大切なのは、身体が求める塩分を適量、提供してあげること
減塩減塩って言うけれど、実際のところどうなの? ……そんな疑問を持っている人もいるはず。
たしかに塩の摂りすぎは、体によい影響は与えません。でも、塩を摂らなさすぎるのも、体にとってよい影響を与えない可能性が。
大切なのは、「適塩」という考え方。
そこで今回は、書籍『免疫力を高める 塩レシピ』(あさ出版)より、「塩」の働きや、適切な塩の摂取の仕方などについてご紹介。書籍より一部引用・再編集してお届けします。
※腎臓に障害がある方、遺伝的に塩に反応しやすい体質の方には、一部当てはまらないところがあります。お気をつけください。
前回の記事>>意外と知らない… 塩を摂り入れることで「免疫力」が高まる!?
パラパラ塩遣いで「適塩」を実現!
塩の味つけは、調理の後、食べる直前に
調理中に味見をしたときは、塩味が足りないような気がして調味料を追加したのに、いざ食べ始めるとしょっぱく感じてきた、そんな経験はありませんか?
もしくは、自分としては「ちょうどいい」と思って味つけしたら、家族から「しょっぱい」「味が濃い」と言われてしまったことはありませんか?
なぜ、このようなことが起きるかというと、人それぞれ味覚が違うことはもちろんですが、ミネラルを必要としている度合いが違うからです。
また、塩は水分に溶けるとしょっぱさが弱く感じられるという性質も影響しています。「塩角(かど)が取れる」とも言います。
料理全体にしっかり塩味をつけようとすると、予想していた以上に大量の塩を投入することになりがち。
というのも、人間というのは面白いもので、「見た目もおいしさのうち」というように、目で確認した状態によって味の感じ方が左右されます。
塩が溶けてしまうと見た目ではその姿を確認することができないため、どのくらいの塩分量を摂取したかも確認することができません。
そのため、ついつい不安も手伝って、入れすぎてしまうのです。
では、どうしたらいいのか。
答えはとても簡単です。できるだけ無塩で調理して、食べる時につけかけするのです。スープの場合も、食べる時に塩を振りかけ、溶かしてからいただきます。
私はこれを上から塩をかける姿にちなんで「パラパラ塩遣い」と呼んでいます。
パラパラ塩遣いで各自がおいしく適塩生活
パラパラ塩遣いで味つけすると、どのくらいの量の塩を使ったか目視できますし、舌に直接塩があたるのでしょっぱさを感じやすく、使う塩の量を少なくすることができます。
さらに、自分の指でつまんで料理にかけることで、どれくらいかけたかがわかるので、過度な量の塩をかけなくなるのです。
塩味はいったんつけるとあとで引くことができず、調整しようとしても非常に難しいので、最初はごくごく少量を使用し、足りなければ味見をしながら少しずつ足していくことをおすすめします。
パラパラ塩遣いのよい点はたくさんありますが、もっとも強調したいメリットとして挙げたいのが、「家族全員がそれぞれに適した塩分量で同じ食事を楽しめること」。
それぞれの要望に合わせて薄味の料理と濃い味の料理を作り分けるのは調理を担当する人が大変です。
パラパラ塩遣いなら、作る料理は1つで、それを全員がおいしく健康的に楽しむことができます。
しかも、使う塩を途中で変えることもできます。
鶏のからあげだったら、鶏肉の脂の甘味がひきたつ塩もあれば、さっぱりさせる塩もあるので、交互に食べることも可能です。
さらに、食感のある塩を使えば食感の変化も楽しめます。複数の特徴の異なる塩を食卓に用意すれば、適塩をしながら、「あ、この塩で食べるとおいしい」「いやいやこの塩のほうが」なんて会話も弾むでしょう。
満腹は心も身体も満足しないと訪れない
生きていくためのエネルギーや栄養を補給するために食事をしていた時代とは違い、現代は食事に「楽しさ」や「おいしさ」も求めます。
味つけに不満を感じたまま食事を終えると、お腹がいっぱいでも気持ちが満足していないので、つい食後になにか「楽しさ」や「おいしさ」を与えてくれる余計なものをつまんでしまいがちです。
そうするとせっかくの塩分コントロールも台無しですし、余分なカロリーや糖分などを摂取することになってしまい、かえって不健康です。
そういった事態を避けるためにも、パラパラ塩遣いを使いこなして、おいしく健康的な食事を実現しましょう。
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『免疫力を高める 塩レシピ』(青山 志穂 著・医師 白澤卓司 監修/あさ出版)
「塩」を上手に使って、健康な体をつくろう!
塩が足りないと、身体のさまざまなところにダメージが出てしまい、免疫力が低下する。だからこそ、適正な質の、適正な量の塩を摂る「適塩生活」が大事。
いま、注目の「塩」の働きをきちんと理解し、生活に取り入れることで免疫力を高めるレシピ&健康・美容に役立つ知識を紹介した1冊!