黒田尚子さんってどんな人?
日本三大中華街のひとつ、神戸市南京町の路地裏に、サラリーマンや家族連れ、若い女性など、連日多くの人で賑わうアジア料理店がある。
それが、今回ご紹介する黒田尚子さん(30)が切り盛りする「神戸アジアン食堂バルSALA」。
この店では、シェフを務めるアジア出身の女性たちがそれぞれの母国料理を日替わりで提供。タイ料理の「パッポンカリー」に、台湾料理の「ルーローファン」、さらにはフィリピン料理の「ビーコール・エクスプレス」など、アジア各国の味を楽しめる。
−−神戸アジアン食堂バルSALA 店長になった理由とは?
「日本社会に馴染めないアジア人女性は少なくない」黒田さんがこうした現実を知ったのは、18歳の頃。
大学の授業を通して触れ合った多くのアジア人女性が、日本の文化や言葉の壁にぶつかり、孤立していたという。
そして何かできることはないかと考えたとき、黒田さんが目を付けたのが「母国の料理」。「日本語がうまく使えなくて積極的に会話をしようとしない彼女たちが、母国料理のことになると、必要以上に喋り、頑張って伝えようとしていた」という。
そこで、料理を通して孤立した女性の自立支援がしたいと思い立ち、26歳で脱サラ。その1年後に「神戸アジアン食堂バルSALA」をオープン。
黒田尚子さんの「7つのルール」
さて、そんな黒田さんが「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…?
■1.伝票はひらがなで書く
6人の外国人が働くこのお店では、店の備品からメニュー、伝票まですべてひらがな表記で統一することを徹底。仲間全員が読めるようにするための黒田さんの配慮。
■2.店の公用語は日本語
店の中では、たとえ同じタイ出身のシェフ同士でも日本語で話すのがルール。文化が違う人たちでも同じフィールドに立てるようにすることが目的。
■3.調味料は必ず母国のものを使う
シェフたちの力を最大限に引き出すため、調味料は必ず母国のものを使うのが黒田さんのこだわり。あえて日本人向けにしない媚びない味が人気の秘密。
■4.休日はチェーン店をはしご
オペレーションの作り方や効率化、トレンドの取り入れ方などを学ぶため、貴重な休日もチェーン店をはしごする黒田さん。いろいろな人たちのいろいろな思いが詰まったお店だから、絶対に潰したくないという強い信念をもっている。
■5.帰宅したら1時間 無になる
帰宅後の1時間は、何もせず「無」になるのが黒田さんのスタイル。動き続ける日々に句読点を打つ大切な時間。
■6.料理の感想はシェフに直接聞いてもらう
お客さんが料理を食べた後の感想は、シェフたちに直接聞いてもらうのが黒田さんのルール。シェフたちの表情も声も変わっていくから、お客さんと触れ合う時間を大切に。
■7.毎日みんなの元気を確認する
毎朝、スタッフ一人ひとりに「元気ですか?」と声を掛けるのが黒田さんのこだわり。無理に元気付けようとするのではなく、元気がないときもその気持ちを理解したうえで一緒に働いていきたいという。黒田さんがここまでする理由は、みんなのためだけでなく一番は自分のため。見過ごされている人たちがそのままになっている世界を変えていきたいという。
次回の「7ルール」の放送は、9月2日(火)よる11時00分~。主人公は、過疎の離島で一人、島の命を守る看護師・小澤詠子さん。
Oggi.jpでは、今後も番組を振り返り、仕事をする女性たちへのヒントを見つけていきます! ぜひチェックしてみてください♡