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2024.03.16

醸成とは?意味は2つ?それぞれの意味に対する類似表現や反対表現も解説

醸成には、「原料を発酵させること」と「徐々にある状態をつくり出すこと」の2つの意味があります。仕事でも、「一体感の醸成」といった表現を聞いたことがある方もいるでしょう。本記事では醸成の2つの意味や例文を交えた使い方、類似表現や反対表現などをご紹介します。

醸成の意味は主に2つ

醸成は「じょうせい」と読み、ビジネスシーンでも耳にする機会のある言葉の1つです。醸成には主に2つの意味が存在します。

醸造のイメージイラスト

(c)Adobe Stock

1つ目は「原料を発酵させて酒などを造ること」、そしてそこから転じた「ある状態や気運などを徐々につくり出すこと」という2つ目の意味です。それぞれの意味を詳しく確認しましょう。

じょう‐せい〔ヂヤウ‐〕【醸成】
1 原料を発酵させて酒や醤油などをつくること。醸造。「酒を醸成する」
2 ある状態・気運などを徐々につくり出すこと。「不穏な空気が醸成されつつある」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

原料を発酵させてお酒などを造ること

醸成のもともとの意味は、原料を発酵させてお酒や醤油、味噌などを造ることです。

発酵とは、食品に微生物が増えることで起こる変化のことです。腐敗もまた、食品に微生物が増えることで起こる変化のことであり、両者の違いは人間にとって有害か否かという点にあります。発酵させることで大豆は醤油や味噌に、蒸し米は日本酒に、大麦はビールに変化します。

参考:農林水産省「日本の食文化に欠かせない「発酵」の世界」

徐々にある状態をつくり出すこと

醸成の2つ目の意味は、「徐々にある状態をつくり出すこと」です。醸成の本来の意味である「原料を発酵させて酒などを造る」ためにはさまざまな製造工程を経る必要があり、時間もかかります。そこから転じて、雰囲気や気運を徐々につくることを意味するようになりました。

ビジネスシーンで使われるのは、この「雰囲気や気運を徐々につくる」意味での醸成という言葉です。あくまでも、徐々に雰囲気や状態をつくることを指し、一気に変化する状況に対しては醸成という表現は使いません。

【例文付き】醸成の使い方

ここでは、醸成の使い方や例文を確認します。代表的な使い方として、「醸成する・される」「醸成を促す」「醸成を図る」などが挙げられます。醸成を使った例文は、以下のとおりです。

味噌蔵

(c)Adobe Stock

・この工場では味噌を醸成している

・この部署では、皆が当事者意識を持って課題に取り組む雰囲気が醸成されている

・一体感の醸成を目的とした企画を検討する

・リーダーの行動に影響され、チームメンバーにも自然と主体性の醸成が促された

・社員間の信頼感の醸成を図ることが、喫緊の課題だ

醸成の類語・類似表現

原料を発酵させてお酒や醤油、味噌などを造る意味の醸成の類語・類似表現には、「醸造」や「吟醸」などがあります。

酒瓶が並ぶ様子

(c)Adobe Stock

徐々にある状態や気運をつくり出すという意味の醸成に関しては、「涵養」や「惹起」などが類語・類似表現に該当します。また「醸す」は、原料を発酵させてお酒を造る意味と、徐々に気運や状態をつくり出す意味の両方を持つ言葉です。それぞれの言葉の意味を確認しましょう。

醸造

醸造は「じょうぞう」と読み、醸成と同じように発酵によってお酒や醤油などを造ることを意味する言葉です。食品材料を微生物によって発酵させ、さらにそれを熟成させる工程を指します。

なお、醸造には「徐々にある気運や状態をつくる」という意味はないことに注意しましょう。

吟醸

吟醸の読み方は「ぎんじょう」で、吟味した原材料を用いて丁寧に醸成することを意味します。吟味とは、念入りに調べて選ぶことを表します。

「吟醸酒」や「大吟醸」といった言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。吟醸酒は、4割以上削った白米を原料に使い、低温で長期間発酵させる「吟醸造り」という製法で造る日本酒のことです。大吟醸は、5割以上を削った精米で製造した清酒を指します。

醸す

醸すは「かもす」と読み、醸成と同じように、原料を発酵させてお酒などを造るという意味だけでなく、徐々にある状態をつくり出す意味も併せ持つ言葉です。

原料を発酵させてお酒や味噌を造る、つまり醸成することから転じて、「物議を醸す」のように、少しずつある状態や雰囲気をつくり出すという意味でも使われるようになりました。

涵養(かんよう)

涵養とは「かんよう」と読み、自然に水がしみこむように徐々に養い育てることを意味する言葉です。「徐々にある状態をつくり出すこと」という意味を持つ、醸成の言い換え表現として用いることが可能です。

涵養は良い状態をつくり出すことを意味するのに対し、醸成は「信頼を醸成する」「不安を醸成する」というように、良いことにも悪いことにも使う点が異なります。

惹起(じゃっき)

惹起も、醸成と同じような意味で使う言葉です。読み方は「じゃっき」で、基本的には事件や問題などのネガティブな事象を引き起こすことを意味しますが、関心や興味を促すプロモーション活動などにおいては、「関心惹起」というポジティブな意味で用います。

後者の意味で用いる場合は、醸成と似た意味で使うことが可能です。ただし、醸成に比べ、その状態になるまでの時間が短いニュアンスがあります。

醸成の対義語・反対表現

醸成の反対の意味を持つ対義語・反対表現には、「急ごしらえ」や「拙速」などが挙げられます。それぞれの意味を確認しましょう。

目覚まし時計と急いでいる人のイラスト

(c)Adobe Stock

急ごしらえ

醸成の反対の意味を持つ表現には、急ごしらえがあります。急ごしらえとは、間に合わせるために急いでつくることや、急いでつくったものを表す言葉です。時間をかけて徐々に雰囲気や気運をつくる醸成とは、反対の意味であるといえるでしょう。

拙速

拙速は「せっそく」と読み、出来はいまいちであるものの速いことを意味する言葉です。「拙」は訓読みをすると「つたない」であり、「へた」や「劣っている」という意味を持つ文字です。そのため、「拙いけれど速い」という意味で用いられます。

醸成の意味を理解して使いこなそう

醸成には、「原料を発酵させること」と「徐々にある状態をつくり出すこと」の2つの意味があり、ビジネスシーンでは主に後者の意味で使われます。

もともとは原料を発酵させてお酒などを造ることを指す言葉でしたが、そこから転じて徐々にある状態や雰囲気をつくることを表すようになりました。徐々に変化することを表し、一気に変化する状況に使うのは、適切ではないことを押さえておきましょう。醸成が持つ2つの意味を理解して、正しく使いこなしましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(C)Adobe Stock

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