ボディソープが乾燥の原因に!? 洗いすぎはさらなる乾燥を招く…
この時期に気になるのがお肌の乾燥。ボディクリームをたっぷり塗っているはずなのに乾燥してしまう…という人も多いのでは。
そこで今回は、洗剤化学のスペシャリスト・かずのすけ先生に、お風呂上がりの乾燥の原因や対策について教えていただきました。
お風呂上がりに保湿クリームを塗る女性は多いと思いますが、肌の乾燥が気になるなら、クリームよりもまずボディソープを見直しましょう。
お風呂上がりに肌が乾燥するのは、ボディソープが肌本来の皮脂や保湿成分まで洗い流してしまうから。洗浄力を落とせばこれら天然の保湿成分は肌にとどまり、乾燥を防ぐことができるのです。
実は、体を洗うのにボディソープはそれほど必要ありません。汗をかきやすい部位や体毛の多い部位はボディソープで洗った方がいいですが、ほとんどの身体の汚れは湯船に浸かるだけで落ちます。
入浴習慣がある人は、本来ボディソープで全身をゴシゴシ洗う必要はないのです。特に、洗浄力の高い石鹸やボディソープは肌の乾燥やアトピーの悪化原因になるのでご注意を。
しかし、今までゴシゴシこすり洗いをしてきた人が、急にほとんど洗わない生活にシフトするのはお勧めできません。皮脂の分泌量や角質の代謝はこれまでの洗浄習慣に慣れているので、突然洗わないようになると臭いや垢などに悩むことも。
ボディソープの洗浄力は徐々に落としていきましょう。
市販のボディソープの9割は「石鹸」が主成分
意外と知られていないことですが、市販のボディソープの大半が「石鹸」を主成分とした石鹸系ボディソープです。
石鹸は、弱アルカリ性で油脂成分の洗浄力に非常に長けています。人の皮脂の主成分も油脂なので、石鹸で洗うと皮脂はよく落ちます。
皮脂が十分に分泌される肌質の人は構いませんが、皮脂量が少ない人だとそれだけで洗いすぎになり乾燥肌になってしまうことも。
アトピー肌だと弱アルカリ性が皮膚刺激になることもあるので、乾燥肌や肌が弱い人は弱酸性のアミノ酸系ボディソープなどを試すと良いでしょう。
また最近では「保湿成分を残す」と謳ったボディソープがいくつか発売されていますが、意外な欠点もあります。実はこの「保湿成分」、カチオン系の成分が使われていることがあるのです。石鹸でがっつり洗って、カチオン成分を肌に残すのはもはやお節介の域。
肌の強い人は無添加の石鹸で十分です。
現在発売中の書籍『秒でわかる! 最強の家事ー暮らしは、化学でラクになる!ー』では、「食器用洗剤」「消臭剤」「洗濯用洗剤」などの日用品に関するギモンに、洗剤化学のスペシャリスト・かずのすけ先生がズバッとお答えしています。
日々何気なく使っている日用品について、配合されている成分や効能を正しく知ったうえで自分に合うものを選んでいますか? 本書では、ドラッグストアなどで手に入るアイテムを中心に、かずのすけ先生が実際におすすめする商品についても紹介されています。
ぜひチェックしてみてくださいね!
トップ画像/(c)Shutterstock.com
『秒でわかる! 最強の家事ー暮らしは、化学でラクになる!ー』(かずのすけ著:ワニブックス)
「除菌、抗菌、殺菌」…この違い、わかりますか? 「界面活性剤」って安全な成分? 「すすぎ1回でOK?」って本当に信用しても大丈夫? 「洗濯洗剤の“部屋干し用”って、何が違うの?」「お風呂用洗剤の“こすらず流すだけ”の信ぴょう性は?」「緑茶エキスや、Ag+って、どんな効果があるの?」など暮らしにあふれる小さなギモンを、化学成分と洗浄化学の専門家がズバッとお答えします。
食器用洗剤、洗濯洗剤、柔軟剤、消臭剤、歯磨き粉、おしり拭き…など、日々何気なく使っている日用品の選び方を化学の視点で簡単解説! ドラッグストアなどで身近に入手しやすいもの中心におすすめアイテムなども掲載しています。
子育てや毎日の家事に大忙しのあなたに、お金と時間のムダを省き、キレイと健康への最短ルートを導き出す…そんな効率的な家事ライフをお約束します。