会社訪問、彼の実家へ挨拶などでお渡しする手土産。儀式的なものに終わらせず、せっかくなら喜んでもらいたいですよね。手土産を選ぶポイントや渡すタイミング、言葉の添え方を知っておくと、慌てず堂々と振る舞うことができて印象アップにも繋がります。好まれない手土産の渡し方もあるので、合わせてチェックしてみましょう。
手土産って何のために渡すの?
手土産を渡すことは挨拶代わりとなり、感謝の気持ちを伝えることができ、仲良くなるキッカケづくりになります。良い関係性を築くというところが最大の目的ではないでしょうか。
一旦、手土産ではなくお土産を例に考えてみましょう。今の彼氏でも過去の彼氏でもいいのですが、つきあいたてのころを思い出してみてください。旅行先でお土産コーナーを発見すると、ふと彼のことが頭に浮かび、お土産コーナーを何往復も行ったり来たり…。「彼に会えるキッカケが欲しい!」「彼の喜ぶ顔が見たい!」「もっと仲良くなりたい!」と彼氏に合うお土産をさがしませんでしたか?
義理という考えであれば、「お土産を何にしよう?」とさほど迷うことなくサッと選んでいるはず。でも、これからもっと深く付き合っていきたいという想いがあれば、「何が好みだろう?」「どうしたら喜んでくれるだろう?」と考えますよね。相手を想って時間や手間をかけ、リサーチして選んでいくと、渡された相手は自分が大切にされていると感じます。そうすると今度は相手のことも大切にしようとし始め、どんどん関係性が良くなります。
どんな手土産を選べばいい?
一般的には、常温で保存できる、日持ちするお菓子などが好まれます。例えば和菓子ならまんじゅうや最中、洋菓子ならクッキーやマドレーヌのように一つひとつ包装された小分けのものがいいですね。その中でも地域のものや話題のもの、季節感のあるものはおススメです。また、自分が食べて美味しいと感じたものであれば会話も広がりやすいですね。
逆に手土産としてNGとされているものや好まれないものもあります。まず、選んではいけないのは相手先の近所で購入したもの。相手を想って購入したものではなく、「時間がなくて今見つけたお店で急きょ買いました!」と言っているようなものです。相手に金額がわかってしまうのも気まずいですよね。
ナイフ等で切り分けるものや保管に困る手土産もあまり好まれません。お皿やナイフ、フォーク等の準備で相手に手間をかけてしまいますし、冷蔵冷凍のものだと、冷蔵庫や冷凍庫に保管スペースがないかもしれません。相手の負担にならないものを選ぶという配慮も大切なことです。
手土産を渡すタイミングと添える言葉は
手土産を持っていると早く渡したくなる気持ちはわかります。ですが、基本的には、挨拶が済んで、お部屋に通されて、改めて挨拶した後がベストタイミングです。
ここで言いがちなのが「つまらないものですが・・・」というフレーズ。ついつい日本人は謙遜で使ってしまうことがありますが、つまらないものを差し出すという意味合いに取られることがあります。「お口に合うといいのですが・・・」「お気に召すと嬉しいのですが・・・」と言い換えると控えめな気持ちが伝わります。
渡すときは、まず紙袋(風呂敷)から取り出します。なぜかというと、紙袋は、ホコリや汚れがつかないようにカバーの役割があるからです。単に持ち運びが楽だからというわけではないんですね。ホコリや汚れがついた紙袋のまま渡すのではなく、きれいな中身をお渡しするのがマナーです。
紙袋(風呂敷)は自分で持ち帰りましょう。外出先などで、お客様が手土産を持ち帰る場合は、「(紙袋を)お持ち帰りにお使いください」と一言添えてお渡しするといいですね。
「以前○○がお好きとおっしゃっていましたので・・・」というように、前回会ったときのちょっとした会話や好みを覚えていると一目置かれるようになります。さりげなく相手が喜ぶひと言を添えている人は、それなりに努力をしているものです。そのひと手間や一生懸命さに人は心を動かされるのです。
初出:しごとなでしこ
古岡めぐみ 現役ホテルマン・マナー講師
沖縄「カヌチャベイリゾート」や、大阪「大阪マルビル大阪第一ホテル」など、名だたるホテルでの勤務経験をもつ現役ホテルマン。お客様からの多くの支持を集め、また後輩育成にも力を注いできたことを認められ、過去に社内表彰されること多数。
現在は富山県内のホテルフロントスタッフとして勤務しながら、これまでの自身の経験をもとに接客マナーやホスピタリティなどのセミナー講師としても活動している。