【目次】
・【お風呂上がりのボディケア】何を使うかよりも大切なこと
・【体への負担】入浴後の体調不良に注意
・【肌の乾燥】肌にやさしいお湯とは?
・【まとめ】お風呂上がりを快適にするポイント
【お風呂上がりのボディケア】何を使うかよりも大切なこと
【1】クリームよりも重要なボディケア
「お風呂上がりに肌を保湿するならクリームを使った方がいいかな?」と思いがちですが、見直すべきポイントは別のところにありました。
教えてくれたのは… かずのすけ先生
(化学成分と洗浄化学の専門家。著書『秒でわかる! 最強の家事ー暮らしは、化学でラクになる!ー』好評発売中)
肌の乾燥が気になるなら、クリームよりもまずボディソープを見直しましょう!
お風呂上がりに肌が乾燥するのは、ボディソープが肌本来の皮脂や保湿成分まで洗い流してしまうから。洗浄力を弱めれば、これら天然の保湿成分は肌にとどまり、乾燥を防ぐことができるのです。
汗をかきやすい部位や体毛の多い部位はボディソープで洗った方がいいですが、ほとんどの身体の汚れは湯船に浸かるだけで落ちます。洗浄力の高い石鹸やボディソープは肌の乾燥やアトピーの悪化原因になりやすいので、注意しましょう。
【2】ボディソープの選び方
市販のボディソープは、大半が「石鹸」を主成分としています。石鹸は“弱アルカリ性”で油脂成分の洗浄力に非常に長けているため、油脂が主成分である皮脂はよく落ちます。
皮脂が十分に分泌される肌質の人は構いませんが、皮脂量が少ない人だとそれだけで「洗いすぎ」となり乾燥肌になってしまうことも。
≪肌が強い人の場合≫
余分な成分を肌に残さないよう、無添加の石鹸がおすすめ。
≪肌が弱い人の場合≫
アトピー肌・乾燥肌・敏感肌の場合は、弱アルカリ性が皮膚刺激になることもあるので、弱酸性のアミノ酸系ボディソープなどを試すと良いでしょう。
【お風呂上がりの乾燥問題】見直すべきはボディクリームよりも“アレ”でした!
【3】入浴後スキンケアするまでのタイムリミットは?
お風呂上がりは急激なスピードで乾燥が始まり、やがて入浴前よりも水分量が低くなる過乾燥の状態に陥ります。こうした過乾燥による肌へのダメージを防ぐためには、お風呂上がりの保湿ケアが重要。
入浴後のスキンケアについては、入浴医学の第一人者として活躍中の早坂信哉先生により、お風呂上がりに保湿ケアをすべき制限時間=「保湿リミット」は10分と科学的に解明されています。もちろん、早ければ早い方が◎。
「10分」って長いようでいて、タオルでふいたり着替えたり、ボディもフェイスもケアを… としているとアッという間。10分経つ前に徐々に肌がつっぱり始めてきます。
【4】入浴後の肌乾燥を防ぐには?
最もベストな状態でスキンケアをし、入浴中の肌状態をキープするためには?
温泉医科学研究所にて、出浴後の皮膚乾燥予防効果を検証。入浴中に保湿化粧品を肌に塗布したかどうかで出浴後の皮膚水分量を比較しました。
その結果、入浴中に保湿化粧品を塗布したほうが高い水分量をキープ。お風呂上がりの過乾燥予防に効果的で、「保湿リミット」が延びることが判明!
【体への負担】入浴後の体調不良に注意
【1】温度設定はどうしてる?
熱めかぬるめか。お風呂のお湯の好みは人それぞれですが、身体にとって適温なのはどのくらいの温度なのでしょうか?
【2】ヒートショックに注意
教えてくれたのは… 早坂信哉先生
(医師。医学博士。東京都市大学人間科学部教授。温泉療法専門医)
42℃を超えるお湯に浸かると交感神経の働きが活発になり、興奮状態となることで血圧が上昇します。また、血液の粘度が上がるため、血栓ができやすくなるなどヒートショックを起こしてしまう危険性も。
40℃の温度で10分を超える入浴は体温が上がりすぎ、冬でも浴室熱中症になる危険があります。
\40度程度のお湯がおすすめ/
40℃程度のぬるめの温度は副交感神経が刺激され、血圧が下がり、心身ともにリラックスさせる効果があります。お湯は熱くしすぎないようにしましょう。
【3】水分補給 01
教えてくれたのは… 杉山力一先生
(杉山産婦人科勤務。不妊治療・体外受精を専門に研究)
入浴による発汗は、血液の粘度が高まることで血液がドロドロになってしまいます。お風呂に入る前と後にコップ1杯以上の水または白湯を飲んで、このリスクを最小限に抑えましょう。
免疫力アップする入浴法! 意外とNGなお風呂の入り方してるかも…
【4】水分補給 02
体内から水分が失われていることに気づけず発症する「かくれ脱水」。入浴中のリスクとしてヒートショックや浴室熱中症を防止するためには、こまめな水分・ミネラル補給が大切です。
\おすすめの飲み物/
「入浴前後にコップ一杯の水分を摂ること」は先ほど紹介したとおりですが、“ミネラル入り麦茶”で水分・ミネラル補給するのもおすすめです。無糖でカロリーやカフェインもゼロ。入浴前後やヒートショックに注意が必要な高血圧の人は習慣的に飲用すると◎。
【5】朝や冬の入浴
「朝は一日の中で最も体温が低下するタイミング。体温とお風呂の温度差による健康被害が起きる可能性もあるので注意が必要です」(杉山力一先生)
≪朝入浴する際は…≫
・白湯を飲んで体温を上げておく
・冷え込む日は、脱衣所やお風呂場を温めておく
・お風呂に浸かる際は、40度未満のお湯に数分
免疫力アップする入浴法! 意外とNGなお風呂の入り方してるかも…
【肌の乾燥】肌にやさしいお湯とは?
【1】二番風呂がおすすめ
「日本の水道水はミネラルが少なく薄い「軟水」のため、特に一番風呂はミネラル分が少なく薄く、水道水には基準で決められた一定の塩素が含まれています。その塩素によって、皮膚にぴりぴりとした刺激をもたらすことも。
また、熱すぎるお湯の刺激で肌にかゆみが起きることもあるため温度にも注意しましょう。
入浴剤を使用するのも解決策の一つ。おすすめの入浴剤を紹介していきます。
【2】シークリスタルス|エプソムソルト オリジナル
塩ではなく“硫酸マグネシウム”でミネラル100%。塩素を中和します。入浴剤のほかマッサージとしても使用でき、気になる角質ケアにもおすすめ。
【3】BARTH|中性重炭酸入浴剤[医薬部外品]
お湯を中性にすることで、炭酸泉の有効成分である重炭酸イオンが多く長く、湯中に溶け込みます。ビタミンCによる塩素の中和効果で、敏感肌にもおすすめ。
シュワシュワで肌も髪もサラサラに!? 巷でウワサの【入浴剤】
【4】プレミアムホットタブ 重炭酸湯Bio(写真:左)
無香料・無着色。ビタミンC配合で塩素を中和し、肌に優しい入浴剤。発泡の持続力をパワーアップしました。
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【まとめ】お風呂上がりを快適にするポイント
「リラックスタイム」のはずが、身体に負担をかけてしまうこともあるバスタイム。スキンケアも体調の変化も気にしつつ、疲れを癒やしてしっとり肌を目指す快適なお風呂上がりを目指すことが大切です。最後におさらいをしましょう。
【1】肌質に合わせてボディソープを選ぶ
【2】入浴中にスキンケアを済ませる
【3】入浴剤で塩素を中和するのがおすすめ
【4】お湯は40度程度(ぬるめ)に設定
【5】全身浴は長くても15分以内で
【6】入浴前・中・後のこまめな水分補給を
【7】朝や冬の入浴は温度差に注意する