働く私たちはどう増やすか?
新NISAがスタートした今こそ投資の始めどき。「何をどう運用したらいいのかわからない」という初心者も「とりあえず始めてみたはいいけれど…」という人も必読! 友達とは話せないところまで、深掘りしました。
Oggi読者に聞きました! 新NISAが始まった今、あなたは投資していますか?
投資で得た利益が課税されない、NISAの制度が始まって10年。元本が保証されていない金融商品に投資する読者はジワジワと増え続け、ついに全体の2/3近くに!
今年1月からは新NISAとして制度が恒久化。非課税保有限度額が拡大されるなど、さらに自由な投資が可能になった今、毎日忙しいOggi世代は、どんな投資をしているの…!?
「目指すライフスタイル」×「投資」の中身、詳しく教えてください!
ひと足先に投資を始めている女性たちは、何に、いくら、投じているの?
◆オッジェンヌ・大枝千鶴さん(38歳・IT)の場合
銀行に預けておくのはもったいないから… 株主優待や、仕事の勉強も兼ねて投資
フードデリバリー会社執行役員。新卒入社した会社でストックオプションを受け取るも、「お金にどう換えるの? そもそも株やストックオプションって何?」と思い、少しずつ勉強を開始。
【大枝さんの投資DATA】
●独身・ひとり暮らし
●投資歴…7年
●利用証券会社…楽天証券、野村證券、大和証券など
心を無にして粛々と、自分にとって無理がない方法で
「お金をすごく増やしたいわけではないけれど、損をするのはイヤ。今後インフレが進む中で、預貯金は目減りする一方だから…と貯蓄感覚の長期運用をしています。
新NISAで非課税の年間投資枠が広がったので、積み立て金額はマックスに変更。あとはほったらかしです。
株は、『今後伸びそうだな』と自分でジャッジできるIT系と、仕事でおつきあいのある企業を少額ずつ。送られてくる決算報告書で情報収集しています。
百貨店の株主優待は単純にお得でうれしい♡ 将来的には、ベンチャー企業に出資して節税にもなる〝エンジェル投資〟にも興味があります」
【現在の運用状況】約7年で+48%の含み益、資産1000万円超え!
「NISAの投資信託は心を無にして、とにかく積み立て続けるのがポリシー。株選びの基準は、その企業の事業に興味が持てるかどうか。
電気自動車のテスラ株はイーロン・マスクが話題を振りまくと株価が下がるんですが(苦笑)、そのたびに『今がセールだ!』と思って買い増しています。
仕事のクライアント企業は3年半前に転職でガラッと様変わりしたので、値動きと関係なく、転職のタイミングで売買しました」
▲いちばんよく行くデパートだから
大枝さんの“投資のルール”
●〝貯蓄代わりにNISAでコツコツ積み立て〟が原則
●応援したい企業の株は、株価が下がったときに購入
●購入or積立設定したらいったん忘れる
Q どこで情報収集してるの?
A YouTubeを流し聞き
「YouTubeチャンネル『両学長 リベラルアーツ大学』は、最新の経済ニュースだけでなく法改正などについても解説してくれるのがありがたい! 朝のメイク時間などに聞いています」
Q 投資以外のお金の〝かけどころ〟は?
A 伝統工芸品とコスメ!
「最近の大きな買い物は、宮内庁御用窯の九谷焼作家・山本長左さんの20万円の香炉と4万円のお茶碗。美しいものに囲まれて暮らせるのが幸せ。
もちろん伊勢丹の株主優待割引です。デパコスもいつでも10%オフなのは株主の特権!」
投資のプロが指南!
教えてくださったのは…
【楽天証券 ファンドアナリスト 篠田尚子さん】
しのだ・しょうこ/ロイター・ジャパン(現LSEG)傘下の投信評価機関などを経て、2013年楽天証券経済研究所へ。昨年8月より現職。4月に新刊『新NISA完全ガイド FP&投資信託のプロが教える』(SBクリエイティブ)を刊行。
◆〝今〟を充実させる投資のコツは…
株式投資の原則は、応援したい企業に投資すること。少額から買える仕組みもありますし、株主優待目的で保有するのも大ありです。
始めやすいのは、外食産業や小売りなど。株主優待はある意味、企業が株主に、自分たちのことを知ってもらうために行う取り組み。
実際に店舗に足を運んだり製品を使うだけでなく、株主の視点も兼ね備えることで、初めて見えてくる世の中の仕組みもあります。
金銭的なリターンだけが株式投資のメリットではありませんよ!
《大枝さんへのひとことアドバイス》
コツコツ続けている積立と、勉強のための投資のメリハリがGood! 欲を言えばiDeCoを始めてもよいかも?
会社に依存しないキャリアを積んでいる方は、老後の備えが手薄になりがち。転職/起業しても自分名義で年金を積み立てられるiDeCoのメリットを享受してください。
●掲載している情報は2024年3月の取材時点のものです。また、あくまでも個人の投資実績です。投資はご自身の判断と責任で行ってください。
2024年Oggi6月号「働く私たちはどう増やすか?」より
文/森本恵子 構成/酒井亜希子・佐々木 恵(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部
TOP画像/(c)AdobeStock