働く私たちはどう増やすか?
新NISAがスタートした今こそ投資の始めどき。「何をどう運用したらいいのかわからない」という初心者も「とりあえず始めてみたはいいけれど…」という人も必読! 友達とは話せないところまで、深掘りしました。
Oggi読者に聞きました! 新NISAが始まった今、あなたは投資していますか?
投資で得た利益が課税されない、NISAの制度が始まって10年。元本が保証されていない金融商品に投資する読者はジワジワと増え続け、ついに全体の2/3近くに!
今年1月からは新NISAとして制度が恒久化。非課税保有限度額が拡大されるなど、さらに自由な投資が可能になった今、毎日忙しいOggi世代は、どんな投資をしているの…!?
「目指すライフスタイル」×「投資」の中身、詳しく教えてください!
ひと足先に投資を始めている女性たちは、何に、いくら、投じているの?
◆N・Rさん(32歳・食品)の場合
投資は穏やかな老後の足しに副業でも力をつけつつ、元気なら80歳でも働きたい
IT系2社を経て現職。実家暮らしで給与をすべてお小使いにしていた社会人3年目、友人の「貯金は少ないけど…100万円くらい」という言葉に衝撃を受け、投資のスイッチが入った。
【N・Rさんの投資DATA】
●独身・ひとり暮らし
●投資歴…7年
●利用証券会社…SBI証券
公的年金だけに頼らず、お金にお金を稼いでもらいたい
「老後資金への不安は実はあまりないんです。副業でさまざまな企業文化に触れたり、本業での役割を意識したり、いろいろ学んで『お金に困ったらお金を生む方法を考えればいい。今からできることも少しずつしている』と思えるようになったから。
投資もその一環です。たまに大きな衝動買いに運用益を使ったりしていますが(笑)、NISA分は仮に売却しても、利益を再投資に回すつもり。
昔はボーナス前に海外旅行を予約して、振り込まれた瞬間に残高が500円、なんて生活でしたが、投資を始めて、遊びに使える適度な金額もつかめるようになりました」
【現在の運用状況】売却した資産も再投資して、今は+約50%の利回り
「投資信託の積み立ても、アクティブなもの、国内株の手堅いものなど複数保有してバランスを取るよう意識しています。
NISAが成長投資枠中心なのは、今年初頭まで持っていた投資信託の売却益で一括購入したかったから。
IT系の会社を退職する際にストックオプション(自社株を購入する権利)を現金化して購入したNTT株が、その半年後に予想外に大きく値上がりして、全体的な利回りを押し上げています」
▲個人投資家向けのサービスを活用
N・Rさんの“投資のルール”
●目先の利益は追わず、長期で利益が出そうな銘柄を選ぶ
●理解できない商品は買わない
●1か月に1回はポートフォリオを確認
Q どこで情報収集してるの?
A 最初は有料セミナーで勉強を今は〝みんかぶ〟など
「投資を始めるときは、ある女性ブロガーが基本を教えるセミナーに。2回で計2万5000円は、私にとっては必要な勉強代でした。今は〝みんかぶ〟でアナリストや個人の分析を参考に」
Q 投資以外のお金の〝かけどころ〟は?
A 旅行! でも去年はブランドバッグも衝動買い(笑)
「この半年ほどで、韓国、キプロス島、京都へ。昔から欲しかったシャネルのマトラッセは、昨夏、日本企業の株価が予想外に上がった際、売却益を足しにしてヴィンテージで購入。高くても価値があると実感しています」
▲(韓国)旅では食べ歩きやスパも満喫
▲キプロス島
▲京都
投資のプロが指南!
教えてくださったのは…
【楽天証券 ファンドアナリスト 篠田尚子さん】
しのだ・しょうこ/ロイター・ジャパン(現LSEG)傘下の投信評価機関などを経て、2013年楽天証券経済研究所へ。昨年8月より現職。4月に新刊『新NISA完全ガイド FP&投資信託のプロが教える』(SBクリエイティブ)を刊行。
◆〝老後の備えはゆるりと…〟と考えるなら?
投資の右も左もわからない初心者は、まずNISAで「全世界株式(オールカントリー)」のインデックスファンド(特定の指数に連動する投資信託)を積み立てるのが無難。
月3万円の積み立てでも年率8・5%程度で運用できれば、10年で元本360万円が、複利効果で550~560万円程度になります。
年齢が若く、お金も時間も自分でコントロールしやすい独身のうちは、売却益を部分的に旅行やショッピングに充てて、ルールを決めて〝散財〟するのもありですよ。
《Nさんへのひとことアドバイス》
再投資で複利運用しているのも、転職や副業で自分に力をつけているのも◎。弾丸旅行やエコノミーでの長時間フライトなど、若いうちにしかできないことはたくさんあります。
今から〝老後のため〟と血眼になるのではなく、お金を使う喜びをかみしめながら健康的な投資生活を送って。
●掲載している情報は2024年3月の取材時点のものです。また、あくまでも個人の投資実績です。投資はご自身の判断と責任で行ってください。
2024年Oggi6月号「働く私たちはどう増やすか?」より
文/森本恵子 構成/酒井亜希子・佐々木 恵(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部
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