこの日からスタートさせるのは避けた方がいいでしょう。またお財布を購入したり、使い始めたりも避けたいところ。
◆建築関係など
建物のリフォームや新築工事なども、できれば別の日に(婚礼関係や建築業では今でも不成就日を避ける傾向があります)。
また不成就日に、急に思いついたことを始めることも良くないとされています。
最後に
不成就日は縁起が良くないと聞くと、必要以上に怖がってしまうかもしれませんが気にしすぎて振り回されるのは考えものです。
こうした日は、言い伝えや占いと同じようなもの、というぐらいの感覚でうまく生活に取り入れて参考にするぐらいがいいでしょう。
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