【目次】
・「兼ね合い」の意味や語源は?
・「兼ね合い」の使い方は? 例文でチェック
・「兼ね合い」の類語にはどのようなものがある?
・「兼ね合い」の英語表現とは?
・最後に
「兼ね合い」の意味や語源は?
「兼ね合い」という言葉を正しく使えていますでしょうか? よく耳にしていても、いざ説明しようとするとうまく説明できない言葉ってありますよね。本記事では、「兼ね合い」の意味や使い方、類語・英語表現を解説していきます。
まずは、「兼ね合い」の意味や語源について、解説します。
◆「兼ね合い」の意味
「兼ね合い」は、「かねあい」と読みます。「二つのものがうまくつりあいを保つこと、均衡、平均、よい程合」という意味。「兼合い」と表記されることもあります。二つのものがうまく釣り合いを保つこと、つまり、双方の事情を考えにいれて釣り合いを保つことを意味していますよ。ただし、完璧な均衡を必要としているわけではなく、ちょうどよいバランス・状況上仕方なく生じるバランスを表現しています。
また、「兼ね合い」には「どちらにするかすぐには決められない」というニュアンスが含まれ、決められないことで生じる苦渋の気持ちや板挟みになっていることを表すこともあります。
◆「兼ね合い」の語源
「兼ね合い」は「兼ねる」と「合わせる」が組み合わさった言葉です。「兼」という漢字は「合わせ持つ」と「〜することが難しい」という2つの意味を持ち、「〜することが難しい」という意味では、「〜し兼ねる」と表現します。
「兼ね合い」は、「〜し兼ねる」と「合わせる」が組み合わさった言葉。つまり「難しいと思われることを合わせようとする」という意味がもとにあり、この意味が転じて現在使われている「兼ね合い」になったといわれています。
「兼ね合い」の使い方は? 例文でチェック
実際の例文を用いて「兼ね合い」の使い方をみていきましょう。
1:「依頼を引き受けるかどうかは、報酬と依頼の内容の兼ね合いで決定します」
物事を決める際に様々な意見が絡んでくると、どちらか一方に決められないことも多いですよね。このような場合に、「兼ね合い」を用います。双方の異なる事情から良い部分を出してまとめる、均等にすることを「兼ね合い」と言います。つまり、バランスを取ることです。
「兼ね合い」は、物事を決める際に妥協する必要があるときや、お互いどのぐらい考慮すべきか難しいときに使用する言葉です。
2:「他の部署との兼ね合いがあるので、それはできかねます」
「兼ね合いがある」は、「釣り合いやバランスがある状態」という意味。しかし、実際は例文のように、考慮すべき「兼ね合い」があるという意味合いで用いられます。
3:「品質とデザインの兼ね合いを図ることで良い製品を作りたい」
「図る」は「意図すること」という意味。つまり、「兼ね合いを図る」は「釣り合いやバランスをとろうとする」という意味になります。ここでの「はかる」は「図る」です。「測る」や「計る」と間違わないように注意してください。
「兼ね合い」の類語にはどのようなものがある?
「兼ね合い」の類語についても、解説します。
1:「折り合い」
「折り合い」は、「互いに譲り合って一致しているところを見つけること」という意味。「折り合いをつける」という表現でよく用いますね。「折り合いをつける」とすると、「物事において、互いにある程度譲り合って双方が納得できる妥協を定めること」という意味合いになります。
「折り合いをつける」は、異なる2つの状況を譲り合い解決する形であるのに対し、「兼ね合いをつける」は異なる2つの状況のバランスをうまくとるような形になります。「折り合いをつける」と「兼ね合いをつける」は似ている表現ですが、用いる状況が異なりますので、気をつけましょう。
2:「均衡」
「均衡」は、「きんこう」と読みます。「二つまたはそれ以上の物事の間で、力や重さなどの釣り合いが取れていること」という意味。つまり「二つ以上の物事の間で力、数や量、また重さなどの平均がとれていること」を表します。「均衡する」「均衡を図る」「均衡を保つ」といったように使います。
3:「釣り合い」
「釣り合い」は、「双方の平均を保つ」という意味。また、その意味から転じ、「双方が相応した状態、ふさわしい状態」を指すこともあります。いずれの場合も、「2つの間の物事における差がない状態を指していること」を表現しています。しかし、「釣り合いが取れている」は、差別的なニュアンスを含む場合があります。
例えば、「A社の商品にB社の商品では、釣り合いがとれない」などと表現してしまうと、B社の商品が劣っているような印象を与えかねませんね? 取引先はもちろん、目上の方や上司には控えた方が良い表現かもしれません。
「兼ね合い」の英語表現とは?
「兼ね合い」の英語表現として、多く使われているのは「balance」です。balanceを用いた熟語がより「兼ね合い」の意味に近い表現とされています。「good balance(良いバランス)」などと用います。
また、ビジネスシーンでは、熟語で用いられる場合が多いです。「balance A with B(AとBのバランスを保つ)」「with ~ in mind(~を考慮に入れて)」や、「in view of balancing~(~の兼ね合いからは)」などがありますので、覚えておくと便利ですよ。
最後に
ビジネスシーンでは、物事を決める際にお互い考慮すべき妥協点を探っていく場面が多くあります。気持ちよく仕事を進めていくためにも、お互いの兼ね合いを図っていく必要がありますね。
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