脱いだ上着はどこに置いていますか?
訪問先の入り口でコートを脱いで手に持ちますよね。会議室などに案内された際、コートの置き場所の正解を知っていますか?
会議室内にコート掛けがあり、先方からコート掛けを「どうぞご利用ください」と案内された場合は、感謝を伝えてからコートをかけてOKです。
では、コート掛けへの案内がない場合、コートはどこに置けばよいでしょうか?
◆上着は裏返してバッグの上に置くのが正解
会議室内にコート掛けがあるなぁと、先方からのご案内がないのに、コートを自らかけるのはNGです! コート掛けは先方の備品ですので、勝手に使ってはいけません。脱いだコートは小さくたたんで、足元に置いたバッグの上に置きましょう。
コートは両肩の部分を内側から手で挟み、内側が外側に来るようにくるりと裏返します。持ち歩く際は二つ折りにして、腕にかけますが、バッグの上に置く際は二つ折りでは大きいため、三つ折りまたは四つ折りにします。
コートをたたむ際に裏側にするのは、コートについた見えないホコリや花粉などを持ち込まないようにするための配慮なのです。そのため、コートを脱いだ際に軽く払っておくとさらにグッドです。また、裏側にすることで、足元に置いても、お茶をこぼしてしまったりペンを落としてしまったりという場合にもコートの表側を汚さなくて済むという利点があります。
上着を裏側にしているので椅子にかけてもいい?
上着をバッグの上に置くのが正解とはいえ、上着を裏側にしており、椅子を汚すことはないため、椅子の背もたれにかけてもいいような気もしますよね。しかし、背もたれにかけている上着が床についてしまったり、立ったり座ったりしている間にずり落ちてしまってはスマートさに欠けます。そのため、椅子の背もたれにはかけません。
また、裏側にしており、椅子を汚すことはないため、あいている隣の椅子の上に置いてもいいような気もしますよね。しかし、コート掛け同様、椅子は先方の持ち物ですので、断りなく置くことは控えましょう。バッグの形状によりどうしてもバッグの上にコートを置くのが厳しい… などの場合は、あいている座席にコートを置いてもいいか先方にお伺いしましょう。
なお、寒いからといって上着をたたんで置かずに、膝にかけるのはマナー違反! 気をつけてくださいね。
◆手袋やマフラーはどうする?
手袋やマフラーなどの防寒具は上着を脱ぐ際と同様に訪問先の入り口で取り外します。取り外したあとはバッグの中にしまいましょう。
コートと合わせて手で持ったり、上着のポケットの中にいれると、持ち運んでる際に落としてしまったり、かさばったりと、もたつく原因になってしまうので、やめておくのがベターです。
以前の記事で、バッグは地面に置くことがあることから汚い… と先方を不快な気持ちにさせないためにも、机や椅子に置くことはマナー違反とお伝えしましたが、例え綺麗であっても先方の備品を勝手に使用することはNG。せっかく訪問先の入り口で上着を脱いでいても、たたみ方や置き方で、残念な印象を持たれないようチェックしてみてくださいね。
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鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!