ぶっとばすの『ぶっ』ってなぁに?
ぶっとばす、ぶっつぶす、ぶっこわす…。この『ぶっ』ってなんだろう、と思ったことありませんか? 勢いの良さを伝えているのでしょうか? さっそくチェック!
◆ぶっとばすとは?
まずは、ぶっとばす、ぶっつぶす、ぶっこわすの意味から解説します。
ぶっとばすとは、「1. 飛ぶほど強く殴る。なぐりとばす。2. 勢いよく飛ばす。」こと。
ぶっつぶすとは「「つぶす」を強めて、また、乱暴にいう語。」のこと。
ぶっこわすとは「『ぶちこわす』の音変化。1. 打ったり、たたいたりしてめちゃめちゃにする。たたきこわす。2. 物事の成り立つのをだめにする。台なしにする。」こと。この意味のように、『ぶっ』の語源は、『ぶち』が転じたものということがわかります。
さらに『ぶっ』の理解を深めるために漢字で書いてみます。
◆ぶっの部分も漢字で書ける!
さきほどの3語を漢字で書いてみると、ぶっとばす=打っ飛ばす、ぶっつぶす=打っ潰す、ぶっこわす=打っ壊す、なんです。
ぶっ飛ばすでも、ブッ飛ばすでもなく、漢字で書けるんですね。
打つ(ぶつ)には、たたくことや殴ることの意味があります。たたいて(殴って)飛ばす、たたいて(殴って)壊すというニュアンスです。打ってと付け加わるだけで激しさや強さが伝わりますよね。
このような使い方から、打つは「動詞に付いて、その動詞の示す動作・作用を強める意を表す。」という接頭語としての役割も持っています。接頭語として使われる際には「ぶっ」「ぶん」と音が変化することがあるんです。
例えば、ぶん殴るなどが「ぶん」に変化した例ですね。あとに続く動詞の動作の強さを伝える役目を果たしており、ほんとうに打って飛ばしたり、たたいて潰したり、殴って壊さなくてもいいんですね。
いかがでしたか? 先日、打つ(ぶつ)の解説記事も書きましたが、ただ打つ(うつ)のではなく、怒りや興奮の感情のニュアンスが加わった打つ(ぶつ)をつけることによって、後に続く動作の強さ、荒々しさが自然と感じられますよね。
今回はちょっとアグレッシブな言葉が並んでしまいましたが、意味がわかると面白いですよね。今後もこうした言葉の意味や使い方を紹介していこうと思います。
言葉の意味/デジタル大辞泉
鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!