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2020.04.10

【医師監修】人類とウイルスの戦い… 新型コロナにどう立ち向かうべきか

国立がん研究センター研究所でがん幹細胞研究分野分野長をつとめ、がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている増富先生の健康コラム。

国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉

長年の人類とウイルスの関わりから終生免疫の獲得を考える

私たちが子供の頃は、水痘に対する予防注射はなかった。

姉妹兄弟の誰かが水ぼうそうにかかると、家族内感染は必発。日本中、幼稚園や小学校のどこかで必ず、今でいう「クラスター」が発生していた。

当時は、我が子をそのクラスターに投げ入れる、荒治療も行われていた気がする。水ぼうそうの発生の知らせがあると、まだ罹患経験のない我が子に「今のうちに罹ってこい!」といってわざと学校に行かせる。

(c)Shutterstock.com

長年の人類とウイルスとの関わりの中で、幼少期、学童期の水痘罹患で重篤化する事はなく、しかも終生免疫を獲得出来るとなればこういう荒治療も決して馬鹿げた方法ではない。

今はワクチンが開発され、子ども達は「水ぼうそう」という言葉すら知らない。しかしワクチンを接種しても水ぼうそうには罹ることもあるようだ。

長年人類と共生してきた寄生虫という、適度な不潔さも

例年、この時期のマスク供給逼迫の原因は花粉症だが、この花粉症と感染症の関係も示唆に富む。今や生体内でのアレルギー反応の存在を示唆する血液データーといえば、IgEが高いこと。

IgEは石坂公成先生が1960年代に発見した、免疫グロブリンの一つ。IgEの高値は今ではアレルギー反応の存在を考える若い先生方が多いが、ひと昔前は、寄生虫の存在を疑う医師が多かった。

昔は花粉症なる「病気」はほとんどなかった。その理由は、多くの人が、蟯虫などの寄生虫に感染しているせいで元々のIgEのレベルが高いため、更なるIgEの上昇自体が起こりにくく、なかなかアレルギー反応が起こりにくかったという説を唱える学者もいる。

こちらも、長年人類と共生してきた寄生虫という、適度な不潔さが、新たな病気の発生を抑えていたのかも知れない。

新型コロナウイルスは一体どんなウイルスかを知ろう

新型コロナウイルス。RNAウイルスであり、すべての生命の起源という学説があるほど古いウイルスに属する。

人類はこれまで多くの恐ろしいRNAウイルスと戦ってきた。ポリオ、麻疹、C型肝炎、西ナイル熱、エボラ出血熱、デング熱、インフルエンザ。いずれも「怖い」ウイルスだ。

(c)Shutterstock.com

「新型」とつく前のコロナウイルスの事はあまり知られていないが、例年の風邪の原因ウイルスなのだ。同じRNAウイルスに属しながら、前述の重篤な疾患の原因になるウイルスに比べるとコロナウイルスは「風邪ひきウイルス」だった。

新型といえども、旧型(というのか?)と比し遺伝子配列の大部分は類似しており、その抗原性も共通部分が多いはずに思える。もちろん、新薬やワクチン開発の朗報が待ち望まれるが、こうした戦いの後に、新たな怖いウイルスや新しい病気が出てこないかも心配だ。

できれば、コロナウイルスのままでいてくれるほうがいい気もする。

新型コロナウイルスにゆっくりと暴露されてゆっくりと免疫を、しかも、終生免疫を獲得する方法はないものだろうか? このような考え自体が不謹慎か?

世知辛い時代でもある。私は、マスク着用のうえ、緊急事態宣言を重く受け止めている。

国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉

1995年 金沢大学医学部卒業、2000年 医学博士。
2001年-2007年 ハーバード大学医学部Dana-Farber癌研究所。2007年より現職。
専門は、分子腫瘍学、RNA生物学および内科学。がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている。
専門分野:分子腫瘍学、RNAウイルス学、RNAの生化学、内科学


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