代謝不全の要因のひとつ“エネルギー代謝の低下”
前回は、代謝不全改善に当たり、年齢を重ねても基礎代謝を落とさない方法をお伝えしました。
代謝不全は、基礎代謝の低下とエネルギー代謝の低下が考えられます。
人間は食物を食べ、体内で食物を消化し、吸収して、エネルギー源となる栄養素である糖質、脂質、たんぱく質からエネルギーを産生し、そのエネルギーを利用し、生命活動を行っています。生体で行われるエネルギーの獲得とその変化をエネルギー代謝といいます。
代謝不全改善に取り組み、年齢を重ねてもエネルギー代謝を落とさない方法をお伝えします。
エネルギー代謝を落とさないためには?
解決法1:活性酸素を抑え、補酵素を取り入れる
人がエネルギー代謝を行う中で、身体では多くの活性酸素が産生されます。この活性酸素が疲労因子の根源として考えられています。
また、この悪玉の活性酸素は、細胞を酸化させ一次的に傷つけてしまう疲労に加え、細胞の傷が修復できないままの状態で残ってしまう「老化」につながってしまうことも明らかになってきています。
身体の恒常性(ホメオスタシス)を維持する仕組みや質の高い睡眠など、体内で生成される抗酸化酵素(SOD、カタラーゼなど)や食事から摂取する抗酸化物質(ビタミンA・C・Eやポリフェノールなど)の作用による疲労回復(細胞の酸化状態からの回復)に努めることはもちろんですが、活性酸素の発生の原因となるストレスや暴飲暴食、紫外線や電磁波などを抑え、代謝に必要な補酵素(ビタミンB群など)をとることも重要なポイントになります。
解決法2:毎日の食事または栄養補助食品で必要な栄養を補う
エネルギー代謝(糖の代謝)とは、食事から摂取した糖質が分解され、血液中でブドウ糖となってエネルギーとして利用されますが、呼吸によって体内に取り入れた酸素を使う代謝(好気的解糖:クエン酸回路:生命活動の源)と使わない代謝(嫌気的解糖)があります。
私たちは酸素を使う代謝が生命活動の源のため、酸素を全身の細胞へ送り届けることが代謝不全を解消する重要な要素になります。
そして、取り込んだ酸素を全身に運搬する役割は赤血球のヘモグロビンです。造血ビタミン(葉酸・ビタミンB12)やヘモグロビンの構成成分の鉄不足は、エネルギー代謝に悪影響を及ぼし、疲労感や倦怠感、肌荒れに直結します。
毎日の食事が基本ですが、難しい場合は高品質な栄養補助食品も効果的に活用してエネルギー代謝の低下を解決していきましょう。
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予防医学マイスター 坂田武士
薬剤師。予防医学士。スポーツファーマシスト。「サムライフ」代表。昭和大学薬学部薬学科を卒業後、薬剤師免許を取得。
大手製薬会社勤務や、特別養護老人ホームの施設長などを経て、予防医学やエイジングケアの重要性を感じ、2006年に独立。2009年に「サムライフ」を設立し、薬をすすめない薬剤師として、これまでに1万人以上のオーダーメイドカウンセリングを行う。
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