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2026.01.20

「蒲柳の質」とは身体が弱く病気にかかりやすい体質|使うときには注意が必要

蒲柳の質は、柳の葉のようになよなよとして、落ちやすい様子にたとえられた言葉です。実際にどのように会話の中で使うのか、例文を用いて紹介します。また、蒲柳の質という言葉を使うときに注意したいポイントもチェックしましょう。

蒲柳の質とは? 読み方と意味

「蒲柳の質」とは、身体が弱く、病気にかかりやすい体質のことです。「ほりゅうのしつ」と読み、「蒲柳之質」と書くこともあります。

なお、蒲柳の質の「質」は「しつ」と読むことが一般的ですが、「たち」と読まれる場合も。そもそも「たち」とは、生まれ持っている性質や体質のことを指すため「蒲柳の質」の意味とも合っているといえます。

しかし、蒲柳の質は「ほりゅうのしつ」と読むことが慣用的になっているため、「ほりゅうのたち」は間違いとされる可能性があります。「質=たち」と読むことがあるという点は念頭に置きつつも、日常会話やテストでは「蒲柳の質=ほりゅうのしつ」と読むようにしましょう。

ほりゅう‐の‐しつ〔ホリウ‐〕【×蒲柳の質】
からだが弱く病気にかかりやすい体質。

出典:小学館 デジタル大辞泉

蒲柳の質の使い方を例文でチェック

「蒲柳の質」は日常会話でも使われることがあります。いくつかの例文から、使い方を見ていきましょう。

・丈夫そうに見えるといわれるのですが、実際は蒲柳の質で、一日の大半は寝て過ごしています
・姉は蒲柳の質の生まれで、幼いときからすぐに熱を出しては、寝込んでいた
・一見すると蒲柳の質といったほっそりとした体つきですが、よく食べる健康的な方でした

「蒲柳の質」という言葉は、第三者にも使いますが、自分の身体の弱さを指して使うこともあります。

ベッドに座ってうなだれる人のイラスト
(c)AdobeStock

蒲柳の質の由来

「蒲柳」とは「かわやなぎ」のことで、早く葉を落とすことから、生まれつき弱いことのたとえに使われてきました。中国の古書『晋書(しんじょ)』や『世説新語』には、弱くなよなよとした「かわやなぎ」と、寒くなってもますます葉を茂らせる「松柏(しょうはく。松やコノテガシワのこと)」と対比させた文章が見られます。

『世説新語』では、南北朝時代の梁王朝の簡文帝(かんぶんてい)と家臣の顧悦(こえつ)のエピソードが記載されています。簡文帝と顧悦は同年齢でしたが、顧悦が若いうちから白髪であったため、簡文帝は「同じ年なのになぜもう白髪なのか」と尋ねました。

顧悦は「蒲柳のようなわたしは秋を前にして葉を落とし、松柏のような皇帝は霜が降りるといっそう葉を茂らせるといいます」と、自分の頭髪と簡文帝の違いを草木にたとえて答えたそうです。そこから、生まれついて身体が弱いことを「蒲柳」「蒲柳の質」、反対に生命力にあふれた様子を「松柏」というようになったとされています。

蒲柳の質を使うときには注意しよう

「蒲柳の質」という言葉は、特に差別的な表現ではありません。しかし、自分以外の人を指して「蒲柳の質」と表現するときには、いくつか注意が必要です。

話し相手や後から言葉を伝え聞いた人が不快にならないためにも、「蒲柳の質」を使うときに注意したいポイントを見ていきましょう。

(c)AdobeStock

見た目で判断することは避ける

「蒲柳の質」は、身体が弱く、病気にかかりやすいことを指す言葉です。見た目が虚弱なときに使う言葉ではないため、身体の細さや顔色の青白さなどから勝手に「蒲柳の質」と決めつけるのは、失礼に当たる可能性があります。

身体の弱さを指摘することも避ける

相手の身体が弱く、病気にかかりやすいことが確かであっても、「蒲柳の質」という表現を使うのは避けるほうがよいでしょう。相手が自分の身体の弱さを受け入れていない場合や、虚弱体質であることを気にしている可能性も想定されます。

そのようなときに第三者から「蒲柳の質なんですね」といわれてしまうと、身体が弱いことが事実として確定されたかのような気持ちになるかもしれません。使用シーンや関係性に気をつけたい言葉といえるでしょう。

蒲柳の質と類似する言葉

「蒲柳の質」と同じく、身体が弱く、病気にかかりやすい様子を指す言葉はいくつかあります。

・病弱
・多病
・虚弱

いずれも差別的な言葉ではありませんが、身体の弱さを気にしている人にとっては「言われたくない言葉」の可能性も。自分の状態を指して使うときには問題はありませんが、相手や第三者に対して使うときは十分に注意を払うようにしましょう。

頭を抱える女性
(c)Adobe Stock

病弱

「病弱(びょうじゃく)」とは、身体が弱く病気がちであることや、その様子を指す言葉です。次のように使います。

・小学校3年生のときに同じクラスだったらしいが、彼女は病弱でほとんど学校に来ていなかったため、あまり記憶にない
・彼はいつも「僕は病弱だから」と言うが、病気にかかったところも辛そうにしているところも見たことがない
・私の母は病弱な人で、横になっていることが多い

「病」という漢字を使うため、単に身体が弱いというよりは、実際に病気にかかっている・かかりやすい人に使われる傾向があります。

多病

「多病(たびょう)」とは、病気がちなことや、よく病気をすることです。

・弟は多病な体質で、治ったと思ったら別の病気にかかっている
・私は多病がちなため、このプロジェクトからは外してほしいです

他の言葉と同じく、他人に使うときは配慮が必要です。

虚弱

「虚弱(きょじゃく)」とは、力や勢いが弱いことを意味する言葉です。特に身体が弱いことを指して使われます。

・幼いときから虚弱体質で、熱が出ない日がない
・虚弱に見えるが、実は丈夫な質(たち)だ
・彼女の声はあまりにも弱弱しく、虚弱な様子に見えた

虚弱も、他人に使うときは注意が必要です。

「蒲柳の質」の言葉を他人に使うときは注意が必要

「蒲柳の質」は、弱弱しい様子をかわやなぎにたとえた表現です。詩的なニュアンスもあり、差別的な要素は含みませんが、身体の弱さを気にしている人にとっては言われたくない言葉かもしれません。他人に使うときは相手の気持ちを慮り、適切な言葉を選ぶようにしましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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