思わず品格を感じるお部屋の佇まい、5つのふるまい
ホテルでの滞在では、日ごろの疲れを癒し、何もしないという贅沢を味わえる、非日常の時間が最大の魅力。とはいえ、ホテルを利用するときには最低限必要なマナーやルールは必要です。
私たちホテリエは多くのお客様をお迎えする中で、お客様をよく理解しようと観察をしています。特に宿泊されている部屋の佇まいを見れば、細やかな気配りやマナーレベルなどがよく伝わるもの。ホテル側も上手に部屋を使いこなして快適にお過ごしいただきたい、品格を感じるお客様にはまた利用してほしいと考えています。
今回は、ホテルから「また来てほしい」と思われるようなゲストになるための「品格を感じる部屋の佇まい」をつくる5つのふるまいを紹介します。特別なことではなくちょっとした気遣いで、ホテルスタッフの対応も良くなったり、自分自身の品格アップにつながりますので、ぜひ参考にしてください。
◆1. 連泊時のお部屋の荷物が整っている
ホテルスタッフは連泊のお客様のお部屋にも、清掃で立ち入る場合があります。清掃がしやすいように、整えられたお部屋だと作業もスムーズ。洋服やPCなどの機器がベッドやテーブルに広げられたままだと、汚さないように、傷つけないように気を使います。
例えば、
・クローゼットに洋服をかけておく
・ラゲッジ・スーツケースに荷物を簡単にしまっておく
・貴重品やアクセサリーは金庫に入れる、または持って出る
・PCやコード類は簡単にまとめておく
このような気遣いを感じるお部屋に入ったときは、私たちは品格を感じます。
◆2. 掃除の要・不要の意思表示、汚した時の連絡
意外と使い慣れていない方も多いと感じるのがドアノブサイン。
「Don’t disturb」「Clean up, please.」などサインがありますが、自分の意思表示や掃除をするスタッフへの合図ですので、ぜひ利用していただきたい。
連泊でゆっくりと過ごしたいので、お部屋のお掃除は特に不要だというときもありますし、タオルやお水の補充、ベッドメイクをお願いしたい場合もあるかと思います。そんなときには、ドアノブサインがあればスタッフは作業がしやすくなり助かります。
しかし、私たちは長期連泊であっても3日1度は清掃に入らせてほしいのが本音で、設備の不具合などで不便をかけていないか、シーツや家具にひどい汚れがないかを確認したいと思っています。
ひどく汚した場合には、すぐに連絡するほうがホテル側はうれしく思います。時間が経つと汚れが落ちにくくなるため、素早く対応をしたいですし、故意でなければ怒りません。
◆3. タオル、バスマットなどがまとめてある
使用後のタオルやバスマットなど取り替えてほしいものがあれば、分かりやすいようにまとめておくようにしておくと◎。スタッフも片づけがしやすく、補充するものが分かりやすいからです。
また、顔や身体を拭くタオルと足元で使うバスマットは一緒にせず、分けておいて置くのもマナー。バスタブにかけておくか、洗面エリアにまとめておくなどすればOKです。
◆4. ゴミをきれいにまとめてある
家庭でもゴミは分別が必要なように、ホテルでも分別は必要です。
お部屋の中に残ったものは、忘れものか、ゴミなのかスタッフには判断できないものがあります。そうなると、忘れ物として一定期間保管する必要があり、管理が大変、というのが正直なところ。
・ゴミはゴミ箱に入れる
・ゴミ箱に入りきらない場合は、ゴミ箱のすぐそばにまとめて置く
・ゴミ箱に分別表記がある場合は、分けて捨てる
・飲みかけのペットボトルの中身は捨てて、空にして捨てる
片づけすぎる必要はないですが、ゴミであるということがはっきり分かると作業がしやすいのです。また、新型コロナの状況で使用後のマスクやティッシュなどは資源ごみと分けて捨てるようにしましょう。スタッフも感染予防を徹底したい気持ちは同じです。
◆5. 香水をつけすぎない
どんなところでも香りのマナーは必要ですが、ホテルの客室は特に注意が必要です。強い香水の香りが部屋についてしまうと、次のお客様が入るまでに臭いが消えないことがあります。
タバコなどは皆さんの共通認識で配慮があるのですが、意外と香水は忘れがち。香水のつけ過ぎは避けたいものです。
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ホテルで楽しくのんびり過ごすうえでも、最低限のマナーや気遣いはしたいですね。ホテル側から良いお客様だと思われることは、自身の品格のアップにもつながり、優雅なふるまいができれば、ワンランク上のサービスも期待できるかもしれません。
ホテリエ SAKURA
ホテリエとして大人の楽しみ方を発信します。自身もホテルステイ、旅行好き。