職場で退職される方に、何かメッセージを届けたいと思った時、どんな言葉をかけたらいいか悩むという方は、多いのではないでしょうか?
感謝や励ましの言葉を贈りたいときに、相手との関係性や、「どうすれば気持ちが上手く伝わるか」など、色々と考えることはありますよね。また、「この言い方は、相手に失礼になっていないかな?」と気になるという方もいらっしゃることでしょう。
退職は人生やキャリアの節目ですので、言葉の選び方にも気をつけたいところですよね。そこで、この記事では、退職される方に送る感謝や励ましのメッセージの書き方、心に響く言葉の選び方、気をつけたい点などを解説します。
退職される方への心に響くメッセージとは
まずは、退職される方へメッセージを書く際、おさえておきたいポイントをいくつかみていきましょう。
感謝の気持ちを効果的に伝えるポイント
退職される方に、これまでの感謝の気持ちを効果的に伝えるには、どのようにしたらいいのでしょうか?
「ありがとうございました」や、「お世話になりました」だけだと、シンプルすぎて少し味気ない印象になってしまうかもしれませんね。ですので、感謝の気持ちなどと合わせて、相手との具体的な思い出やエピソードなどにふれることがおすすめです。
例えば、「○○さんには、○○のプロジェクトの時に、たくさんアドバイスをいただいて本当に助かりました」など、一緒に取り組んだ仕事の内容などに触れると、心がこもった印象になりやすいですよ。
未来へのエールを贈るには
退職される方が次のステージに進むとき、未来へのエールや励ましの言葉を贈りたいという方もいらっしゃることでしょう。この場合は相手の状況に合わせて、「次の職場でもご活躍をお祈りしております」など、シンプルな言葉を付け加えるようにしましょう。
なお、相手の転職先の会社名などを出すのは避けたいところ。というのも、転職先をあまり人に知られたくないという人もいるからです。とくに、寄せ書きなど、ほかの人の目に触れるような退職メッセージの場合は、気をつけるようにしましょう。
退職メッセージを書くときの注意点
退職のメッセージを書くときに特に気をつけたいのは、ネガティブな出来事には触れないこと。
例えば、ハラスメントや病気など、自分で望んだ退職ではないということもあります。こんな時、なんとか相手を励ましたいという思いがある方もいらっしゃることでしょう。ですが、よかれと思ってかけた言葉でも、相手にとっては負担に感じてしまうことも。退職のメッセージでは、そういった繊細な事情に触れることは、避けた方がいいでしょう。
実際に、筆者の友人は、職場の人間関係のトラブルで退職を決意した際、「聞いたよ。○○さんたちとの関係が大変だったんだよね。かわいそう」というメッセージを受け取り、モヤモヤしたといいます。
励ますつもりでかけた言葉でも、相手にとって嫌なことを思い出させる原因になってしまうことも。どんな理由で退職するにせよ、あまり個人的な事情には触れずに、シンプルに前向きな言葉をかけるようにしたいですね。
退職メッセージの具体例とテンプレート
退職のメッセージの具体的な例もいくつかみていきましょう。メッセージの書き方は、相手との関係性によって変わってきますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ビジネスシーンに最適なメッセージ例
ビジネスシーンでの退職のメッセージは、フォーマルさと温かみを兼ね備えたものがベストです。次のような例を参考にしてみてくださいね。
例:「長い間お世話になり、ありがとうございました。いつも明るいお人柄で、経験豊富な○○さんがいてくださり、とても心強かったです。次のステージでもご活躍をお祈りしております」
親しい同僚へのメッセージ例
親しい同僚には、ある程度くだけた表現で感謝を伝えることも効果的。とはいえ、ビジネスシーンでは節度ある表現を心がけたいですね。どんなに親しい同僚だったとしても、人生の節目ですので、誠意を持って伝えるようにしたいところ。
例えば、「今まで本当にありがとうね! 新しいステージでも応援しているよ!」などと、カジュアルな言葉遣いにするだけでも印象が変わるでしょう。また、特に親しい同僚で今後も付き合いが続きそうな場合、「また一緒にごはん行こうね」などと言葉を添えるものいいでしょう。
退職メッセージをメールで送る際のポイント
退職のメッセージをメールで個人的に送る場合は、どのようにしたらいいのでしょうか? メールの書き方や例文を見ていきましょう。
メールの書き方と例文
まずメールで退職のメッセージを書く際は、簡潔に感謝の気持ちが伝わる文を心がけましょう。特に親しくしていた人に向けてメッセージを書く場合、ついつい熱が入り過ぎて、長文になってしまうこともあるかもしれません。
ですが、あまり長々と書いてしまうと、相手にとって返信の負担がかかるということもありえますよね。退職する際は、多くの人からメールやメッセージをもらうので、そういった相手の状況にも配慮したいところ。
例えば、「これまで〇〇さんにはお世話になり、本当にありがとうございました。今後ともご活躍をお祈りしております」など、シンプルに感謝の言葉を書くようにするのが相手にとっても、読みやすいでしょう。さらに、相手の人柄の良い点や、仕事でお世話になった具体的なエピソードなどを入れるのもおすすめです。
例1:「いつも明るく朗らかな○○さんには、たくさん元気をいただいていました」
例2:「○○の件では、丁寧にご対応いただき、本当に助かっておりました」
また、相手が先輩や上司など、仕事を教えてくれる立場の人だった場合は、こんな表現もいいかもしれません。
例3:「いつもご指導いただき、ありがとうございました。○○さんから教えていただいたことを生かし、今後もがんばります」
どの程度フォーマルな言葉遣いにするかは、相手との関係性にもよります。例を参考に、場面に応じて使い分けるようにしてみてくださいね。
最後に
この記事では、退職される方への感謝や励ましのメッセージの書き方、心に響く言葉の選び方、気をつけたい点などを解説しました。言葉の選び方や避けるべきことなど、基本をおさえておくと、心に響きやすいメッセージになりますよ。職場で退職される方がいるという方は、参考にしてみてくださいね。
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塚原美彩(つかはらみさ) 塚原社会保険労務士事務所代表
行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサルの傍ら、ポジティブ心理学をベースとした研修講師としても活動中。HP:塚原社会保険労務士事務所 ライター所属:京都メディアライン