「一線を画す」とは、どんな意味?
「一線を画す」は「いっせんをかくす」と読みます。うっかり「いっせんをがす」と読んでしまったあなた、ここでしっかり覚えておきましょうね。さて、その意味ですが、辞書を引いてみると、
「一線を画す」
境界線を引いてくぎりをつける。はっきり区別する。(出典:デジタル大辞泉)とあり、
辞書によっては「一線を画する」と載っているものもありますが、意味は大きく違わないようです。ちなみに広辞苑には「一線を画する」が載っていて、
「一線を画する」
境界をはっきりつける。くぎりをつける。
となっています。
このように「一線を画す」は、境界線を引いて区別する、区切りをつける、という意味で、他との違いをはっきり示す例えとして使われる表現になります。
一線を画すの語源
「一線を画す」の語源はどんなものなのでしょうか。
まず「一線」には、区切り、けじめなどの意味があります。けじめや限界を越えることを「一線を越えてしまった」などと言いますよね。恋愛での「一線を越える」を頭に思い浮かべてもらったほうがピンとくるかもしれません。
一方、「画す(画する)」には、線を引く、線を引いて区切る、計画を立てるなどの意味があり、「一線を画す」の場合は、線を引いて区切るが意味としては一番近いものになります。
以上のことから「一線を画す」の語源は、境界線を引くという意味から来ていることがわかりますね。ちなみに、このように二つ以上の単語が結びついて、別の意味を表す言葉を慣用句といいます。「相槌を打つ」や「小耳に挟む」、「受けて立つ」など、普段私たちが何気なく使っている会話でもたくさんの慣用句が存在します。
一線を画すの正しい使い方は? 例文をご紹介
次に「一線を画す」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。
・プロカメラマンの写真はアマチュアとは一線を画している
・この新製品はこれまでの製品とは一線を画す機能が付いている
・日本の生花は、海外のフラワーアレンジメントの概念とは一線を画すものです
いかがでしょうか。どれも「他とは違う」や「違いが明白である」、「個性的で斬新」など、一般的なものとは異なった個性を持っていることを強調する表現ですね。
一線を画すの類語とは?
「一線を画す」の類語には、次のようなものが挙げられます。
差をつける、異なる、区別する
どれも「あるモノと他のあるモノとの間で明確な違いがあること」、「両者をはっきり分けること」などの意味を持つ言葉となります。
さらに、ここで「一線を画す」の英語表現として一文をご紹介しましょう。
「The new product has a function which is clearly different from ones of conventional products.」
(この新製品は従来品とは明らかに機能が異なります)
という意味の英文です。「clearly different from〜」で「明らかに〜とは異なっている」という意味。英語では覚えておいて損はない言い回しです。
一線を画すの対義語とは?
一方、対義語は次のような言葉になるでしょう。総じて「同じ」という意味の表現ですね。
どっこいどっこい
同じくらいで優劣がつけにくいさま。
負けず劣らず
互いに優劣がなく同じ程度であること。
五分五分
二つの事の可能性が同じぐらいあること。二つの物の程度・優劣などに差のないこと。
(出典:三省堂 大辞林 第三版)
他にも「互角」や「とんとん」なども「一線を画す」の対義語と言えそうです。
最後に
「一線を画す」の正しい使い方や由来、類語などを解説してきました。ビジネスシーンで使える慣用句なので、意味をしっかり理解した上で適切に使ってみてください。
語彙力を高めると人間関係が円滑になったり、仕事の出来が変化したり良いことずくめ。ボキャブラリーを増やして他の人と一線を画す存在を目指してみてはいかがでしょうか?
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