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2016.02.27

昨夜のカレー、明日のパン|石井美絵子の二次元HOLIC!

ひとつの日常を多方面から覗いてみる。
見方を変えるとひとつの世界がいくつも連なって本当はとても広いことを知ります。
と、文章で書くのは簡単なのですが現実ではそれがなかなかうまくできないもので…

「この人間関係しかないとか、この場所、この仕事しかないっていうはほとんど思いこみで、でも思いこむととらわれちゃうんだよね」

『昨夜のカレー、明日のパン』の中でいちばん引っかかった言葉です。
とらわれてしまうと隣に連なっている世界を見ることができずにいつの間にか固執。
上記の言葉を言った人はとらわれていることを呪いと言い、
「その呪いを楽にする呪文とか時間とかなにかしらこの世には必ずあると思う」と続けます。
全くその通りだ!と思うのですが、これがとらわれているときには気づけないのですよね。

『昨夜のカレー、明日のパン』に出てくる登場人物たちは、ひとりひとり、とらわれているものから解放されていきます。
とらわれているものから解放されるときは少し切なくて、でも胸の中に小さな希望の光が射してくるような感覚に。

さて、
私は何にとらわれているだろう?

人間関係、仕事…
ひとつひとつ考えていくと…全部、かもしれません。
極論かもしれませんが考え方によってはとらわれないで本気の恋愛はできないし、とらわれないで本気の仕事はできないものなのかなと。
とらわれることを悪いと考えるのか、尊いと考えるのか。

と、ここまで書いたところで”とらわれる”の意味を改めて辞書で調べてみました。
【感情や考えがあるものに拘束されて,自由な発想を妨げられる。】
なんだか悪い印象ですね。
でも、私は悪い印象にしたくない気持ちがあるんです。
とらわれることを経験した上での解放、新たな自由を目の前にしたときの感覚はきっと単なる自由とは色も匂いも違うはず。…少しマゾ発言のようにも思えますが…。自分はいったい何にとらわれて何が譲れなくなるのか、解放されたときに初めてこの身で知れると思います。

この二次元HOLICというアニメや漫画を題材にしたコラムをやらせていただいている私ですが、実は最近、小説を読むようになりました。正直、頻度でいうと今は漫画よりも小説のほうが多く読んでいます。
つい数か月前までは絵のない小説は読めない…読む気にもならない…と思っていました。何度か周りの人に「小説読んでみたら?」と言われたことはありましたがその度に曖昧な返事をしつつ心の中では、でも漫画の方が楽しいよ、とかたくなに思っていました。
実際この25年の人生で小説は2冊しか読んだことがありません。しかも1冊は途中で断念。
漫画と比べたら天と地の差。

そんな私が小説を読みだしたきっかけは、漫画も小説も好きな方が語った小説への愛情。なんだかその熱がビシビシと伝わってきて、そんなに好きになれるって素敵だな…と。「読んでみたら? や、楽しいよ!」というアプローチはなく、ただ好きなものを語るシンプルさに私は初めて小説を読んでみたいかも、と思ったのです。
その方がどんな言葉を発したのかはあまり覚えてないのですが…。でもかたくなに漫画やアニメにとらわれていた私を解放したのです。
と言うと大袈裟ですかね?
ですが、小説を読んだことにより漫画やアニメにとてもとらわれていたことを改めて痛感し、こういうふうに小説の楽しさを味わえているのはとらわれていたからこそなのでは、とも思うのです。

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Vol.23 鴻池剛と猫のぽんたニャアアアン!
Vol.24 昨夜のカレー、明日のパン
Vol.25 笑ゥせぇるすまん
Vol.26 こんな私はだめですか?
Vol.27 喪黒福次郎の仕事
Vol.28 東京タラレバ娘
Vol.29 ママはテンパリスト

いしいみかこ

スラリとした手脚でどんな服も着こなしてしまう独自の存在感が人気のモデル。2013年1月号より『Oggi』専属。このWEBオリジナルコラムでは、大好きな漫画&アニメについて書き連ね、二次元にも強いという新たなモデル像を提案。また2014年以降、ミュージカルや舞台に出演するなど女優としての活動も活発に。秋には『美少女戦士セーラームーン~アン ヌーヴォー ヴォヤージュ~』に出演、セーラープルートを演じた。


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