LINEやFacebookなどで簡単にやりとりができるようになった今、仕事上のメールやメッセージのマナーには自信がないという方は多いのではないでしょうか。ビジネス文書には「型」があるので、それに沿って進めていけば心配ありません。でも、「相手が受け取ったとき、どのように感じるか?」という気配りを忘れがち。今回は私のリアルな失敗談を元に、恥をかかないマナーについて解説していきますね。
一発でマナーのない人と思われる、〇〇ができない人
ビジネスで大切なことは信頼関係ですよね。信頼関係を築くファーストステップは挨拶。対面や電話では、挨拶や名刺交換からスタートするのに、メールやメッセージになると急に自分の伝えたいことからスタートする人が非常に多いのです。
SNSで送りがちな典型的悪いメッセージ例を紹介します。
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こんにちわ~(^。^)
メール文書の書き方について教えてください!
よろしくお願いしますm(_ _)m
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一方的なメッセージに感じませんか?
最近では対面したことのない人同士でもSNSで繋がれるようになりました。SNSのコメント感覚で、仕事に冠するメッセージやメール文書を送るのは失礼にあたります。知人ならいざ知らず、もし知らない人から名前も名乗らずにこのようなメッセージが来た場合、受け取った相手はどのように感じるでしょうか?
インターネットの世界であっても、挨拶+名前を名乗ることは対面と同じで最低限のマナーです。友達ではないので、最初から絵文字を使用することも避けた方がいいですね。仮に、仕事に関してこのような文書ができたら、あなたはどのように感じますか?
さらに補足ですが「こんにちわ」ではなく「こんにちは」が正解です。
メールやメッセージの文書マナー:「型」と注意点
仕事上はもちろん、私的なものであっても、基本はパッと見てすぐに内容が把握できるように簡潔に書くことです。まずは件名で内容がイメージできるようにしましょう。「問い合わせ」というような抽象度の高い件名ではなく、「◯◯についての問い合わせ」というように、具体的に何を伝えたいのかイメージできる件名がより望ましいです。
件名の次は、本文です。マナーの伴った本文の「型」はとてもシンプルです。
■宛先
◯◯会社 ××様
■挨拶+名乗り
お世話になっております。◯◯会社の××と申します。
■内容
5W1H(Whenいつ Whereどこで Who誰が What何を Howどのように Whyなぜ)でわかりやすく
■署名
名前と連絡先
以上の流れで書きます。
ここで注意したいのが、相手にとってストレスなく読めるようになっているかどうかです。私自身の失敗談として、携帯電話から仕事のメールを改行せずに長文を送ってしまい、先方から読みづらいと指摘されたことがあります。お互いが携帯電話でメールの送受信をしているとは限らないということに気づかなかったのです。
携帯電話やスマホでの文章は画面の幅で自動で改行されるので、相手も携帯電話やスマホであれば長文でもさほどストレスにはなりません。しかし先方がパソコンで見るときは、改行なしの長文の場合、画面の端から端までびっしり文字が並びます。文字で埋め尽くされたメール、読む気がしないですよね。1行35文字以内に押さえたり改行を入れたりして、視覚的にも読みやすくすることをおススメします。
メールやメッセージの文書マナー:文面が冷たいと言われないために
メールやメッセージは文章のみのコミュニケーションとなり、対面のように表情や声のトーンで感情を伝えることが出来ません。同じ言葉でも「冷たい」とか「高圧的に感じる」といった不満や誤解を生む場合もあります。
例えば、「明日9時までにきてください」と命令形で書くより、「恐れ入りますが、明日9時までにお越しください」のようにクッション言葉を使った方が丁寧な印象です。
また、これだけで終わらせずに「お気をつけてお越しください」や「楽しみにお待ちしております」等、一言加えるだけでも感じがよくなりますね。
■クッション言葉については以前に記事を書いていますので参考にさなってくださいね。
依頼や拒否を快く受けてもらえる、覚えておきたいクッション言葉
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送信ボタンを押す前に、自分が伝えたいことだけになっていないかを確認しましょう。簡潔に書くことばかりを優先すると、事務的になりがちです。業務連絡ではなく、コミュニケーションツールとしてのメールやメッセージ。対面と同様、文章にも気遣いを忘れずに!
初出:しごとなでしこ
古岡めぐみ 現役ホテルマン・マナー講師
沖縄「カヌチャベイリゾート」や、大阪「大阪マルビル大阪第一ホテル」など、名だたるホテルでの勤務経験をもつ現役ホテルマン。お客様からの多くの支持を集め、また後輩育成にも力を注いできたことを認められ、過去に社内表彰されること多数。
現在は富山県内のホテルフロントスタッフとして勤務しながら、これまでの自身の経験をもとに接客マナーやホスピタリティなどのセミナー講師としても活動している。