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2024.12.28

「ジャケ買い」とは? 昭和生まれの“おじさん言葉”が教えてくれる買い物の楽しさ

「ジャケ買い」は、商品の中身ではなく外見に惹かれて購入する行動のこと。この記事では、「ジャケ買い」の意味や使い方、類語を紹介します。

商品のジャケットやパッケージのデザインに惹かれて、つい手に取ったことってありませんか? 昭和生まれの“おじさん世代”は、こうした直感的な買い物を「ジャケ買い」と呼んでいました。一見すると衝動的な行動にも思えますが、そこにはその時代ならではのカルチャーや価値観が隠れています。

この言葉に秘められた意味や背景をひも解きながら、日常生活での楽しみ方も紹介します。

「ジャケ買い」って何?

一目惚れで買い物をした経験がある人は、意外と多いかもしれませんね。まずは、「ジャケ買い」の意味から確認していきましょう。

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(c) Adobe Stock

「ジャケ買い」の意味

「ジャケ買い」の意味を辞書で確認しましょう。

ジャケ‐がい〔‐がひ〕【ジャケ買い】
[名](スル)《「ジャケ」は「ジャケット」の略》レコード・CD・本などのカバーの印象が気に入って買うこと。ジャケット買い。→パケ買い

引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

「ジャケ買い」とは、商品の中身ではなく外見に惹かれて購入する行動のこと。特にレコードやCD、本などのデザインが重視される商品で使われることが多い表現です。実際に手に取ってみると、意外な発見や満足感を得られることもあり、この言葉は一般的な買い物とは、少し違った楽しみ方を表現しています。

「ジャケ買い」の成り立ちは?

「ジャケ買い」は「ジャケ」+「買い」から成り立っています。「ジャケ」は「ジャケット(jacket)」の略です。ジャケットはレコードやCD、本などのカバーのことを指します。つまり、見た目を重視して、中身を知らないまま購入するということですね。

会話での「ジャケ買い」の使い方

「ジャケ買い」という言葉を日常会話に取り入れると、何気ない話題がちょっとしたトピックに変わるかもしれません。デザインや見た目に対する感覚を共有するきっかけにもなり、話が広がることもあるでしょう。具体的な例文とともに「ジャケ買い」を使った会話例を紹介しましょう。

(c) Adobe Stock

「昨日、この本をジャケ買いしちゃった!」

書店で表紙のデザインにひと目惚れした体験を語るときに使えるフレーズです。内容を深く知る前に手に取る行動には、「自分らしい選択をした!」という感覚が込められていたりします。こうしたセリフは、他の人にもジャケ買いをしたときの感動が伝わりやすくなるかもしれませんね。

「まさかジャケ買いで失敗するとは…」

期待に胸を膨らませて購入したものの、実際の中身は思っていたものと違った… そんな少し残念なエピソードをユーモアを込めて伝えるセリフ例です。「次回はもう少し慎重に選ぼうかな」などと笑い話にすることで、相手の共感を引き出すことができるでしょう。

「ジャケ買いする人って、感性が豊かだよね!」

商品のデザインに惹かれる行動には、その人ならではの感性が表れます。このフレーズは、そうした感覚を褒めるときに自然と使える表現です。特にアートやインテリアの話題で、相手のセンスをポジティブに評価する際に役に立つでしょう。

「ジャケ買い」の類語や関連表現

「ジャケ買い」と似通った表現を知っていると、あなたのボキャボラリーが一層増えるでしょう。それぞれの言葉が持つニュアンスの違いを理解すると、場面に応じた使い分けができるようになりますよ。

衝動買い

「衝動買い」の意味を辞書で確認しましょう。

しょうどう‐がい〔‐がひ〕【衝動買い】
[名](スル)買う予定はないのに、商品を見ているうちにほしくなって買ってしまうこと。

引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

買うつもりはなかったのに、「欲しい!」と思った商品を思わず買ってしまう行動を指す言葉です。衝動買いは、ときに驚くほど満足感を得られる一方で、思わぬ結果を招くこともあります。衝動的な買い物は、後になって失敗エピソードとして語りやすいのも面白さの一つですね。

パケ買い

「パケ買い」の意味を辞書で確認してみましょう。

パケ‐がい〔‐がひ〕【パケ買い】
[名](スル)《「パケ」は「パッケージ」の略》商品の包装や容器の印象が気に入って買うこと。パッケージ買い。→ジャケ買い

引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

「パケ買い」は、商品のパッケージデザインに惹かれて購入することを指します。ちなみに、「パケ」は「パッケージ」の略。

「ジャケ買い」は主にレコードやCD、本のジャケットデザインに惹かれて購入することを意味するので、用途に応じて使い分けられる言葉だといえます。

ひらめき
(c) Adobe Stock

他にもある! おじさん言葉や面白い表現

昭和世代には、「ジャケ買い」以外にも独特で味わいのある言葉が数多く存在します。これらの言葉は、当時の社会背景や文化を反映しており、使う人の個性や価値観が垣間見えるものばかりです。

ビニ本(ぼん)

例えば、「ビニ本」という言葉。これは、ビニール袋の中に入れられて販売される雑誌や書籍を指し、主に昭和の後期から平成初期にかけて広まりました。「ビニール本」の略です。当時の書店や路上で売られていた「大人向け」の書籍に使われることが多く、社会の規制や時代の空気感を象徴しています。

一杯付き合う

「一杯付き合う」という言い回し表現には、昭和の飲み会文化が色濃く反映されています。ただ飲むだけでなく、仕事仲間や友人と時間を共有し、互いの距離を縮める大切な場としての意味合いが込められていました。昭和のビジネスマンにとって、飲み会は単なるリフレッシュではなく、大切なコミュニケーションの場として重要視されていたようです。

「ジャケ買い」ならではの小話

ある男性が、青春時代に町の小さなレコードショップでジャケットのデザインだけに惹かれてあるアルバムを購入しました。当時、そのアーティストはほとんど無名で、アルバムも棚の隅に並んでいるような存在だったそうです。

しかし、そのアルバムが数十年後、コレクターの間で「伝説の1枚」として評価されるようになり、オークションではプレミアム価格が付くほどの価値を持つに至ったとのこと。

ただ「デザインがカッコいいから」という理由だけで買ったレコードが、結果として人生のちょっとした宝物になったというエピソードでした。

最後に

「ジャケ買い」という言葉を紐解いてみると、昭和世代の懐かしさを語るだけではないように思われます。この言葉には、第一印象を大切にする感性や、新しいものに出会うワクワク感が込められている感じがします。

時代が変わっても、「ジャケ買い」のような考え方は現代にも通じるものがありますね。次に何かを購入するとき、少しだけデザインや直感に任せて選んでみると、新たな楽しさが広がるかもしれませんよ。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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