目次Contents
カバードアグレッションとは?見えない攻撃の正体
「カバードアグレッション(Covert Aggression)」とは、怒鳴ったり脅したり威圧的な態度を取るといった分かりやすい形ではなく、一見一般的な態度に見えて、相手の行動や気持ちをじわじわと削る形で攻撃すること。
親切で穏やかな人なのに話しているとなぜか心が削られる人、丁寧な言葉で話してくれているのに攻撃的に聞こえてしまう人など、接しているとなぜかモヤモヤするような気がしたら、それはカバードアグレッションかもしれません。
カバードアグレッションの最大の特徴は、分かりにくい点と、問題になりにくい点。もしこちらが「今の言い方はひどい」と指摘しても、相手は「そんなつもりじゃなかった」や「考えすぎじゃない?」と逃げ道を作ってしまうため、露骨なパワーハラスメントとは異なり周囲からその問題が見えにくいのです。
ビジネスシーンで起きる“見えない攻撃”のパターン

この隠れた攻撃性“カバードアグレッション”は、職場でもよくみられます。その理由に、波風を立てないことを良しとする日本の文化や、実力性だけではない複雑な評価制度が助長させてしまうことも。カバードアグレッションのパターンを知っておくだけでも、自分の勘違いかも、気にしすぎかもと思うことがなくなり、正しい判断ができるようになります。
直接言えない職場ほど、裏の攻撃が増える
本音を言うと損をする空気がある職場や、調和を重んじるあまり誰も何も言えない環境では、不満が直接的な議論ではなく隠れた攻撃という形に変わってしまいます。
上下関係や評価制度が絡むと、立場を利用して相手を静かにコントロールしようとする心理が働くことも。言いたいことを言えない環境が、遠回しな攻撃を生み出してしまうのです。
感じがいい人に擬態しやすい
人当たりがよく言葉が丁寧で態度も柔らかい、いわゆる“感じがいい人”は、周囲からは仕事ができるいい人に見えてしまうことがあります。そのため、多少攻撃的な態度であっても「仕事上の意見を述べるのにしかたない」と捉えられたり、「あの人に限ってそんなはずはない」と言われたりしてしまうなど、攻撃のターゲットにされた人だけが疲弊してしまいます。
職場でカバードアグレッションに遭遇しやすい理由
カバードアグレッションは、具体的にどんなどんな形で現れるのでしょうか。日常の業務の中に潜むカバードアグレッションの特徴的なものを3つご紹介します。
褒め言葉に潜むトゲ
「あなたの持ち物のなかではすごくセンスがいいね」のように、一見褒め言葉のように聞こえるけれどよくよく考えると見下されているような言葉です。その場では「ありがとうございます」と返さざるを得ませんが、後から言葉の意図をや違和感を考えるとモヤモヤが残ります。
褒め言葉とセットのため、微妙な圧をかけて相手を不安にさせるのがこのタイプ。
不可抗力を装って仕事を止める
返信を極端に遅らせたり、必要な情報をあえて出さなかったり、相手が困ることを分かっていながら「忙しかったから」と正当化するタイプもいます。責任が発生する場面は避け、仕事の停滞や手戻りを引き起こすことで、相手のパフォーマンスを下げようとします。本人は悪気がないふりをしながら、実際には相手の仕事を妨害しているのです。
冗談やノリを隠れ蓑にする
特定の人だけを情報共有から外したり、相手を小馬鹿にするような言葉のあとに「冗談なのに」「真面目に受け取りすぎ」と言い放つなど、空気を盾にすることで反論しにくい状況を作る人も。もしこちらが不快感を示したとしたら、“ユーモアが通じない人”というレッテルを貼られてしまいます。

自分を消耗させないための対応方法
カバードアグレッションに感情や行動を揺さぶられても、仕事には支障をきたしたくないですよね。攻撃的な態度を取る人に対し、ドライに接するための工夫をご紹介します。
感情ではなく事実ベースで
相手のトゲのある言い方に反応せず、事実ベースの話をしましょう。
仕事が遅れていることに対し、感情的な話や不可抗力のトラブルを盾にしてきたら「どこがどういう状態で遅れていて、どう対処しているのか」という先を見据えた事実を話してもらうようにするといいでしょう。
感情で返せば相手の思う壺。あくまで冷静に、事実を確認しましょう。
曖昧な約束は必ず記録に残す
おかしいな、なんだか怪しいな、と思うことがあれば「念のため要点だけ送ります」「確認のため進捗をメモしておきます」などチャットやメールで文章化し、期限、担当、決定事項を明確に残します。
記録が残っているという事実は、相手が忘れていたと逃げる隙を与えない強力な抑止力に。あとからの言った言わないのトラブルも防げるので、自分を守る武器になります。
相手の尻拭いをやめる
仕事のフローにおいて下流である場合、相手の不備やミスの影響を受けてしまいます。しかし、下流にいる自分がすべてフォローして問題を解決する、いわゆる回収係になるのはやめましょう。
あなたがすべてを背負ってしまうと、相手は自分の行動を改める必要がないと判断し、同じようなことを繰り返したり、上司や他のメンバーにも同罪だと思われてしまいます。
見えない攻撃には、具体的な対応を

見えないからこそ、その攻撃性の高さや迷惑度合いがわかりにくいカバードアグレッション。自分にどれだけ高い技術があっても、こうした攻撃に晒され続けると、精神的に消耗してしまいます。
迷ったとき、困ったときは、「やりにくい」「嫌だ」といった感想ベースではなく、どう困っているか、実際に業務にどんな影響が出ているのかを事実ベースでまとめ、職場に相談することも検討しましょう。
TOP画像/(c) Adobe Stock
コマツマヨ
WEBサイトライティングをメインに、インタビュー、コラムニスト、WEBディレクション、都内広報誌編集、文章セミナー講師など幅広く活動。



