無邪気な心と再会できる、不思議で素敵な舞台「PLAY」が日本に上陸
2025年7月、子供も大人も夢中になる舞台作品が日本で上演されます。その作品名は「PLAY」。遊び、がタイトルのこの作品は、コンテンポラリーダンスの神秘的で難解なイメージを素敵に覆すものでした。
2024年のクリスマス時期に同公演をパリ・オペラ座で観た様子と共に、その魅力をお届けしたいと思います!
気鋭の演出家 アレクサンダー・エクマンが手掛ける、力強いメッセージ

こちらはパリ・オペラ座ガルニエ宮での「PLAY」演目前の様子。一人のダンサーが道化師のように、深呼吸するように、ストレッチするように、自由に伸びやかに舞台の開幕を待っています。舞台上と観客の間にまるで垣根がないような感覚、それは演出家が意図する一つの演出のようでした。
この作品はスウェーデン出身の振付家・Alexander Ekman(アレクサンダー・エクマン)によるもので、パリ・オペラ座のために作られました。彼は2024年パリ・パラリンピック開会式の演出・振付も手掛けた、舞台芸術で世界から注目を浴びているアーティストです。
緑の雨が降ってくる!「緑のボール」が意味するものは?

© Benoîte Fanton/OnP
キビキビとした動きの先生(中央の傘を持っているダンサー)が見守る中、無邪気に子供たちが緑のボールと遊ぶ様子・・PLAYのアイコニックなこのシーンに出てくるこの緑のボールとは何なのか。観客一人一人、受け取り方が違っていいと思うのです。
私の場合は「無邪気さ」「ワクワク」 が形になったものだと感じました。幼い頃の自由でまとまりがない、自然と身体から湧き上がるワクワク、舞台から本当に溢れ出ていました。そして子供たち=ダンサーの表情が凄まじく生き生きしているんです!
時計が支配する、無表情の世界へ

© Benoîte Fanton/OnP
第二幕、ガラッとムードが変わります。あの笑顔は、あの無邪気さは、何処へ・・現代社会を目まぐるしく生き抜く私たちにとって、心に響くものでした。色がなさすぎるモノトーンの世界は、冷えた心を映すよう。
光が差す「PLAY」がある世界へ。舞台と観客が繋がる瞬間

その後ダンサーたちは、人生の原点回帰を模索するように、自然へ、社会へ、と心の旅に出かけていきます。心の旅が終わる頃、大きな白いボールが舞台に舞い降りてきました。ダンサーと観客が一緒になってボールと遊び、舞台へボールを戻していきます。舞台と観客が一つになる!嬉しい瞬間でした。
緑のボールが「ワクワク」なら、この白のボールは「希望」でしょうか。ぜひこの作品を体験して、感じとってみてください。
「PLAY」 アレクサンダー・エクマン / パリ・オペラ座
会場:新国立劇場・オペラパレス
日程:2025年7月25日(金)~ 27日(日)
Website: playoperadeparis.jp
Instagram: @playoperadeparis_ jp
X: @playopera_ jp
*「PLAY」日本公演の詳細・チケット販売については 、上記の公式Website・SNSをご覧ください。
Ticket contact キョードー東京 0570-550-799(平日11時~18時/土日祝10時~18時)
Ayami Okura
パリ在住スタイリスト・エディター。ファッション&ライフスタイルの記事を通して、「フランスの今」をお届けします。
instagram:@ayamiokura