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足が重苦しく、鈍い痛みが襲う… そんな足のだるさを経験したことがある女性も多いのではないでしょうか?
足のだるさは様々な原因によって引き起こされますが、ひどいむくみがだるさにつながることもあるんです。
【足がだるい】これって病気?
足は歩行などにより日常生活の中で酷使される部位です。また、重力の影響で足には心臓から送り出された血液が停滞しやすく健康な人であってもむくみを引き起こすことも少なくありません。
負担が過剰にかかると足のだるさを引き起こし、重苦しい痛みのために睡眠が妨げられたり、身体全体に倦怠感を覚えることもあります。
足のむくみの原因はその生活習慣にアリ!
足のむくみの多くは運動不足や塩分の摂りすぎ、長時間の立位や座位などの生活習慣が関与しています。しかし、中には思わぬ病気が背景にある場合もあるので注意しましょう。
足のだるさはよく見られる症状であるため、軽く考えられがちですが、放っておくと極めて危険なだるさもあるため次のような項目に当てはまる場合にはできるだけ早く病院を受診するようにしましょう。
足のだるさ。こんな症状のときは要注意!
熱をもっている場合
足のだるさと共に足全体に熱を持っている場合は、激しい運動などによる筋肉痛の他にも「蜂窩織炎」という重症な感染症の可能性があります。
「蜂窩織炎」とは皮膚やそのすぐ下に存在する組織内に細菌が入り込んで炎症を引き起こす病気です。足の先などにできた小傷から細菌が侵入すると考えられていますが、健康な人が発症するのはごくまれです。
しかし、女性の場合はフットネイルなどでできた傷や靴擦れなどが元となって、疲れが溜まった時や生理中など免疫力が低下しがちになると発症することがあります。
片足のみに熱を帯びだるさがある、発熱、悪寒などの症状は「蜂窩織炎」のサインです。悪化すると敗血症に進行して命に関わることもありますので注意しましょう。
痛みがある場合
ぶつけた・ひねったなど痛みを生じる原因がないにも関わらず、ふくらはぎなどの限られた一部分に痛みと強いだるさがある場合には、「深部静脈血栓症」が疑われます。
「深部静脈血栓症」とは、血の塊がふくらはぎなどの深層部にある血管に詰まる病気のことです。「エコノミークラス症候群」とも呼ばれており、水分不足と長時間同じ姿勢でいることで発症リスクが高くなります。
このため、乾燥しがちなオフィスでデスクワークを黙々とこなす女性は発症する可能性のある病気なのです。
片足のみにだるさと痛みがある、ふくらはぎが腫れて変色している、などの症状は「深部静脈血栓症」のサインかもしれません。ふくらはぎの血管内にできた血栓が血流にのって肺に流れると肺塞栓を引き起こし、最悪の場合に死に至ることもありますので注意しましょう。
夏は知らず知らずの内に脱水になっていることもありますので、こまめな水分補給とストレッチなどを心がけることが大切です。
また、その他にも腰椎椎間板ヘルニアや糖尿病などでも足に痛みを伴うだるさを引き起こすことがあります。いずれにせよ、痛みが強い足のだるさは何らかの病気が潜んでいる可能性がありますので、病院で相談することをおススメします。
【足がだるい】即効性のあるマッサージ法は?
上で述べたような病気が原因の場合を除いて、多くは日常生活上の悪習慣などが足のだるさの主な原因です。このため、病院を受診しなくても適切な対処を行えば自然にだるさは解消していくことがほとんどです。
ふくらはぎのマッサージ
足のだるさを解消するのに最もおすすめなのがセルフマッサージです。
やり方は簡単! お風呂上りなど身体が温まっている時にふくらはぎを下から上に押し上げるようにやや強めに撫でるだけで効果があります。
そもそも足のだるさの原因となるむくみは、足に余分な水分が溜まってしまうことによって引き起こされます。
このため、足に停滞した余分な水分を押し上げるようなイメージで行えばよいのです。ただし、「蜂窩織炎」や「深部静脈血栓症」などの場合にはマッサージをすることで症状が悪化することがありますので、痛みや熱を持っている時は自己判断でマッサージをするのは控えましょう。
足を高くする
マッサージと同じく、足に溜まった余分な水分の流れを良くするには、足を高くして座ったり、寝たりするのも効果的です。自宅にいるときは座っている時でも足を下におろさず、ソファーやクッションなどに足を上げておくと良いでしょう。
また、睡眠中は足元にクッションや丸めた毛布などを置いておくようにしましょう。
湿布は効果ある?
湿布は足のだるさへの対処法としてはおすすめできません。確かに湿布は、含有されるサリチル酸などの作用によって皮膚表面の温度を下げるため、ひんやりして心地よく一時的にはだるさが改善するようにも思えます。
しかし、皮膚表面の温度を下げることで、血管収縮が促されて血行が悪化し、結果としてむくみがひどくなることが考えられます。湿布を利用する場合は温湿布を選ぶようにしましょう。
成田亜希子先生
一般内科医。プライベートでは二児の母。
保健所勤務経験もあり、医療行政や母子保健、感染症に詳しい。
国立医療科学院などでの研修も積む。
日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会所属。