大切なのは、身体が求める塩分を適量、提供してあげること
減塩減塩って言うけれど、実際のところどうなの? ……そんな疑問を持っている人もいるはず。
たしかに塩の摂りすぎは、体によい影響は与えません。でも、塩を摂らなさすぎるのも、体にとってよい影響を与えない可能性が。
大切なのは、「適塩」という考え方。
そこで今回は、書籍『免疫力を高める 塩レシピ』(あさ出版)より、「塩」の働きや、適切な塩の摂取の仕方などについてご紹介。書籍より一部引用・再編集してお届けします。
※腎臓に障害がある方、遺伝的に塩に反応しやすい体質の方には、一部当てはまらないところがあります。お気をつけください。
前回の記事>>塩を摂ると高血圧になる… これって、本当なの?
塩を摂り入れることで「免疫力」が高まる!?
体温を保つ=免疫力を上げる
人間の平均体温は、だいたい36.6℃~37.2℃の間だとされます。時々平熱が35℃台という人がいますが、この低体温の状態を放置すると、身体によくない影響が。
人間は脳から発せられるさまざまな化学反応によって生命活動を継続しています。この化学反応の際に重要なのが、酵素です。
たとえば、食べ物を消化し栄養を吸収したりするにも酵素が欠かせません。
酵素は37℃でもっとも効率的に活動ができるため、体温が下がると酵素が正常に働けなくなってしまうのです。
消化で使われる消化酵素は、体温が0.5℃下がるだけで働きの3割から5割が落ちてしまうと言われています。
また、体温が下がると血流が悪くなるため、体内を白血球がパトロールしにくい状態になり、結果として、免疫力が低い状態になってしまう可能性が。
そのため低体温の人は、風邪を引きやすかったり、消化機能が低下して胃腸に不調を抱えたり、アレルギーなども発症しやすくなるのです。
身体が不調であれば、当然のことながらそれは肌などにも現れてきます。
体温を適温に保つことは、内面からの健康的な美しさを保つためにも欠かせないことなのです。
塩は身体を温める「陽」の食べ物
塩には熱を発生させる働きがあります。体温を正常な範囲内に保つにも、塩は役立っています。
東洋医学では、食べ物を、身体を温めてくれる「陽」と、身体を冷やす「陰」に分けて考えます。塩をはじめとする塩気のある食べ物は「陽」に分類されます。
塩を摂取すると腎の機能を強化し、寒さに耐える力を増強し、体内の冷えを防ぐことができると考えられています。
世界的に見ても、極寒の地域における料理は塩が多めに用いられています。日本でもそれは例外ではありません。
また、過剰摂取による悪影響を防ぐには、適度に苦味のある塩(にがりを含んだ塩)を摂取するとよいともされています。
現代では、冬になると減塩が推奨されることが多いのですが、東洋医学の考えでは、冬こそ塩を摂取して腎の働きを強化し、身体を温めるべきと考えられています。
身体を温めるうえで、塩は有効であり、免疫力を高めるのに役立つ可能性があるのです。
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『免疫力を高める 塩レシピ』(青山 志穂 著・医師 白澤卓司 監修/あさ出版)
「塩」を上手に使って、健康な体をつくろう!
塩が足りないと、身体のさまざまなところにダメージが出てしまい、免疫力が低下する。だからこそ、適正な質の、適正な量の塩を摂る「適塩生活」が大事。
いま、注目の「塩」の働きをきちんと理解し、生活に取り入れることで免疫力を高めるレシピ&健康・美容に役立つ知識を紹介した1冊!