湖に浮かぶかのような一体感と開放感を
北海道の白老町・ポロト湖畔に構え、四季折々に色づく景色を堪能できる湯宿「界 ポロト」。
「ポロト湖の懐にひたる、とんがり湯小屋の宿」をコンセプトに、アイヌ文化を尊重し、異なる民族との共生を体験できるような空間となっています。施設のどこにいてもポロト湖を身近に感じることができるのが魅力です。


日々の忙しさから離れてゆったりした旅を楽しみたい方や、異文化に触れたい方におすすめ。今回はそんな「界 ポロト」を深掘りします。
全室から湖を望むことができる〈客室〉
ご当地部屋「□の間(しかくのま)」
ポロト湖に面した全4タイプの客室すべて、アイヌ民族の伝統的住居チセ(アイヌ民族の家)から着想を得たもの。伝統的なチセの中心にあった四角い「炉」をイメージしたテーブル、アイヌ民族の生活から着想を得たアート作品が全室に設置されています。


大きく開放感のある窓の外には、穏やかなポロト湖と、白樺やカエデが繁る天然林が広がります。室内に設えられた白樺の丸太と相まって、雄大な自然に溶け込んだような気持ちに。


世界的にも珍しい「モール温泉」が楽しめる〈大浴場〉
界 ポロトの温泉は、世界的にも珍しい太古の植物由来の有機物を含有した「モール温泉」。独特な茶褐色の湯が特徴です。肌にうれしい成分を含むとされ、「美肌の湯」ともいわれているとか。(*)

* 道立衛生研究所 青柳直樹 北海道産「モール温泉」
「△湯(さんかくのゆ)」
アイヌ文化の建築特徴である「ケトゥンニ」を基本構造とした「とんがり湯小屋」の中にあるのが「△湯」です。
内風呂は、源泉かけ流しの「あつ湯」と、心身が落ち着く「ぬる湯」の2つ。

露天風呂は、ポロト湖にせり出しているつくりがポイント! 新緑、紅葉、雪景色と季節で移ろう景色とともに、湖に浮かぶかのような一体感を得ながら湯浴みを楽しめます。


「〇湯(まるのゆ)」
一方「〇湯」は、大地から湧き出る茶褐色のモール温泉を実感できるように設計されています。洞窟の中や地中にいるかのような神秘的な空間が特徴です。

内風呂のドーム天井にあいた穴は外とつながっており、ポロト湖の自然を感じる柔らかな光が差し込みます。ほどよい光と暗がりの空間に、心からリラックスできそうな予感。
北海道の美食を味わう〈会席料理〉
界 ポロトでは、北海道らしい食材を生かした会席料理をいただけます。半個室の食事処で、プライベート感が保てるのもうれしいポイント。
夕食は、じゃがいものすり流しにいくらをのせた先付「馬鈴薯海宝盛り」を熊が運んできてくれるところから始まります。

酢の物・八寸・お造りを一緒に盛り合わせた華やかな「宝楽盛り」は、アイヌ民族が交易の際に使用していた丸木舟をモチーフとした船形の器でアイヌ文化特有の情景を演出。
特別会席のメインは、出汁や毛蟹などの魚介の旨味を存分に味わえる「毛蟹と帆立貝の醍醐鍋」です。魚介を煮込み、裏ごしした濃厚なブイヤベーススープに、北海道を代表する食材である毛蟹や帆立貝を加えた逸品となっています。

朝は、地域色を感じる食材や調理法を取り入れた界の「ご当地朝食」でエネルギーのチャージを。界 ポロトでは「鮭とじゃがいものすり流し鍋」を中心とした和食膳が提供されます。

ご当地の文化を体験する〈ご当地楽〉
ご当地の文化を体験する「ご当地楽」は、界ブランドの特筆すべきおもてなしの一つです。界 ポロトでは、アイヌ民族が魔除けとして日常的に身に着けていた植物「イケマ」を使った魔除けのためのお守りづくりを行っています。
アイヌ民族の自然観に触れる「イケマと花香の魔除けづくり」
土のような独特な香りがする「イケマ」は、自然界すべての物に魂が宿ると考え、自然と共生してきたアイヌ民族にとって、悪いものを遠ざける植物とされているのだそう。イケマと数種類のハーブをアイヌ文様の記された袋で包み、モール温泉により茶褐色に色づいたオリジナルの紐で封を閉じて完成です。


界 ポロトでは、湖の先には多くの野鳥が生息する北海道の天然林を、さらにその先には樽前山を見渡すこともできます。自然を愛し、共生してきたアイヌ民族の自然観にぜひ触れてみるのはいかがですか。