オシリのトラブルのほとんどが“洗いすぎ”が原因!?
みなさんは、ウォシュレットやシャワートイレと呼ばれる温水洗浄便座を使っていませんか? または、お風呂で肛門に直接シャワーをあてて洗っていませんか?
おそらくほとんどの人が、「オシリはキレイに洗って、清潔にしなくちゃいけない」と思っているはず。
でもオシリの皮膚は、目の周りの皮膚と同じくらいとても薄くてデリケート。
実はその洗いすぎによって、痔や便秘だけでなく、肌荒れ、心の病、性病などさまざまなトラブルを引き起こしてしまうことも……。
————そう警鐘を鳴らすのは、
そこで、佐々木先生の著書『痛み・かゆみ・便秘に悩んだらオシリを洗うのはやめなさい』(あさ出版)の中から、オシリのトラブルの原因や、意外と知らない正しいケア方法について、計3回にわたるプチ連載形式でご紹介!
※書籍より一部引用・再編集してお届けします
こんな人は「出残り便秘」の可能性あり!
前回の記事で「出残り便秘」について解説しましたが、では、出残り便秘かどうかはどのようにわかるのでしょうか?
もちろん、正確には排便後に診察をしないと診断できません。しかし、自分でも簡単にチェックできる方法があります。
下のチェック表で当てはまる項目に○をつけてください。 ○の数であなたが出残り便秘かどうかがわかりますよ!
【出残り便秘チェックシート】
・出始めの便が硬い
・1日に何度も便が出る
・温水洗浄便座を愛用している
・お腹がよく張る
・オシリを拭く回数が多い
・オナラや口臭、汗がクサい
・紙でオシリを拭くたびに便がつく
・食べるたびに便が出る
・時々、肛門が切れる
・下着に便がつく
チェックの結果は、いかがでしたか?
1つでも当てはまるものがあれば、要注意です。3つ以上だと、かなり危ない状態。そして5つ以上の方は、間違いなく「出残り便秘」です!
◆出始めの便が硬いのは出残り便がある証拠
毎日便が出ているけれど出始めの部分が硬く、あとから出てくる便は軟らかい。出始めの硬い便で肛門が切れて、切れ痔になる方がいるほどです。
こうした症状の場合、多くの方は、便を軟らかくする薬や下剤を飲みます。
しかし、薬を飲んでも出始めの便は硬いままです。そのため、肛門が切れてしまいます。それどころか、下剤によってあとから出てくる便が下痢になってしまい、余計に切れ痔が悪化するケースも少なくないのです。
この出始めの硬い部分は、出残り便です。時間が経つと便の中の水分が直腸から吸収されて、どんどん固まっていきます。
翌日には新しい便が下りてくるため、古い便と新しい便と二段積みになって出口に溜まります。
口から飲む薬は「これからつくられる便」には効きますが、すでにできあがって肛門の近くまで下りてきている便には効きません。
そのため、下剤を飲んでいるのに出始めの硬い便は変わらないのです。毎日便が出ているけれど出始めと最後で便の硬さが明らかに違う場合は、出残り便がある可能性が高いといえます。
◆1日に何度も便が出る
来院される患者さんの中に、1日に何度も便が出るといわれる方がたくさんいらっしゃいます。何度も便意を感じてトイレに行くという方だけでなく、便意はないけれどトイレでいきんだら少量の便が出る方もいらっしゃいます。
1日に何度も便が出るのは、腸が良く動いているからだと勘違いされるのですが、診察すると出残り便があります。
つまり、快便なのではなく、出残り便があとからチョロチョロと出ているだけなのです。
◆温水洗浄便座を愛用している
スッキリ排便できていれば、紙に便がつかないことがほとんど。洗わないといけないのは、スッキリ排泄ができていない証拠です。
何度も紙に便がつくので、キレイにするために温水洗浄便座を使って洗うわけですが、それが習慣化すると、温水洗浄便座がついていないトイレでは排便できない、排便しないといった「温水洗浄便座依存症」ともいえる状態になってしまいます。
正しい排便ができていないということは、出残り便秘である可能性が高いのです。
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チェックシートのその他の症状の解説は、ぜひ書籍でチェックしてみてくださいね!
TOP画像/(c)Adobe Stock
『痛み・かゆみ・便秘に悩んだらオシリを洗うのはやめなさい』(著者:佐々木みのり/あさ出版)
医学書にもない肛門トラブルが増加している! 日本人のオシリ、大ピンチの理由がわかる本。
「日本人の3人に1人は痔である」と言われてから久しい。痔ゆえに温水洗浄便座で洗うようになったという人も多い。しかし洗うとかえって痔が悪化するなどと誰も思わなかったはず。
今では公衆便所にまで温水洗浄便座がついている。日本を訪れている海外旅行者もトイレ事情に驚いているが、それほど日本人はオシリを洗うのが大好き。おそらく世界で最もオシリを洗っている民族だろう。
ところが「洗っている人ほどオシリが汚い」