自律神経を整えて免疫力をアップさせる方法
私たち人間は、細菌やウイルスと長く共存していますが、それでも全ての人が病気にならないのは有害な物質を退治する免疫が体内で働いてくれているからです。新型コロナウイルスも例外ではなく、打てば一生有効なワクチンや感染した患者がすぐ治る特効薬が見つかっていない現状では、人間の免疫で対抗することが最善の対策と考えます。
この免疫機能が体内で最大限発揮するために大切なのが、「自律神経がバランスよく働いている」ということです。自律神経には、日中活動している時に優位になり汗を出したり心臓の鼓動を早めたりする「交感神経」と、夜間リラックスする時に優位になり内臓の動きを高めたりメンテナンスを行う「副交感神経」の2つがあります。
例えば、睡眠時間が少なく強いストレスや過剰な労働によって緊張状態が続いた場合、「交感神経」がずっと優位な状態となってしまい自律神経のバランスが崩れてしまうことになります。自律神経が乱れると免疫の制御がうまくいかなくなりウイルスへの抵抗力が下がり、結果的に病気にかかりやすくなってしまいます。
免疫を上げる5つのポイント
1. バランスの良い食事
免疫維持のためには、良質なたんぱく質やビタミン、ミネラルを豊富にとることが重要です。外食や加工食品は糖質や脂質が多くなりがちなので、魚・大豆・野菜を中心とした和食にするのが良いです。
2. 良質な睡眠
早寝早起き病知らずという通り、規則正しい生活習慣と良質な睡眠は自律神経のバランスを整え、免疫力を向上させます。
3. 適度な運動
ステイホームで外出する機会が減っていますが、1日24時間の1%程度(約15分)でも、太陽に当たり軽く運動することが免疫の維持には大切です。
4. 腹式呼吸
横隔膜を大きく動かす深呼吸は、肺の機能を高め自律神経を整えて免疫力を上げる作用があります。「ゆっくり鼻から大きく吸って、十分吸いきったら呼吸を1秒から2秒止めて、出来るだけ長くゆっくり口から吐く」を5回繰り返してみましょう。
5. 笑顔
笑うことで脳から副交感神経を優位にする神経伝達物質が出て、免疫機能を正常にする作用があります。また、体内の免疫細胞のひとつであるNK細胞を活性化させることができ、免疫力の向上が期待できます。
多くの方が免疫力を向上させる生活習慣を身につけ、1日でも早く日常の安心した生活が送れる社会になることを祈るばかりです。
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予防医学マイスター 坂田武士
薬剤師。予防医学士。スポーツファーマシスト。「サムライフ」「日本予防医学マイスター協会」代表。昭和大学薬学部薬学科を卒業後、薬剤師免許を取得。
大手製薬会社勤務や、特別養護老人ホームの施設長などを経て、予防医学やエイジングケアの重要性を感じ、2006年に独立。2009年に「サムライフ」を設立し、薬をすすめない薬剤師として、これまでに1万人以上のオーダーメイドカウンセリングを行う。
著書に『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本』(学研プラス)がある。