目次Contents
「慮る」とは? 意味をわかりやすく解説
まずは、辞書の意味から確認しましょう。
おもん‐ぱか・る【慮る】
出典:デジタル大辞泉/小学館
[動ラ五(四)]《「おもいはかる」の音変化。「おもんばかる」とも》周囲の状況などをよくよく考える。思いめぐらす。「相手の体面を―・る」
つまり、相手の事情や立場、これから起こることまで考えを巡らせるといったニュアンスです。
似た言葉である「気を遣う」にはない、見えていない背景まで想像するようなイメージが含まれています。
【ここがポイント】「気を遣う」「配慮する」との違い

ここで、混同されやすい言葉との違いを解説しましょう。
「気を遣う」や「配慮する」は似た意味ですが、「慮る」と異なる点があります。
♦︎「気を遣う」は行動に関連する表現
「気を遣う」はシンプルに言えば、気まずくならないよう行動すること。
その場のマナーや空気を意識する意味合いが強いでしょう。
♦︎「配慮する」も行動に関連する表現
「配慮する」は、相手が困らないように具体的に行動をすること。
仕事でもよく使われる表現ですが、「慮る」よりも現実的な行動に対して使う傾向があります。
♦︎「慮る」は思考にも関連する表現
今回のテーマである「慮る」は、相手が言葉にしていない背景まで想像をすること。
つまり、「気を遣う」や「配慮」は“行動”に対する意味が強いのに対して「慮る」は思考、頭の中のことまで表しているいると言えるでしょう。
アラサー以上の世代には「慮るチカラ」が求められる!?
ところで、ビジネスの実務シーンでは20代前半までなら「言わなくても分かってほしい」が通用する場面もあります。
しかし30歳前後になると、キャリアへの悩みや結婚、出産、育児、親の介護や転職… など、挙げればキリがないほど一人ひとりの置かれている状況が異なってくるもの。
そのため、同じ言葉でも相手によって受け取り方が変わるシーンも増えてきます。
年齢を重ねるほど「自分がどうか」だけでなく、「この人はどう感じるかな?」と考えるチカラが必要に。
人間関係を円滑に進めるために「慮るチカラ」が求められがちな傾向もあるのです。
アラサーを過ぎたら不可欠なスキル|「慮るチカラ」の鍛え方

「慮る」の言葉を正しく理解したうえで、円滑なビジネス上の人間関係には不可欠な「慮るチカラ」の鍛え方をチェック!
♦︎鍛え方1:相手の背景をひとつだけでも想像してみる
見えている行動だけで判断をせず「仕事が忙しいのかもしれない」「体調がすぐれないのかも」など、相手の背景への可能性を広げてみて。
仕事でイラッとしたりモヤっとしたりしても、目の前に見えているのは“ほんの一部”で、その裏には複雑な事情が隠されていることも多々あるのが現実です。
♦︎鍛え方2:すぐに結論を出さない
カッとなって感情が動きそうなときほど、いったん冷静になりましょう。
相手の立場や背景を想像するためにも、ひと晩置いてからもう一度考えてみる方法は効果的◎。
物事の見え方が多角的になり、慮るチカラが育ちます。
♦︎鍛え方3:相手に確認をする
納得できないことがあるならば、想像だけで結論を出さずに相手に確認をすることも大切。
「何かあった?」と尋ねるだけでも、より深い事情が見えてくるケースは多々あります。
慮るチカラを育てるためには、勝手に決めつけずに余裕のある対応を心がけて。
【相談事例】「慮る」が足りないとどうなる?
ところで、少し前に筆者は後輩(仮にHさんとしましょう)から、まさに「慮る」に関連している相談を受けました。
その内容を、ご本人の了承を得た範囲で紹介しましょう。
<相談内容>
「仕事が忙しくて返信が遅かっただけなのに、仲のいい同僚から『最近、冷たいよねー』と言われてしまいました。
言われたときはショックで、こっちが忙しいのはわかっているはずなのに、なんでそんなことを言うんだろう? ってイラッとしちゃって。
それをきっかけに気まずくなってしまったのですが、どうしたらいいでしょう?」
この相談に対して、筆者は次のようなアドバイスをしました。
「まずは、ちゃんと説明をしてみて。
誤解によるボタンのかけ違いが起きている感じがするので、誠意をもって話をしたら分かってくれるはず。
話しかけるのは勇気がいるかもしれないけれど、放っておくと距離が広がってしまうかも」
この助言をもとにHさんが同僚と話をしてみたところ、無事に誤解は解けたとのこと。
もしも最初から事情を少し慮ってもらえたら、お互いに傷つかないで済んだのかないう気もしました。
まさしく「慮るチカラ」が求められる身近な場面です。
「慮る」は難しい言葉? そんなことはありません!

Oggi世代が抱きがちな「慮る」への疑問に、専門家がワンポイントで解説します。
難しいと思いがちな「慮る」ですが、実はそんなに複雑な言葉ではありません♡
♦︎Q1:「慮る」は褒め言葉?
A1.良い意味で使われる言葉です。
相手への思いやりや想像力がある人に対して使われることが多く、非常にポジティブな表現です。
「あの人って、慮るよね」という用法であれば、褒め言葉のニュアンスでしょう。
♦︎Q2:「慮る」と「察する」は同じ意味?
A2.似ているけれど異なります。
「慮る」と「察する」は似ていますが、異なります。
「察する」は相手の様子に気付くこと、「慮る」はその背景や事情まで考えたうえで行動につなげるニュアンスです。
♦︎Q3:恋愛でも「慮る」は大切なこと?
A3.とても大切です♡
相手が恋人だからこそ「言わなくても分かるはず」と期待しがち。ですが、思い込みではなく相手の状況を想像して、さらに言葉で確認する姿勢こそが、関係を長続きさせます。
♦︎Q4:慮りすぎると疲れませんか?
A4.疲れない程度に意識してみて◎。
慮りすぎて疲れると感じるならば、自分よりも相手を優先しすぎている可能性が。
慮ることと我慢することは別物ですから、疲れない程度に意識していきましょう。
「慮る」は、大人の人間関係を支えるチカラになる
「慮る」は、難しい言葉のようでいて、本質はとてもシンプル。
相手の立場や事情を想像して「自分なら(または相手なら)どう感じるだろう?」と一歩考えてみる姿勢を積み重ねることによって、恋愛でも友情でも仕事でも信頼につながっていきます。
Oggi世代は人間関係が広がっていく一方で、価値観の違いにも直面しやすい年代。だからこそ、自分の“正しさ”を押し通すのではなく「慮るチカラ」を鍛えて、より心地の良い人間関係を構築していきましょう。
TOP画像/(c)Adobe Stock



