職場で、自分らしくリーダーシップを発揮するには、どうしたらいいんでしょう? そんな時にちょっと参考になるのが「音頭をとる」という表現。昭和生まれのおじさんたちがよく使っていたこの表現には、周囲を自然に引き込むリーダーシップのエッセンスのようなものが含まれています。
この記事では、この「音頭をとる」という言葉の意味や、ビジネスでどう活かせるかを分かりやすく解説します。あなたのキャリアにちょっとしたヒントが見つかるかもしれません!
「音頭をとる」って何?
「音頭をとる」という言葉、聞いたことはあるけれど意味や起こりは知らないという方も多いのではないでしょうか? 実はこの言葉、ビジネスシーンでも役立つ深い意味が隠されているんです。さあ、その理由を一緒に探ってみましょう!
「音頭をとる」の本当の意味
「音頭をとる」とは、集団の中で率先してリーダーシップを発揮し、物事を進めることを指します。ただ指示を出すだけでなく、周囲の人々を巻き込みながら進行役を務める姿勢を表現しているといえるでしょう。場の流れを読み、自然と周囲を引き込んでいくような柔軟な進行役を意味します。
この言葉には、集団を前向きな空気に包み込み、メンバーの協力を引き出す力が込められています。周囲を支え、励ましつつ、目標に向かって一緒に進んでいく姿勢を表しているのです。
「音頭をとる」の由来は?
「音頭をとる」の由来は、音楽や歌の世界に深く根ざしています。この表現の元となった「音頭」とは、もともと雅楽の合奏で各楽器の首席奏者や指揮者を指していました。また、多人数で歌う際に調子を整えるために、最初に歌い出して全体を導く役割を担う人を「音頭」や「音頭取り」と呼びます。
この役割が、他者をリードして物事を進める行動にたとえられるようになり、「音頭をとる」という表現が広く使われるようになりました。現在では、歌や音楽に限らず、会議やプロジェクトなどさまざまな場面で先導役や調整役を務める行動を表す言葉として使われています。
参考:『日本国語大辞典』(小学館)
会話上での「音頭をとる」の使い方は?
「音頭をとる」を実際の会話で使ってみたいけれど、どう表現すれば自然なのか悩んでしまいませんか? 具体的な例文を通じて、その使い方をマスターしましょう。これであなたも会話上手に!
例文「会議では音頭をとってくれて、ありがとう」
上司や同僚からこんな風に言われたら嬉しいですよね。この例文から、会議でリーダーシップを発揮した様子が伝わります。
例文「プロジェクトを成功させるため、彼が音頭をとった」
チームの成功には誰かのリードが不可欠。この例文は、主体的に行動した人物の評価を高める表現として使えます。
例文「次はあなたが音頭をとってみて!」
成長のチャンスを与える一言。後輩や同僚に新たな役割を促す際に、前向きな気持ちで受け取ってもらえます。
「音頭をとる」の類語は?
「音頭をとる」以外にも、似たような意味を持つ言葉があります。状況に応じて使い分けることで、表現の幅が広がりますよ。では、どんな類語があるのでしょうか?
リードする
「リードする」は英語由来の言葉で、先頭に立って集団を導くという意味です。ビジネスシーンでよく使われ、モダンな印象を与えます。
指揮を執る
「指揮を執る」は、人の上に立ち、組織やプロジェクトの全体を管理・統括する際に使われます。責任感や統率力を強調したいときに適しています。
主導する
「主導する」は、物事を自らが主となって、積極的に進めることを意味します。リーダーシップを発揮して方向性を示す際に使える表現です。
他にもある面白い「おじさん言葉」
「音頭をとる」以外にも、昭和生まれのおじさんが使うユニークな言葉がたくさんあります。その中から、思わずクスッと笑ってしまうような2つの表現を紹介します!
エイヤ
「音頭をとる」以外にも、職場で耳にするおじさん言葉の一つに「エイヤ」があります。この言葉は、「勢いで」「思い切って」という意味を持ち、ビジネスの現場では迷いを断ち切って行動する場面で使われます。
例えば、「エイヤでこの案件を片付けよう」といった表現は、状況を打開するための気合いを感じさせます。由来は、武道の掛け声「エイッ、ヤー!」に遡り、気合いや決意を込めた表現として親しまれてきました。
世代的な背景もあり、特に「おじさん世代」が好んで使う傾向がありますが、その大らかなニュアンスには共感を呼ぶところもあるかもしれませんね。
てっぺん
「てっぺん」という言葉も、「おじさん言葉」としてよく知られる表現の一つです。もともと「山のてっぺん」のように頂上や最上点を指す言葉ですが、実はそれだけではありません。例えば、深夜12時を「てっぺん」と表現することもありますし、「てっぺんのラーメン屋」といえば「一番美味しいラーメン店」を指します。
たとえばビジネスシーンでも「このプロジェクトで、売り上げをてっぺんまで引き上げましょう!」といった形で使え、目標を共有し士気を高める効果も期待できます。一方で、「てっぺんまでに終わらせましょう」といった場合は、深夜12時までに仕事を切り上げようという意味になりますよ。
おじさん世代らしい言葉遣いですが、その親しみやすさが会話を和ませることもあるのではないでしょうか。
最後に
「音頭をとる」という表現は、リーダーシップをとるだけでなく、周囲との調和や共感を大切にした働き方を示しているように感じます。無理をせず、自分らしいリーダーとして活躍したいなら、この言葉に込められた価値観をぜひ活用してみてください。昭和生まれのおじさんたちが語るこの表現を知ることで、あなたも新たなキャリアの視点やリーダーシップの方法を見つけるきっかけになるかもしれませんよ。
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