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2021.01.23

【脱はんこ】な生活って本当に可能ですか? 全日本印章業協会 会長にズバリ直撃!

ニューノーマル時代に加速した「脱はんこ」の流れ。日々の業務やライフスタイルでどの様な影響があるのか、おさえておきましょう!

「脱はんこ」な生活って本当に可能なんですか?

婚姻届も確定申告も… 行政手続きの99%は押印が不要になる!? 政府が推進する〝ニューノーマル時代〟に合った手続きの意義とは…公益社団法人全日本印章業協会 会長 德井孝生さんに疑問点を教えてもらいました!

公益社団法人全日本印章業協会 会長 德井孝生さん
とくい・たかお/1967年生まれ。札幌で50年以上続く「トクイ印房」代表。印章彫刻一級技能士が手彫りする、唯一無二の印章(はんこ)を提供している。全日本印章業協会には日本全国の印章業に携る人が加盟している。

「手続き上、ムダな押印をなくすことには賛成。でも、印鑑登録制度と重要なはんこはこれからも残っていきます」

Oggi 政府が「脱はんこ」を呼びかけて、お役所でもかなりの押印が廃止されると聞きました。

徳井 以前から動きはあったんですが、コロナで加速しましたね。「はんこはもう要らなくなるんでしょ?」などと聞かれたり、「脱はんこ」という言葉がひとり歩きしている感はありますが…(苦笑)。はんこが全部なくなるわけではないんです。

Oggi そうなんですね。どうもよくわかっていなくて…。

德井 まず、はんこは、なんのために押すものだと思いますか?

Oggi えっ…!? あまり深く考えたことがありませんでした。

德井 はんこは「私が認めました」という意思表示をするための道具です。代表的なのは、役所や銀行に届け出された印鑑。第三者によって本人確認されているので、「本人が押した」という信頼性が高いですよね。このような重要な局面で使われるはんこは、今回廃止される対象ではありません。「脱はんこ」を進める河野太郎行政改革担当大臣とも直接会ってお話ししましたが、「印鑑登録制度や個人の実印をなくすことは考えていない」と明言されていました。

河野太郎行政改革担当大臣が呼びかける〝脱はんこ〟って?

河野大臣は菅内閣が発足して間もない9月25日に、「(押印が必要だという)正当な理由がない行政手続きについては『はんこをやめろ』ということを押し通そうと思う」と宣言。全府省庁に、残さなくてはいけない押印手続きを調査し、自身のTwitterでも進捗を報告。10月16日には約1万5千の行政手続きのうち「99.247%の手続きで押印を廃止できる」と明らかにした。婚姻届や離婚届、出生届なども押印廃止になる見通し。

Oggi では、「脱はんこ」というのは…。

德井 「手続き上、ムダなはんこをなくそう」という意味です。慣習で押されている書類も多いので、「本当に必要なの?」と見直されたというわけですね。

Oggi 確かに、認印をポンポン押していましたが、「お願いします」「確認しました」といった簡単な意思表示だけなら、ほかの方法でもいいかもしれないですね。ちなみに先ほど「印鑑」という言葉も出ましたが、「はんこ」とは意味が違うのですか?

德井 「はんこ」は広い意味で使われますが、「印鑑」は厳密には、役所や銀行などにあらかじめ登録しておいて照合に使われる印影=紙に押して得られる影のこと。印を押す物体のことは、正式には「印章」と言います。

長い歴史に裏打ちされた印鑑登録制度

Oggi はんこって、長い歴史があるんですよね?

德井 紀元前5500年ごろの古代メソポタミア文明で、はんこの起源となる〝印〟がつくられたと言われています。

Oggi そんなに昔から!

德井 日本には中国から伝わりました。「漢委奴(かんのなの)国王」の金印は知っていますか?

Oggi 昔、学校で習いました。

德井 日本に現存する最古のはんこで、委奴国王が漢(中国)の皇帝から授けられたものです。その後もはんこは長い間、位の高い人だけが持つものでした。

Oggi その後、一般市民が使うようになったのはいつごろのことですか?

德井 江戸時代です。農民たちのはんこを名主が代官に届けて印鑑帳がつくられたり、現代の戸籍台帳にあたる「宗門人別改帳(しゅうもんにんべつあらためちょう)」に、お寺の住職が檀家であることを証明するはんこを押したりするようになりました。そのはんこは当時から〝実印〟と呼ばれていて、明治時代には実印登録制度が開始。実印のない証書は法律上、証拠にならないと定められました。

Oggi はんこの重要性が、公式にも確立されたんですね。

德井 日本の社会や経済、生活に欠かせないものとして、150年も続いてきた実用文化ですし、実印が重要なものだという認識は今も深く根付いているので、簡単にはなくならないでしょう。

Oggi 今後、重要な書類も電子化されて、押印がなくなるということはありませんか?

德井 「紙とはんこ」に代わって、電子決裁で契約を結ぶことも増えていくでしょう。でも、国民全員が電子決裁を使いこなせる状態にはほど遠いですし、日本企業の99%を占める中小企業のすべてが、電子決裁のシステムを導入する経済的な余裕があるかといったら、それも疑問です。

Oggi ITが苦手なお年寄りにとっては、はんこのほうがまだまだ便利でしょうしね。

德井 利便性を追求していく結果として、〝意味のあるはんこ〟と電子決裁は、今後も共存していくはずです。

2021年Oggi1月号「Oggi大学」より
イラスト/八重樫王明 デザイン/須賀祐二郎(ma-hgra) 構成/酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部


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