「死馬の骨を買う」とは?
「死馬の骨を買う(しばのほねをかう)」は、中国の故事に由来することわざで、将来的に大きな成果を得るために、つまらないものも優遇することを意味します。現代では、人材採用や事業投資など、先を見据えて行動する場面で使われることが多い表現です。
ここでは、「死馬の骨を買う」の意味や語源を解説します。
「死馬の骨を買う」の意味
「死馬の骨を買う」とは、本当に欲しいものを手に入れるために、まずは先行投資や行動を行うことを意味することわざです。一見すると無駄に思えることであっても、将来的に大きな利益や成果につながる可能性がある場合に使われます。
特に「優秀な人材を集めるためにまず環境を整える」「大きな成果のために先に投資をする」といった場面で用いられることが多いといえる表現です。
また「周囲に本気度を示すための行動」という意味合いを持つ場合も。単なる浪費ではなく、将来を見据えた価値ある投資として使われる点が特徴でしょう。
死馬の骨を五百金に買う
出典:小学館 デジタル大辞泉
《「戦国策」燕策から》凡人をまず優遇しておけば、やがて賢者が自然と集まって来る。死馬の骨を買う。
「死馬の骨を買う」の語源
「死馬の骨を買う」は、中国の古典である「戦国策」に登場する故事が由来です。
新王が国の復興のために優秀な人材を探し求めていた際、補佐役が自分を売り込むためにこんな話をしたそう。「ある王が『千里を走る名馬』を求めていましたが、なかなか見つかりませんでした。そこで家臣が、すでに死んでいた名馬の骨を高額な五〇〇金で購入します。王は無駄遣いだと怒りましたが、家臣は『死んだ馬の骨に高値を払うほど本気であれば、生きた名馬を持つ人も売りに来るでしょう』と説明しました。すると、その評判を聞き、多くの名馬が集まったとされています」と。
王がその通りに補佐役を優遇すると、優秀な人材が次々に集まり、復興を遂げたのだとか。
この故事から「目的達成のためにまず行動や投資を行うこと」のたとえとして使われるようになったようです。
「死馬の骨を買う」を使う場面
「死馬の骨を買う」は、将来的な成果を得るために、先に行動や投資を行う場面で使われます。ビジネスでは人材採用や設備投資、日常生活では長期的な目標に向けた準備など、幅広い状況で活用される表現です。
ここでは、ビジネスシーンで「死馬の骨を買う」という表現が使われる場面を解説します。

優秀な人材を募集するとき
企業が優秀な人材を集めたい場合、「死馬の骨を買う」という表現が使われることがあります。たとえば、給与や福利厚生を充実させたり、教育制度や働きやすい環境を整えたりすることは、短期的に見ればコストがかかります。
しかし、その姿勢を示すことで「人材を大切にする企業」という評価につながり、結果として優秀な人材が集まりやすくなるでしょう。
先を見越した投資を行うとき
「死馬の骨を買う」は、将来の利益や成長を見据えて先行投資を行う場面でも使われる表現です。たとえば、新規事業への設備投資や、すぐに利益にならない研究開発費などが該当するといえます。
短期的には成果が見えにくくても、将来的な成功につながる可能性を考えて行動する場面で使われるケースも。知名度向上のための広告やブランド構築なども、長期的な視点では大きな価値を生む場合があります。
一見すると無駄に思える支出でも、将来の大きな成果につながるのであれば「死馬の骨を買う」という表現があてはまるといえるでしょう。
「死馬の骨を買う」の例文
「死馬の骨を買う」の使い方は、例文を見ることで理解が深まります。
・新しい事業を成功させるために、まずは投資を行うという「死馬の骨を買う」姿勢が必要だ
・優秀な人材を集めるには、待遇改善など「死馬の骨を買う」ような行動も求められる
・彼は将来性を見込んで赤字事業に投資しており、まさに「死馬の骨を買う」考え方だ
・知名度の低い段階で広告費をかけるのは、「死馬の骨を買う」戦略といえる
・今は利益が出なくても、将来を見据えた「死馬の骨を買う」という視点が必要だ
「死馬の骨を買う」の類義語
「死馬の骨を買う」の類義語には、次のことわざが挙げられます。
・先ず隗より始めよ(まずかいよりはじめよ)
・千里の道も一歩から(せんりのみちもいっぽから)
いずれも「目的達成のためにまず行動を起こす」という意味があります。似た意味を持つことわざを知ることで、状況に応じて適切に使い分けられるでしょう。
それぞれのことわざを紹介します。

「先ず隗より始めよ」
「先ず隗より始めよ」は「物事を始める場合は、まず身近なことから着手するべきである」という意味のことわざです。「死馬の骨を買う」と同じく中国の故事に由来しており「優秀な人材を集めたいなら、まず自分を重用してください」と進言した話から生まれました。「隗」とは、この故事に出てくる人物の名前です。
「死馬の骨を買う」と同様に、目的達成のために最初の行動を起こす重要性を表しています。ただし「死馬の骨を買う」が先行投資や本気度を示す意味合いを持つのに対し「先ず隗より始めよ」は、まず自分から実践する姿勢を重視している点が特徴です。
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「千里の道も一歩から」
「千里の道も一歩から」は、「どんな大きな目標も、小さな一歩から始まる」という意味のことわざです。「大きな成果を得るためには、小さな行動を積み重ねることが大切である」という教えを表しています。
「死馬の骨を買う」と同じく「将来の成功のためにまず行動が大事である」という点が共通しています。
ただし、「千里の道も一歩から」は努力を継続する重要性に重点があり、「死馬の骨を買う」は目的達成のための行動や覚悟を強調する表現です。そのため、似た意味を持ちながらも、使われる場面は異なります。
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「死馬の骨を買う」の意味を正しく覚えよう
「死馬の骨を買う」は、将来の成功や成果を見据えて、あえて先に無駄と思われる投資や行動を行うことの重要性を表すことわざです。人材採用や事業投資など、短期的な損得だけでは判断できない場面で使われます。
ことわざの意味や類義語を理解することで、物事を長期的な視点で捉える姿勢の大切さが見えてくるでしょう。
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