ロンドン在住ライターが感動した!夏休みに訪れたい「本場のアフタヌーンティー」ベスト5
ロンドンでホントに行くべきアフタヌーンティーはどこ? 日本ではラグジュアリーホテルから有名ショコラティエまで、多彩なアフタヌーンティーを取材し、ロンドンでも「割と行っているかな」と自負する私(照)が「ここなら間違いない!」と推すベスト5をピックアップ。前編ではスタイリッシュな「sketch London (スケッチ ロンドン)」とホッコリ可愛い「Candella Tea Room(カンデラ ティールーム)」をお届けしました。後編の今回はいよいよベスト3を感動ポイントの「Pros(プロ)」&がっかりポイントの「Cons(コン)」とともにご紹介していきます!
◾️3:The Ritz London(ザ・リッツ・ロンドン)
Pros…一回は行っておくべき歴史感じる名門
Cons…全てのテーブルが一斉にスタートするシステム

1906年創業、グリーンパークを一望するラグジュアリーな老舗五つ星ホテルです。超有名なアフタヌーンティーは地上階の「The Palm Court(ザ・パーム・コート)」で楽しめます。まず感動したのが、煌めくシルバーのポットやゴールドで縁取られたカップをトレイに載せ、きっと重いであろうそれらをキリリと美しく運ぶ、タキシードのウェイターたちの所作。その凛とした姿に、ひとめで老舗らしい格式が見てとれて、うっとり。一人の方はリッツで40年働いている、と話していて、その深みある佇まいとスマートなサービスに感激。そして、スイーツが美味しいのも高ポイント! プルミエ スー シェフを務めるのは日本人のKumikoさん。素材を活かした繊細な味は、ロンドンではなかなか出会えないもの。スタンドに載ったペストリーのほか、アフタヌーンティーの締めくくりには、テーブルサイドサービスで、トロリーから2切れのケーキが運ばれてきます。ものすごく甘党ではない私も、ケーキの美味しさに欲張って、たっぷり頂きました♡
そしてよくないところ…。これは行ったことある人が皆、口を揃えて言う「よーいドンでスタートするシステム」です。一旦全員がはけて、また次の回が一斉に始まるので、周囲と進み具合を否が応にも比較してしまい、スピードとの戦いのようなプレッシャーを感じてしまいます。老舗のエレガンスと対極にあるスタイルで、ちょっと無粋。
あとは、格式の高いリッツなので、ドレスコードを気にされる人も多いかもしれません。男性はジャケット必須、女性もショートパンツやダメージデニム、スポーツウエアは禁止です。私が訪れた盛夏は、予約時間前に地下の化粧室で慌ててスニーカーやビーサンから履き替えている人をチラホラ見かけました(笑)
価格:1人79ポンド(約15,300円)~
◾️2:Mandarin Oriental Hyde Park, London (マンダリン オリエンタル ハイドパーク ロンドン)
Pros…ふわふわの逸品サンドウィッチ
Cons…熟考の末、特になし

老舗デパート「ハロッズ」と同じナイツブリッジ地区にある、ヴィクトリア朝様式が印象的なホテルのオールデーダイニング「The Rosebery(ザ・ローズベリー)」。ロンドン在住の友人に尋ねると大体名前が挙がる、人気アフタヌーンティーといえばここです。アイアンのマンダリン・ツリーにかけられた鳥かご(温かいスコーンが載っています)がアイコニックな名店。正直、いいところばかりでがっかりポイントが見つからない…。強いていえば、化粧室がやや遠い、とか本筋と関係ないことばかり。「白茶からスタートしてみては?」とさりげなくおすすめを教えてくれたり、お茶のお代わりや種類チェンジも気遣ってくれ、制限時間で焦らされることもなくゆったりと過ごせます。
そんな至れり尽くせりのサービスもここを訪れる価値の一つですが、忘れてはいけないのがサンドウィッチ! スモークサーモンには海苔、卵には黒トリュフ、とツイストが効いた具材がふわふわしっとりのパンに挟まれ、サンドウィッチの域を超えた逸品です。ここでひとつ、ロンドンのアフタヌーンティーの魅力的なポイントを。大抵のお店でサンドウィッチはお代わりでき、食べきれなかった分はお持ち帰りOKなんです。ここではぜひ2ndラウンドを楽しんで♡
価格:1人79ポンド(約15,300円)~
Mandarin Oriental Hyde Park, London (マンダリン オリエンタル ハイドパーク ロンドン)
◾️1:Claridge’s(クラリッジズ)
Pros…素晴らしきホスピタリティ
Cons…とにかく予約が困難

天皇皇后両陛下が昨年イギリスを公式訪問された際に滞在された、メイフェア地区の由緒正しきホテル。アフタヌーンティーはアールデコ調の鏡がきらめく「THE FOYER & READING ROOM(ザ・ホワイエ&リーディングルーム)」で楽しめます。一番の感動ポイントはホスピタリティ。入口では自分から名乗る前から、名前を呼び歓迎してくれました! その後も種類豊富なお茶やピアノとチェロの生演奏で、心地よいティータイムに。フルーツシロップをブラックティーに注いでいただく「Claridge’s Real Fruit Tea」は変わり種ですが、他にはないチョイスで2杯めのオーダーにおすすめ!
ただ、人気なだけあり特に週末の予約が困難…。平日の夕方以降などは寸前でも比較的空いていたりするのでオンラインで要チェックです!
価格:1人95ポンド(約18,400円)~

以上、観光客も訪れやすい「ZONE1(ロンドン中心部)」からマストな5か所を、前編と後編に分けてお届けしました。スイーツ必須なアフタヌーンティーですが「実は甘いものがそれほど好きじゃない」なんて人もきっといますよね。その場合おすすめなのが、たいていどんなお店にもある「クリームティー」。紅茶とスコーンのセットで、クロテッドクリームとジャムが添えられています。クロテッドクリームを山ほどつけて頂くスコーン…ギルティですが絶品です! パリでは最近、バターをお土産に持ち帰るグルメな人が増えていますが、ロンドンでは断然クロテッドクリーム! 日本に比べるとだいぶお手頃プライスで手に入るので、お土産にもおすすめです♡
ライター 神田朝子
ロンドン在住。得意分野はファッション、ラグジュアリーホテル、クラシック音楽。Instagram:@asako_kanda