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LIFESTYLE

2025.03.27

timelesz原 嘉孝「考え込んでしまうことも、眠れない夜もたくさんある。でもそんな自分も嫌いじゃない」|インタビュー前編

2月からtimeleszのメンバーとなった原 嘉孝さんですが、その原点は「舞台」にあります。演じる醍醐味も難しさもつまった「舞台」について振り返りつつ、最新出演作舞台『Take Me Out』2025の稽古開始を前にした今の心境を語ります。

瞬発力の求められる舞台で、すべての瞬間に100の力を出し続ける

『Take Me Out』は、2003年のアメリカ・メジャーリーグのチームを舞台にした作品。黒人の母と白人の父を持つスター選手、ダレン・レミングが、ある日突然「ゲイ」であることを告白し、チーム内にさまざまな反応が広がる。しかし、日本人ピッチャーのタケシ・カワバタは何も語らない――。

原さんが演じるのは、その“カワバタ”という寡黙な選手。マイノリティへの偏見や差別が残るアメリカで、彼の言動に注目が集まります。原さん自身は、カワバタをどのような人物として捉えているのでしょうか?

「とても孤独だけど、自分の世界をしっかりともっているのが、カワバタです。野球こそが自分の仕事で、コミュニケーションも必要ないし、やるべきことをやるだけ。だって、それが自分の仕事だから。と、そんな強い信念をもちつつも、裏を返せば、ガードを固めなければやっていけない弱さもあるのだと思います。そういう人間らしいところ、自分にもあるかもしれない」

と言ってから、「自分で言うのも恥ずかしいけど」と小さめの声で付け加えた原さん。さらに、カワバタとの共通点をこう語ります。

「そう、人間らしいところ。僕はふだん明るくてワイワイしているイメージかもしれないけど、家に帰れば考え込んでしまうことも、眠れない夜もたくさんあります。舞台を前に、緊張することももちろんある。こんなふうに、内に入り込んでしまう自分も、決して嫌いじゃないけれど。こうしてみると、カワバタと僕は通じているかもしれません」

野球について勉強を始めました

原さんの舞台経験は2012年から始まり、これまで40以上の作品に出演してきました。その存在感と実力は多くの人が認めるところ。では原さん自身は、舞台出演の醍醐味をどんなところに感じているのでしょうか。

「準備期間がしっかりあって、稽古もたくさんできて。映像の仕事では、カメラが回るまで相手の出方がわからなかったり、まあそれも楽しいけれど、準備期間をとおして相手を完全に知ったうえで、演技できるのが舞台です。だから、どの瞬間も100の力を出すことができる。それは僕にとっての大きな醍醐味です。

そのためには、準備期間中キャスト同士で、演出家さんと、たくさん会話して、セッションして、お互いの役をとことん深め合いたい。だから今は、早くキャスト同士で話しをしたいです。たとえば、この役はどんな経緯があって今ここにいるんだろうか、この関係は何年くらいの仲なんだろうか、と。

これまでの舞台でも、そうやってきました。だからなのか、一度も人間関係でギスギスしたことはなかったし、どんな敵対する役柄でも裏では仲良くなれる。これは僕の特技といっていいかもしれません」

と話しながら、「早く稽古が始まらないかな」と目を輝かせる原さん。では、稽古前の現時点では、どんな準備をしているのでしょうか。

「これまで野球に触れてこなかった人生なので、まずは野球について勉強しています。知ってることといったら“9回表裏”くらいですから。勉強して初めて、スリーアウトでチェンジなんだとか、何人でも選手交代できるんだと、知りました(笑)。そして、日本人メジャーリーガーにはどんな人がいたのか、どんな活躍をしているのか…。その先駆けであり、日本人メジャーリーガーの道を切り拓いた野茂英雄さんが、アメリカに渡ってロサンゼルス・ドジャースに入ったのが1995年。偶然にも僕が生まれた年でした。

野茂さんはトルネード投法で成功しましたが、僕の投球フォームはこれから。ボールの握り方を調べてみたり、ピッチングが体験できるところに行ってみようかと思っているところです。そのときは、経験者に隣についてもらって。体の柔軟性には自信があるので、なんとかなると思います!」

相手の目を見て、何を伝えようとしているのか、どうやり取りするか、考える

それら準備を経て、役になるためにどんな実践をしていくのでしょうか。ここにも、原さんならではのストイックなやり方が。

「その人物の気持ちになるしかありません。人物の過去を想像したり、セリフはもちろん、そこにはない“裏セリフ”――台本に書かれていない裏の感情――までもしっかり考える。たとえば『楽しい』と書かれていても、本心では楽しくないのかもしれないし。それは、自分だけでなくほかの役についても、同じように考えます。だから…役をつくっていくのに、けっこう時間がかかるほうだと思います。でも、そうすることで、寡黙でありながらも熱いものを内に秘めている“カワバタ”という人物の存在感につながればいいなと。

セリフがあってもなくても、人物の過去を想像したり、周囲との関係性を整理したりしていくことは、以前からやっていました。2020年の舞台『リチャード二世』では、主演の岡本健一さんにそれぞれの役柄や関係性を全部聞いて、自分なりに想像をふくらませて、すると本番になって、セリフがない場面でも、ものすごい目で人をにらみ倒して、充血してきて。それが印象に残ったと言ってくださる方も多かったのは本当にうれしくて。今回も同じようにして、役を作り上げていきたいと思います」

内側からつくりあげていく強い「目力」こそが、原さんの武器であり魅力です。

「目力は、舞台ではすごく大事な要素です。目の使い方、温度、それは無意識に出てくることもあって、自分では20%の目力のつもりでも、相手と対峙したら100%出していた、なんていうこともあります。舞台上でも相手の目をしっかり見て、何を伝えようとしているのか、どうやり取りするか、考えるのが好き。対話劇がめっちゃ好きなのも、同じ理由です」

と答えながら、記者の目をじっと強く見る原さん。その目力は、舞台上だけでなく「思いを伝える」すべての場面で発揮されているようです。

続く<後編>では、舞台『Take Me Out』2025のストーリーと見どころをたっぷりとご紹介。さらに、原さんが「休みはいらない」「timeleszに還元したい」と語るその背景は? どうぞお楽しみに!

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▶︎timelesz 原 嘉孝「いちばん年下として参加するのは新鮮な感覚。ちょっとは甘えられそうかな」|インタビュー後編

撮影:西村 淳

舞台『Take Me Out』2025
黒人の母と白人の父をもつメジャーリーグのスター選手、ダレン・レミングは、敵チームにいる親友デイビー・バトルの言葉に感化され、ある日突然、ゲイであることを告白。

ダレンのカミングアウトに対し、好意的に受け止める者、怪訝な態度をとる者、嫌悪感をあらわにする者、などチームメイトの反応はさまざま。原さん演じるチーム唯一の日本人選手、タケシ・カワバタは何も語らなかったが、その胸中はどうだったのか。

過去2度にわたる公演と異なるのは、2チーム体制にてそれぞれ違った演出を行うという試み。2018 年の再演を支えたオリジナルメンバーに新メンバーを加えた経験豊かな「レジェンドチーム」。そして一般公募330人の中からオーディションを勝ち抜いた11人の新メンバーのみで構成される「ルーキーチーム」。
東京公演は2025 年 5 月 17 日(土)~6 月 8 日(日) 全 30 公演(レジェンドチーム 20 回、ルーキーチーム 10 回)。その後、名古屋、岡山、兵庫で公演(いずれもレジェンドチーム)。

▶︎オフィシャル HP
▶︎オフィシャル X

はら・よしたか
1995年9月25日生まれ、神奈川県出身。2012年、『ABC座』で舞台デビュー。『DREAM BOYS JET』(2013年)、『新感線☆RS「メタルマクベス」disc2』(2018年)などに出演。2019年8月、舞台『THE BANK ROBBERY!~ダイヤモンド強奪大作戦~』で舞台初単独主演。以降もserial number『hedge 1-2-3』、タクフェス第9弾『天国』(いずれも2021年)、『罠』(2022年)、serial number 09『スローターハウス』(2023年)、『山田ジャパン「愛称⇆蔑称」』、『ノサカラボ「ゼロ時間へ」』(ともに2024年)で主演。ドラマ『トリリオンゲーム』(2023年)、『劇場版 トリリオンゲーム』(2025年)、映画『#真相をお話しします』(2025年4月25日公開)に出演。新メンバー募集オーディション『timelesz project』に参加し、2025年2月5日付でtimeleszの新メンバーとして加入。グループ初の配信楽曲『Rock this Party』をリリース。5月17日からの舞台『Take Me Out』2025では、レジェンドチームの一員・カワバタを演じる予定。

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撮影/田形千紘 スタイリスト/九(Yolken) ヘア&メイク/丹澤由梨子 構成/南 ゆかり

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