ビジネスシーンで「目論見」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。しかし、正確な意味や使い方を説明できるでしょうか?この言葉は、単なる「計画」とは異なるニュアンスを持ち、適切なシーンで使い分けることが求められます。
そこで、本記事では、「目論見」の意味や使い方、類義語について解説していきますよ。知的な語彙力を磨きたい方は、ぜひ参考にしてください。
「目論見」の意味とは?
「目論見」の意味や特徴を整理し、より適切に使うための手掛かりを紹介していきましょう。
「目論見」の意味
「目論見」は、「もくろみ」と読みます。辞書で意味を確認しましょう。
もくろみ【目▽論見】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
もくろむこと。また、その内容。計画。企て。「―がはずれる」
「目論見」とは、ある目的に向かって考える計画や構想を指す言葉です。動詞の「もくろむ(目論)」が名詞化し、「目論見」となりました。
「目論見」と「計画」との違いは?
「目論見」と「計画」の違いを確認する前に、「計画」の意味も辞書で確認しましょう。
けい‐かく〔‐クワク〕【計画】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
[名](スル)ある事を行うために、あらかじめ方法や順序などを考えること。また、その考えの内容。もくろみ。プラン。「―を立てる」「―を練る」「工場移転を―する」
「目論見」と「計画」は、どちらも事前に考えを巡らせる行為を指します。そのニュアンスに違いがあるといえるでしょう。
「目論見」は、何かを企てる際の構想や意図を示す際に使われることが多いでしょう。一方、「計画」は、物事を実行するための方法や順序をあらかじめ整理し、実現に向けて練られた内容を指すといえます。
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「目論見」の使い方を具体的な例文とともに紹介
「目論見」は、ビジネスシーンや日常生活で使われることがありますが、文脈によっては適切でない場合もあります。ここでは、よく使われる表現と注意が必要な表現について整理していきましょう。
「事業拡大のための目論見がある」
「目論見」は、ある目的を実現するための構想や考えを示す言葉です。この例文の表現は、「将来的に事業を拡大する意向や構想がある」ことを意味します。
「デートは、目論見通りに進んだ」
「目論見通り」という表現は、「事前に考えていた流れや構想が実現した」という意味で使われます。ただし、「デート」に関して使う場合、「目論見」が企ての意味も持つため、意図的な演出や計算された行動を含んでいるような印象を与えることがあるでしょう。
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「試験対策を万全にしたつもりだったが、出題傾向が変わり、目論見が外れた」
「目論見が外れる」は、事前の予想や計画と実際の結果が異なる場面で使われる表現です。例文では、事前に十分な準備をしたものの、実際の試験内容が想定していたものと異なり、期待した結果にならなかったことを表しています。
「目論見」の類語・言い換え表現をマスターしよう
「目論見」の類語や言い換え表現を使い方とともに紹介します。
構想(こうそう)
「構想」は、大まかな方向性やアイデアを示す際に使われる言葉です。実際の手順や細かい計画がまだ決まっていない段階で用いられることが多く、創造的な発想や長期的なビジョンを含むこともあるでしょう。
例文:「新しい都市開発の構想を練る」
企図(きと)
「企図」は、特定の目的を持って何かを計画することを指します。意図的な行動を伴うことが多く、狙いや目的が明確である場合に使われます。ビジネスシーンや公的な場面で使用されることが多い表現です。
例文:「市場拡大を企図して、新商品の展開を進める」
戦略(せんりゃく)
「戦略」は、目標達成のための具体的な手法やアプローチを指す言葉です。組織的な取り組みや、長期的な計画に関連することが多く、計画の実行プロセスや戦術を含む場合もあります。
例文:「企業の成長戦略として、新市場への参入を検討する」
「目論見」の英語表現とは?
目論見」に近い意味を持つ英語表現は、いくつかあります。代表的な表現を3つ整理して紹介しましょう
plan
最も一般的な表現です。計画や目論見のことを指します。
例:a business plan(事業の目論見)
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scheme
長期的な戦略や計画を表しますが、「悪だくみ」という意味もあります。
例:a scheme for the future(将来のための目論見)
design
“design”は、改まった場で使われることが多いでしょう。
例:a grand design(壮大な目論見)
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
最後に
「目論見」という言葉は、ビジネスシーンでも日常でも活用できる便利な表現です。この記事を参考に、適切な場面で自信を持って使ってみてくださいね。
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