ニキビは皮脂分泌の多いおでこや鼻など、いわゆる「Tゾーン」と呼ばれる部位にできやすいものです。
しかし、ニキビは毛穴の炎症であるため、毛穴がある部位であれば全身の様々なところにできる可能性があります。顔の中でも、おでこや鼻以外の部位にできることも少なくありません。
【目次】
・【口周りのニキビ】の原因って?
・【口周りのニキビ】って痛い! 痛みの原因と治し方
【口周りのニキビ】の原因って?
ニキビは、皮脂の過剰な分泌やメイク汚れなどによって詰まった毛穴の内部に生じる炎症が原因で発症する皮膚トラブルです。
毛穴を中心にポツッとしたふくらみができ、悪化すると痛みやかゆみを伴うようになります。また、内部に膿が溜まることもあり、皮膚の深部にまでダメージを与えることで、クレーターのように落ちくぼんだ痕が残ってしまうことも少なくありません。
ニキビは「詰まった毛穴」と「炎症」によって引き起こされますが、多くは皮脂の過剰分泌によります。このため、皮脂分泌の盛んなおでこや鼻にニキビができやすいのです。
また、ニキビは思春期から20代頃の若い世代に多く見られる皮膚トラブルですが、これは皮脂の分泌を盛んにする女性ホルモンが活発に産生されるためです。
一方で、ニキビは比較的皮脂の分泌が少ない口周りにもできることがあります。
口周りは皮脂の分泌が少ないため、乾燥しやすい傾向にあります。乾燥した肌は表層の角質層の構造が乱れるため、皮膚が硬くなります。
その結果、毛穴が狭くなったり、毛穴内に乱れた角質層の一部が入り込んで毛穴を詰まらせてしまうことがあるのです。
また、肌が乾燥した状態が続くと、肌を守るために皮脂の分泌が促されます。口周りも例外ではありません。このため、乾燥によって詰まりやすくなった毛穴内に過剰な皮膚が分泌されることで毛穴が容易に詰まり、ニキビを発症することがあるのです。
【口周りのニキビ】って痛い! 痛みの原因と治し方
口周りのニキビの多くは、乾燥によって過剰な皮脂の分泌が引き起こされることによって発症します。
乾燥した肌は角質層が硬くなって毛穴が狭くなるため、ただでさえ毛穴が詰まりやすくなるもの。そこに皮脂の過剰分泌が加わると、瞬く間にニキビを発症してしまうのです。
このため、口周りのニキビは悪化するケースが多くなります。毛穴が硬く狭いため、詰まった皮脂が排出されにくくなることで炎症が長引いてしまうからです。
また、肌の乾燥が続いたままの状態では、皮脂がどんどん分泌されますから、炎症も悪化して痛みやかゆみを伴う厄介なニキビになってしまう可能性があります。
口周りのニキビを治すには、ニキビ治療薬を使用することももちろん大切ですが、肌の乾燥を改善するよう保湿効果のある基礎化粧品でケアしたり、秋から春にかけての乾燥しやすい時期には加湿器などを使って湿度を快適に保つ、などの対策も必要です。
同時に、皮脂分泌を少しでも抑えるよう、油分や糖分の多い食事は避けるようにしましょう。
悪化したニキビは、なかなか消えないクレーター痕を残すこともあります。顔にニキビ跡を作らないためにも、口周りのニキビは軽く考えずに早め早めの対策を行いましょう。
セルフケアで良くならないときは、適当にやり過ごさずに皮膚科や美容外科などを受診することをおススメします。
成田亜希子先生
一般内科医。プライベートでは二児の母。
保健所勤務経験もあり、医療行政や母子保健、感染症に詳しい。
国立医療科学院などでの研修も積む。
日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会所属。