【目次】
・「山開き」の意味や起源
・山開きの期間外でも登れる山も…
・富士山の山開きの期間2020年はいつ?
・富士山に山開き初日に登る方法と注意点
・山開き2020年の各地の時期もチェック
・最後に
「山開き」の意味や起源
◆山開きの意味
夏が近づくとニュースで「山開き」について聞くことがあると思います。この「山開き」とは一体何のことかわかりますか?
山開きとは、その年に初めて登山や入山が許されることを指します。富士山の浅間神社など、有名な山にある神社では山開きの時期には毎年祭りが行われるところもあります。
この山開きは、毎年決まった日に行われるものではありません。登山道の状態など、安全に登山を行える状態であると判断されてから山開きが行われる場合が多いです。
◆山開きの起源
元々日本人にとって、山は信仰の対象でした。人々にとって山は、自然の恵みをもたらしてくれるもの。人々はそんな山に感謝し、畏怖や畏敬の念を抱き、神様が住む神聖な場所であると考えました。その中でも、神聖視され崇拝の対象となる山を、霊山と呼びます。
神仏が住む神聖な場所とされる、霊山。そこへは修行者や徳の高い僧侶しか入山を許されておらず、一般の人々は決して入ってはいけない「聖地」でした。
一般の人々が入山を許されるようになったのは、江戸時代中期。その頃、一般の人々も修行僧や徳の高い僧侶のように、神様を拝むために登山をしたいと思うようになりました。そのため、決められた期間のみ、山に登ることが許されたのです。
一般の人々の入山が許されるようになった頃から、登山の開始と登山者の安全を祈願する儀式が行われるようになりました。これが現代にも続く「山開き」の始まりです。この儀式としての山開きは、現在でも日本各地の霊山で行われています。
山開きの期間外でも登れる山も…
実は、山開きの期間外にも登山を行うことはできます。山登りで有名な富士山もその一つです。しかしながら、山開き以外の時期に登山を行う際は不便な点がいくつも存在します。
それは山小屋やトイレ、さらには登山道も閉鎖をしているということです。富士山など、標高の高い山では休憩が必須。登山の際、山小屋やトイレがあるのとないのでは大きく差があります。加えて、登山道が使用できなければ、初心者が登山を行う難易度は大きく跳ね上がることにもなるんです。
また、山開きは基本的に夏から初秋にかけての暖かい時期に行われます。そのため、山開きの期間外は気温も下がり、気候も寒冷です。防寒対策も万全に行ったうえで、登山をする必要があります。ですから、山開きの期間外に登山をすることを、登山初心者にはおすすめしません。
また、遭難などの事故を防ぐために、山開き以外の時期には登山計画書の提出が必要な山もあります。登山を行う際は、山開きをしている期間内に行うようにしましょう。
富士山の山開きの期間2020年はいつ?
日本一有名な山である、富士山。富士山の山開きは、他の山と少々形式が異なります。それは富士山が山梨県と静岡県にまたがっていることにより、登山ルートが複数あるためです。富士山の山開きは、この登山ルートごとに行われます。
◆富士山の山開きの日と期間「山梨県」
山梨県から登るルートは、吉田口の1つ。こちらのルートの山開きの時期は7月1日に行われることが多く、富士山の登山ルートの中でも最も早くに山開きが行われます。閉山は9月11日からで、11日は下山ルートのみ通行可能です。
この吉田口の起点は、浅間神社。そのため、浅間神社では毎年6月30日に、山開きのお祝いと安全祈願のために前夜祭が行われます。
◆富士山の山開きの日と期間「静岡県」
静岡県から登るルートは、富士宮口、須走口、御殿場口の3つ。この3ルートは主に7月10日に山開きが行われ、閉山は9月11日となります。また、富士宮口は5合目~6合目のみ、6月13日に開通されます。
初心者にオススメの登山ルートは、富士宮口。4つの登山ルートのうち、この富士宮口は出発点の標高が最も高く、山頂までの距離が短いことからおすすめです。また登山口と下山口が同じため、初心者でも間違えにくいルートになっています。
*2020年は新型コロナウイルスによる登山者および関係者の安全確保が困難なことから、開山しないことが決定しています。
富士山に山開き初日に登る方法と注意点
富士山の山開き初日に登山をする際は、最も山開きの早い吉田口から登ることになります。この山開きのタイミング、そして吉田口ならではの注意点をご紹介しましょう。
1:天候に注意する
吉田口の山開きは7月1日でしたね。この年は例年梅雨の真っ最中であることが多いです。そのため、初日は天候に恵まれない可能性が高く、雨に備える必要があります。初日に登山を行う場合は、雨具の用意、そして防寒対策を整えましょう。
2:7、8合目の救護所が利用できない
吉田口の7、8合目にある救護所が利用できるようになるのは、7月15日からです。登山を行う上で注意する必要がある高山病などの症状は、7、8合目から出やすくなります。安全に登山するためにも、富士山初心者は7、8合目の救護所が利用可能となる7月15日以降の登山がオススメです。
3:下山ルートが吉田口になる
他の登山口、下山口が閉鎖しているため、下りも吉田口になります。この吉田口は、他のルートに比べ岩場が多いのが特徴。下山の際も、この岩場の多いルートを利用することになるため、注意をしなければケガをする可能性が高くなります。無理のない登山計画を立てるようにしましょう。
山開き2020年の各地の時期もチェック
◆福島県
福島県には、登山のできる山が多く存在します。その中でも会津にある「鳥屋山」や「高寺山」の山開きは、4月19日と他の地域に比べて早めです。
他の山も5月中、6月中に山開きが行われるところばかり。そのため、いち早く登山を楽しみたい方には、オススメの地域となっています。
◆神奈川県
神奈川県の中でも人気登山スポットである「大野山」。この大野山は毎年4月29日に山開きが行われます。家族連れや子供たちにも人気の山です。
また、山開きの日には山頂で山菜や農作物の販売が行われます。関東に住んでいてGWに登山をしたい、という方にオススメです。
◆徳島県
徳島県にある剣山の山開きは4月29日。山開き当日、この剣山では山開きの神事に加え、餅投げなどの行事が行われます。
また、剣山は富士山とは少々異なり、山開きの時期よりも早い4月初旬頃から各施設が営業を開始します。山開き前と山開き後の時期で異なる景色の下、登山を楽しむことができますよ。
最後に
山開きについて理解できたでしょうか? 山開きをしている期間の山は、それ以外の時期に比べ、初心者でも気軽に登山を楽しむことができます。
登山の経験がない人も多いかもしれません。しかし、日本人にとって山は古来より守られてきた神聖なもの。たまには休みの日に登山をしてみるのもいいかもしれないですね。
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