「自己肯定感低めの人」に伝えたい、心がスッと楽になる考え方
仕事でもプライベートでも、「どうせ自分なんて…」とネガティブになってしまったり、つい他人と比較して「自分はダメだ」と落ち込んでしまったりすることがありませんか? そんな控えめな人はきっと「自己肯定感低めの人」。
自己肯定感は、「自分は今のままで大丈夫、生きているだけで価値がある」と思える感覚のこと。でも、なかなかそんな風には思えない人もいますよね。
そこで今回は、自己肯定感が低めでも悩まないためのポイントを、人気カウンセラーの山根洋士さんに伺います。
「自己肯定感が低い=ダメな人」じゃない!
最近、自己肯定感という言葉をいろいろなメディアで見かけるようになりました。これだけ自己肯定感といわれると、「自分はどうなんだろう」と気になってしまいますよね。
すでに多くの心理学者やカウンセラーの方が、自己肯定感の上げ方などを語っています。そんな中で、なぜ私が今、「自己肯定感低めの人」のために本を書いたのか? ここではそんな話をさせていただきます。
そもそも自己肯定感ってなんなのでしょうか? 私は昨今の自己肯定感ブームで、ここが誤解されやすくなっているのではないかと少し心配しています。自己肯定感とは、上述しましたが「自分はありのままでいい、生きているだけで価値がある、という感覚」のこと。
自信があるとか、自尊心が高いとか、ポジティブだとかいったことは実は関係ありません。例えば自信がなかったり、ネガティブだったりしても「自分はありのままでいい」という感覚があれば、自己肯定感は低くならないですよね。
その感覚があるかないか、どちらかですから、あの人は自己肯定感が50点、この人は30点、その人は90点… などと競ったり比べたりするものではありません。だから、むやみに自己肯定感を上げよう、高めようとするのは、ちょっと危ないんじゃないかなと思ってしまいます。
「何か一つでも自信を持つべきだ」とか「長所がないといけない」とか「ネガティブ思考じゃダメだ」とか、そういう「べき論」のようになっていくと余計に心は苦しくなります。
もちろん前向きなことはいいことです。でも「さあ前向きに!」「うつむいていたらダメダメ!」なんて周りのみんなに言われたら、しんどくないですか? これではまるでポジティブの強要、ポジティブハラスメントです。
いつまでも悩みから抜け出せない人がやりがちな、間違った高め方
では、どうすればいいのでしょうか。もしあなたが「自分は自己肯定感低めだな」と思っているのであれば、まずはこんな心構えを大事にしてください。
“自己肯定感を高めようなんて、思わなくていい!”
これだけです。自己肯定感はあったほうがいいのですが、「高めよう、高めなきゃ」と思うほど、それができない自分がもっとダメに思えて、かえって落ち込む人もいます。
例えば
・自分で自分をほめてあげよう
・できないことよりできることを探そう
なんていうアドバイスを目にすることがあります。決して間違いじゃないのですが、これができる人は自己肯定感の土台がすでにある人だと思います。より深く悩んでいる「自己肯定感低めの人」に必要なのは、いろんな悩みや問題に直面したときに、自分はそういうものだと納得できること。自己肯定感よりも「自己納得感」です。
無意識の心のクセを知り、まず今の自分に納得しよう
良いも悪いも含めて今の自分にまず納得する。これは自分を客観視することであり、正しく自己認知することです。それがないと、いくら心理学を学んでも悩みは解消されません。
詳しくは本編に譲りますが、人は意外と自分のことを知りません。なにしろ普段の行動の9割が無意識だというくらいです。でも、無意識の心のクセである「メンタルノイズ」を知れば、あなたが今まで意識していなかった自分が見えてきます。
本の中では、ノイズとはなにか、からはじまり、あなたのノイズの見つけ方、そしてノイズと上手に付き合うための心のエクササイズまでを解説しました。
前向きになろうとか、性格を変えようとか、メンタルを鍛えようとか言われても、急には無理ですよね。大丈夫。心のクセがわかると「自分ってこういうノイズに影響されているんだ」と納得できて、「どうして自分はダメなんだ」から「だから自分はこうなんだ」に変わっていきます。
まずはあなたが自分の心のクセ=ノイズを知り、自己納得感を得ること。いきなり自分を変える必要なんてありません。そんな低めのハードルからトライしてみましょう。
次回からは、具体的なノイズの見つけ方や対処法を解説していきます。
もしかして私のことかも? そう思った方は、山根洋士先生の本を読んでみてください。自己肯定感や心のノイズについてより詳しく書かれています。
お話を伺ったのは… 心のクセを直す「メンタルノイズ」カウンセラー 山根 洋士(やまね・ひろし)
これまでに8000人以上の悩みを解決してきた心理カウンセラー。
両親の離婚、熱中していたスポーツの挫折、就職の失敗などを経てノンフィクションライターとして成功をつかむものの、激務でダウン。過労死寸前まで追い詰められ、入院生活を送る中で心理療法と出会って人生が激変。「なんのために生きるのか」を模索した末に、心の風邪薬のようなカウンセリングを提供したいという想いから、カウンセラーになる。
心理学だけでなく、数多くの経営者やプロスポーツ選手、芸能人等への取材経験、AIやロボット工学、脳科学などを取り入れた、メンタルノイズメソッドを開発。実践中心のカウンセリングで一線を画す。
カウンセリングには、著名な精神科医やスピリチュアリスト、占い師などに相談しても結果が出なかった人が殺到。すぐに実践できるワークと、論理的なセッションで好評を博している。
メンタルノイズ心理学 山根洋士公式YouTubeチャンネル
山根洋士@メンタルノイズ心理学 公式Twitter