そもそも代謝不全ってなぜ起こる?
疲労感、倦怠感、肥満や肌荒れで悩んでいる方は、非常に多くいます。その根本的な原因は代謝不全にあります。
代謝不全は、基礎代謝の低下とエネルギー代謝の低下が考えられます。
基礎代謝とは、心身ともに安静な状態の時に生命維持のために消費される必要最小限のエネルギー代謝量で1日の総消費エネルギー量の約60%に相当します。基礎代謝の割合は、骨格筋が22%、肝臓が21%、脳が20%を占めています。
代謝不全改善に当たり、年齢を重ねても基礎代謝を落とさない方法をお伝えします。
基礎代謝を落とさないためには?
解決法1
基礎代謝の約22%を骨格筋が占めるため、筋肉量アップの食生活と生活習慣を身につけます。
良質なタンパク質(肉・魚・大豆・卵・乳製品)と水溶性のビタミンCとビタミンB群を摂り、筋トレすることによって、質の高い筋肉を増やすことができます。
1日の目標とすべき必要なタンパク質量は、体重のKを抜いたg数は最低でも摂取しましょう。(例:50kgの女性は、50gのタンパク質を摂取)水溶性のビタミンCとB群は、体内に蓄積することができないビタミンのため、食事ごとにこまめに摂取することをお勧めします。
解決法2
肝臓は身体の中で最も大きな臓器です。体に取り込まれた糖や脂肪は、主に肝臓で代謝されています。そのほか、ホルモンや神経伝達物質の素材など、多くの物質が肝臓で代謝されています。
そして、基礎代謝の約21%は肝臓で行われています。つまり、脂っこいものや炭水化物ばかり食べていたり、飲酒の量が多すぎたりすると、肝機能を正常に保つことができなくなり代謝が下がります。
解決法3
脳も基礎代謝の約20%を占めます。脳の細胞に血液中の酸素やエネルギーなどが供給されなくなると、脳死まで数分と言われています。このように脳にブドウ糖と酸素を運び代謝させることは、生命の維持に極めて重要です。
いずれの臓器でも、ビタミンB1は糖質の代謝を、ビタミンB2は脂質の代謝を、ビタミンB6はタンパク質の代謝をそれぞれサポートします。
他にもビタミンB12、パントテン酸、葉酸なども代謝に重要な働きをしており、まとめてビタミンB群と呼ばれています。ビタミンB群を多く含む食べ物はレバー、魚、うなぎ、豚肉、卵、牛乳、納豆などです。
そのほか、肉や魚から摂れる、αリポ酸、Lカルニチン、COQ10なども代謝に影響を与える栄養素です。
毎日の食事が基本ですが、難しい場合は高品質な栄養補助食品も効果的に活用して代謝不全を解決していきましょう。
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予防医学マイスター 坂田武士
薬剤師。予防医学士。スポーツファーマシスト。「サムライフ」代表。昭和大学薬学部薬学科を卒業後、薬剤師免許を取得。
大手製薬会社勤務や、特別養護老人ホームの施設長などを経て、予防医学やエイジングケアの重要性を感じ、2006年に独立。2009年に「サムライフ」を設立し、薬をすすめない薬剤師として、これまでに1万人以上のオーダーメイドカウンセリングを行う。
著書に『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本』(学研プラス)がある。