小澤詠子さんってどんな人?
香川県高松市からフェリーで30分の場所にある瀬戸内海に浮かぶ離島、豊島(てしま)。人口約800人のうち半数以上が高齢者という、過疎化が進む島である。
この島にある唯一の診療所で、たった一人の常勤看護師として働くのが、今回紹介する小澤詠子さん(39)。「うたちゃん」の愛称で親しまれ、島のお年寄りの命を支えている。
−−看護師になった理由は?
大阪で生まれ育った小澤さんにとって、元々、豊島は縁もゆかりもない土地だった。そんな小澤さんの幼い頃からの夢は、看護師になること。
高校生のとき、父が癌に侵されて亡くなった。そしてその闘病中に担当看護師から受けた言動に「父を助けてくれるのだろうか」と疑念を抱き、一旦は看護師になる夢を閉ざしてしまった。
将来の道を決められぬまま、大学では環境学を専攻。そんななか、産業廃棄物の調査で訪れた豊島で、高齢者と真摯に向き合う看護師を見て、看護師になる夢が再燃。大学卒業後に豊島に移住し看護師免許を取得した。
小澤詠子さんの「7つのルール」
さて、そんな小澤さんが「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…?
■1.毎日、患者と世間話をする
診療所に訪れる患者の多くは、免疫力が低下しているお年寄り。そのため、少しでも早く異変を察知できるように患者との日々のコミュニケーションを大切にしている。
■2.島民に24時間対応の携帯番号を教える
島では24時間の救急体制が整っていないため、小澤さんは、島民に24時間対応の携帯番号を教えている。緊急時はすべて小澤さんに連絡がくるシステム。
■3.夕飯は、週3日チャーハン
夫と2人の子どもと共に高松で暮らす一方、豊島にも居を構え、状況により帰る家を選択する生活を送る小澤さん。そんな多忙な小澤さんにとって、手軽につくれて、子どもが好きなチャーハンは強い味方だとか。
■4.移動のときはリュックサック
小澤さんは、どこかへ移動する際はリュックサックを背負うのがお約束。何かあったときのために、両手をフリーハンドにしておきたいという理由から。
■5.オリジナルの住民MAPを作る
小澤さんが目指すのは、高齢者が住みやすい島。そのため、島の居住状況を把握する目的で自ら島を巡り住民マップを作成。看護や福祉の現場で活用されている。
■6.月に2回、東京に行く
月に2回は東京に行っているという小澤さん。「死ぬときは、島がいい」という島の人たちの願いを叶えるため、福祉の充実やそのための勉強に東京で熱心に取り組んでいる。
■7.机の上に父のはがきを飾る
小澤さんの机には、30年前、海外出張中の父親から届いた1枚のはがきが……。はがきを見るたびに思い出すのは、父との思い出、そして、看護師の夢を諦めるきっかけとなった看護師の姿。「もっと親身になってほしかった」「寄り添ってほしかった」という当時の記憶が、いまの小澤さんを突き動かしている。そんな小澤さんの目標は、島のみんなの最期を見届けること。
次回の「7ルール」の放送は、9月9日(火)よる11時00分~。主人公は、南アルプスで登山客をもてなす山小屋番・星美知子さん。
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