オシリのトラブルのほとんどが“洗いすぎ”が原因!?
みなさんは、ウォシュレットやシャワートイレと呼ばれる温水洗浄便座を使っていませんか? または、お風呂で肛門に直接シャワーをあてて洗っていませんか?
おそらくほとんどの人が、「オシリはキレイに洗って、清潔にしなくちゃいけない」と思っているはず。
でもオシリの皮膚は、目の周りの皮膚と同じくらいとても薄くてデリケート。
実はその洗いすぎによって、痔や便秘だけでなく、肌荒れ、心の病、性病などさまざまなトラブルを引き起こしてしまうことも……。
————そう警鐘を鳴らすのは、
そこで、佐々木先生の著書『痛み・かゆみ・便秘に悩んだらオシリを洗うのはやめなさい』(あさ出版)の中から、オシリのトラブルの原因や、意外と知らない正しいケア方法について、計3回にわたるプチ連載形式でご紹介!
※書籍より一部引用・再編集してお届けします
トイレでくつろぐは大間違い!
◆トイレでの読書はオシリへの負担だらけ
オシリのトラブルで来院される方には、必ず排便時のトイレの滞在時間を尋ねます。1回の滞在時間と、1日の合計時間です。
トイレ時間がいちばん長いのは、いぼ痔の方でした。1回平均30分前後、長い人だと1日の合計が6時間(1回当たりの最長時間は2時間)。
もちろんトイレに入っている間、ずーっといきみ続けているわけではありません。本や雑誌を読んだり、スマートフォンをいじったりと、トイレで過ごす時間を楽しんでいるのです。
痔になっている人の多くに、トイレでの読書やスマートフォンいじりといった「ながらトイレ習慣」があります。
しかし、トイレでは椅子に座るのと違って、肛門が座面よりも下になります。ただ座っているだけでもオシリがうっ血し、無意識にいきんでしまっていることもあり、オシリに負担がかかります。
トイレだと読書が進むという方もいらっしゃいますが、オシリのためにもトイレから出て読むほうがいいでしょう。
トイレは、原則5分以内が理想。ドアを開けて、トイレに入り、用を足して、トイレから出るまでが5分です。
トイレに砂時計やストップウォッチを置いておくのもいいですね。意外と意識していないトイレ時間。一度測ってみてください。
◆あとちょっと、その踏ん張りが腫れのもと
毎日排便があるのに痔になっている人に多いのが、トイレに行ったものの残便感があるために、もう少し頑張って出そうとして、ついついトイレの時間が長くなっているというパターン。
「あとちょっと頑張ったら出そう……」と力を込めていきんで、出残り便を出そうとすると、肛門が腫れてしまいます。
無理矢理いきんで出すことは肛門に負担がかかり、腫れのもとになり、痔を発生させるきっかけとなるのです。
とくに、これはいぼ痔が発達している人に多い習慣です。出残り便を出そうとして、無理矢理いきむのはやめましょう。
残便感があっても、一旦トイレから出てください。そして、水を飲む、軽く体を動かす、運動をするなどして、再度便意を感じたらトイレに入り直すようにしましょう!
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TOP画像/(c)Adobe Stock
『痛み・かゆみ・便秘に悩んだらオシリを洗うのはやめなさい』(著者:佐々木みのり/あさ出版)
医学書にもない肛門トラブルが増加している! 日本人のオシリ、大ピンチの理由がわかる本。
「日本人の3人に1人は痔である」と言われてから久しい。痔ゆえに温水洗浄便座で洗うようになったという人も多い。しかし洗うとかえって痔が悪化するなどと誰も思わなかったはず。
今では公衆便所にまで温水洗浄便座がついている。日本を訪れている海外旅行者もトイレ事情に驚いているが、それほど日本人はオシリを洗うのが大好き。おそらく世界で最もオシリを洗っている民族だろう。
ところが「洗っている人ほどオシリが汚い」