小巻亜矢さんってどんな人?
小巻さんは、東京都多摩市にあるテーマパーク「サンリオピューロランド」女性初の館長。イベント・パレード・グッズの企画から人事や財務まで館内すべての業務の監修を行っている。
館長に就任したのは、客足が伸びず低迷していた2014年のこと。サンリオピューロランドを復活させる為に“大人も楽しめるテーマパーク”にすることを意識。
そして、XJAPANのリーダー・YOSHIKIとのコラボや、歌舞伎を取り入れたショーなど、次々と新たな企画を実現させた結果、2017年度の来場者数は1990年の開館以来過去最高となる180万人を達成。
波乱に満ちた人生の中「ピューロランドでみんなを笑顔にしたい」その一心で…
いまでは経営者として注目を浴びる小巻さんですが、その裏には壮絶な人生が。
小巻さんは大学卒業後にサンリオに入社、その1年半後に結婚して3人の子どもを育てる専業主婦に。しかし、37歳の時に離婚。シングルマザーとして子どもを育てるも、2度のがんを患った。さらに、当時2歳の二男を事故で亡くした。
“死”に直面した小巻さんが一番感じたことは、「二男との思い出が詰まったピューロランドをよくしたい。自分がもしまだ生きられるのならみんなを笑顔にしたい」ということ。
その後がんを克服してサンリオに復職。同時に興味があった心理学を学ぶため猛勉強のうえ東京大学大学院に入学。
そして業績が低迷していた2014年、部下からの信頼も厚かった小巻さんが館長に抜擢された。
小巻亜矢さんの「7つのルール」
さて、そんな小巻さんが「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…?
■1.スタッフのトイレは可愛く
小巻さんが館長に就任後真っ先に手を付けたのが、スタッフのトイレ。業績の低迷でスタッフの士気も下がるなか、まずは従業員の笑顔を取り戻すことに専念。
■2.一日12回朝礼を行う
スタッフのモチベーションを重要視する小巻さん。スタッフの出勤時間に合わせて約12回の朝礼を実施のうえ接客トレーニングをするなど、意識向上に注力。
■3.キャラクターの輪郭は細く描く
“大人も楽しめるテーマパーク”をテーマに掲げる小巻さんのこだわりは、キャラクターを大人っぽく描くため輪郭を細くすること。実際に商品のデザインを変更したことで売上は向上。
■4.子どもの意見は直接聞く
常にお客さんが求めるものにアンテナを張る小巻さんが特に大切にしているのが、子どもの生の声。パーク内を歩いて子どもに直接質問を投げかけ、正直な感想を聞くことを意識。
■5.集中したいときはバッハを聴く
学生時代からバッハを聴く機会が多かったという小巻さん。作業に集中したいときは自分の世界に入れるバッハの曲を聴くのがお決まり。
■6.毎晩二男に一日の出来事を報告する
25年前に事故で二男を亡くして以来、小巻さんの部屋には二男の写真が。そして毎晩、二男の前に立ち、一日の出来事を報告。
■7.キティちゃんに想いを託す
二男を事故で亡くし失意の底にいたときに救ってくれたのが、家族や友だちの存在。パレードのキティちゃんのセリフを書き換え、過去の自分と同じように辛い思いをしている人に想いを届けることに。
小巻さんの「誰でも暗い気持ちになって光を見たくないときもある。けれど笑顔になれる日がきっと来る。その日を待ちたい。」という言葉。その力強い言葉がただただ心に響きました。
次回の「7ルール」の放送は、10月23日(火)よる11時~11時30分です。主人公は、三軒茶屋の人気深夜食堂「食堂おさか」を営む篠塚忍さん。
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初出:しごとなでしこ