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「都合がつかない」の意味や使い方
相手の提案を断るとき、どう断ればよいのかわからずに心配する人は少なくありません。そもそも「都合がつかない」とはどういう意味か、ビジネスシーンにおける使い方と一緒に確認します。
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「都合がつかない」は折り合いがつかないときに使う
「都合がつかない」は、会合の日程に合わせられず断るときや、頼まれた用事を引き受けられないときなどに使われる言葉です。「都合」はもともと「全て合わせること、合計」という意味で、そこから「やりくりすること」という文脈でも使われるようになりました。
このことから、「都合がつかない」は、スケジュールやリソースをやりくりできないため要求に応じられないことを表します。
現在はよく、スケジュールが合わないという意味で使われますが、費用や何らかの条件に応じられないときにも使う丁寧な言い回しです。
つ‐ごう〔‐ガフ〕【都合】の解説
[名](スル)
1 何かをするときにほかの物事に影響を及ぼす事情。わけ。「一身上の—により退職いたします」
2 ぐあいがよいか悪いかということ。「今日はちょっと—が悪い」
3 やりくりをすること。繰りあわせること。
(ア)予定を調整すること。「なんとか—をつけて出席しましょう」
(イ)金銭を融通すること。「期日までに資金を—する」
4 (副詞的に用いて)すべて合わせて。合計。「—5人が参加する」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
使い方と具体例
「都合がつかない」という言葉は、ビジネスでもプライベートでもよく耳にします。「都合がつかない」は、突然の予定変更や新しい予定を求められたときに断るための表現です。ビジネスシーンで「都合がつかない」を使った具体例には次のようなものがあります。
【例文】
・残念ですが別の仕事が入っているため、今週の火曜日は面談の都合がつきません
・恐れ入りますが、日程の都合がつかないため、今回のイベント参加は辞退いたします
相手から提案された会議・面談などのスケジュールが合わない場合だけでなく、セミナーや社内イベントに出席できない場合や、新しい仕事の依頼やプロジェクトへの参加を引き受けられない場合にも使える言葉です。
ビジネスで使える「都合がつかない」の言い換え
「都合がつかない」はさまざまなシーンで使われるものの、より丁寧な表現にするには丁寧語にする、クッション言葉を使うといった技術があります。ビジネスマナーを守って「都合がつかない」を表現する方法を見ていきます。
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語尾を丁寧な表現にする
「都合がつかない」は「都合が悪い」などと比べると、柔らかく丁寧な表現といえます。ただし敬語ではないので、語尾に「~です」「~ます」を付けて敬語の1種である丁寧語にすると、さらに柔らかさが増します。
例えば、「都合がつけられませんでした」「都合がつけられません」といった言い回しが可能です。「本当は相手の要望に合わせたいが、事情があってどうしてもできない」というニュアンスを表現することで角が立たないように配慮できます。
初めにクッション言葉を入れる
文頭に、残念な気持ちや感謝の気持ちを表す「クッション言葉」を入れると、言葉の印象が柔らかくなります。例えば、「都合がつかない」に付けられるクッション言葉には以下のような表現があります。
・あいにく~
・せっかくですが~
・申し訳ありませんが~
・お気持ちはありがたいのですが~
・心苦しいのですが~
・大変恐縮ですが~
・誠に勝手ながら~
同じ断る内容でも、あまりストレートに言いすぎると相手を不快にする可能性があります。クッション言葉は、文字通りワンクッション入れて穏やかな言い回しにする方法です。
「都合がつかない」の類語表現
「都合がつかない」をさらに婉曲に表現することも、印象を柔らかくする方法の一つです。
婉曲表現としては「取り込んでいる」「予定の調整が難しい」「スケジュールが埋まっている」といった言い方があります。暗に、自分の忙しさや事情があってスケジュールを調整できないことを伝え、相手の理解を求める表現です。
逆に、「時間が作れない」「対応できない」といった言い換えは、強い断り表現になります。望まない勧誘を拒むときには丁度よい言葉ですが、ビジネスシーンでは人間関係にひびを入れる可能性があるので注意が必要です。
「都合がつかない」の類語表現もさまざまあります。言葉ごとのニュアンスを理解し、シチュエーションに合わせて使い分けることが大事です。
都合がつかない場合の上手な断り方
相手から申し込まれた日程や条件に不都合があったとき、メールで断るにはいくつかポイントがあります。分かりやすいタイトルにする、代替案を複数出すなど、相手の立場に立った配慮のコツや具体的な断りメール例を紹介します。
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メールで断るときに必要な要素
相手が提案してきた会議や面談のスケジュールを断る場合、相手と良好な関係を保つためにも失礼のない表現にすることが大切です。
断りメールのポイントは、まず一目見て用事が分かるタイトルにすることです。タイトルがはっきりしないと他のメールに埋もれて気付かれにくくなります。返信の場合は「Re:」を付けたままにするのもコツです。
次に、本文の初めに謝罪を入れます。相手に合わせた丁寧な表現で謝罪し、都合がつかない理由も一言添えると誠実な印象を与えるためです。
また、日程の代替案として、具体的な日程を3通り以上を提示します。提案するときは自分の都合ばかり押し付けないよう配慮が大切です。
日程が合わない場合の断りメール例
日程が合わない場合の断りメールをどうやって書いたらよいか、具体例を紹介します。例えば、商談などで相手から提示された日程と都合が合わないときの断りメールは次のようになります。
件名: Re【元のメール名のまま】
【相手の会社名】
【様付けで相手の名前】
いつもお世話になっております。○○会社の○○です。
ご提示いただいた打ち合わせの日程について、誠に申し訳ありませんが他の用件で埋まっており都合がつかない状態です。再調整の日程として以下の候補はいかがでしょうか。
・×月×日 ○○:○○~○○:○○
・×月×日 ○○:○○~○○:○○
・×月×日 ○○:○○~○○:○○
お手数をおかけして恐縮ですが、ご検討のほどお願い致します。
【自分の会社名】
【自分の名前】
一度は決まった日程を急に変更したい場合には「大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません」などの一言を添えます。また、イベントやセミナーなど日程の変更ができない場合には、出席できず残念な気持ちや次の機会には参加したい気持ちをアピールすると角が立ちません。
都合がつかず断る場合の注意点
適切に断るには、表現の他にスピードが重要です。また、自分のスケジュールを調整したり代わりの方法でフォローしたりできる可能性もあります。このように、都合がつかず断る場合の注意点もチェックしていきます。
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別の用事を後回しにできないか考えてみる
重要な要件の場合は、「日程が埋まっているから都合がつかない」と機械的に考えず、他の用事を調整して日程を空けられないか検討するのも大事です。
最近はオンラインミーティングも一般的になったため、オンラインでの打ち合わせを提案するのも一つです。内容にもよりますが、オンラインも無理ならビジネスチャットという手段もあります。
スケジュールは、できるだけ用事の優先度に従って柔軟に調整した方がスムーズです。急に重要な案件が入ってきても困らないように、予定に予備タイムを作る方法もおすすめです。
日程調整への返信は早い方がいい
相手の申し出を断ったり日程調整したりする場合は、相手の都合もあるので早い返信を心掛けるのがマナーです。少なくとも24時間以内の返信が望ましいとされます。
もし、決定した日程の1週間前に都合が悪くなった場合には、変更の申し出は電話が確実です。メールは相手が気付くまでに時間がかかる可能性があるため、急ぎの連絡には不向きです。
先に電話で謝罪と日程変更の要望を伝え、必要な場合は後から日程調整メールを送ります。
連絡回数はできるだけ最小限にする
電話やメールのやり取りが多いと、それだけ相手の時間を割くことになります。できるだけ少ない回数で日程調整ができるよう配慮が必要です。
例えば、自分から日程を提案する際には、日にちだけでなく時間の範囲まで指定すると親切です。
また、相手の都合を考慮して再調整の日程候補には幅を持たせます。3通り以上の候補を示したり、「×月×日~×月×日」と表示するのがおすすめです。
反対に、自分のどうしても都合のつかない日だけを書いて「×月×日以外でお願い致します」という表現も可能です。
変更内容や日程の提案を分かりやすく提示し、少ないやり取りで調整が終わるように心掛けます。
都合がつかないときは丁寧に断ろう
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相手から示された日程や条件に合わせられないとき、気が引けて断りづらいという人は珍しくありません。
しかし、都合がつかないときにはできるだけ早く断った方が、相手もスケジュールを調整しやすくなります。
相手を不快にさせない断り方のポイントは、丁寧な表現やクッション言葉を活用して「本当は断りたくないけれど、どうしても都合がつかない」というニュアンスで、相手への敬意を伝えることです。
日程を再調整するときには、できるだけ相手に手間を掛けさせないような工夫も必要です。基本的なビジネスマナーと配慮のコツを押さえて、お互いに気持ちのよい断り方を実践しましょう。
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