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チェーン店のイメージを超えるアレンジカレー
チェーン店の料理は万人受けを狙うものであることが多く、安心感がある反面、よくも悪くも普遍的で個性が弱く、面白みにかけると感じる人もいるかもしれません。
しかし最近ではチェーン店でも松屋のようにマニアックな世界料理を打ち出したり、サイゼリヤのようにより深掘りした現地料理を出すお店も増えてきました。
今回紹介するのは、牛丼で有名な吉野家グループが手がける親子丼と唐揚げのチェーン店「鶏千」です。 普段はチェーン店より個人営業のマニアックなカレーを求め、全国各地を食べ歩いている僕ですが、そんな僕が今一番面白いと思っているチェーン店がこちらなのです。
から揚げと親子丼がおいしい店【鶏千】
何が面白いかというと、カレー親子丼があるということ。
「カレー親子丼? その組み合わせって合うの?」と思う方もいるかもしれませんが、和風のオムカレーと考えてみれば合わないことはありません。昨今は富士そばがカツ丼にカレーをかけたカレーかつ丼をレギュラーメニューとして展開したり、古くから築地の人気店鳥藤ではカレー親子丼が人気メニューだったりするように、丼の甘辛いタレと半熟の玉子にカレーの組み合わせは、好きな人にはバチッとハマる不思議な魅力があります。
初訪問時に食べたのはカレー親子丼豚汁サラダセット(メニュー変更に伴い、現在このセットはメニューにありません)。
まず親子丼自体が実によくできています。単品だと600円でおつりがくる価格帯の親子丼としては、全国でもトップクラスにおいしいのではないかと思うくらい。特に卵や肉の火入れが絶妙で、チェーン店でこれができるのはすごい! と感動しました。
合わせるカレーは、同じく吉野家グループが手がける「カレーうどん専門店 千吉」のもの。丼とカレーうどんのセットにもできますが、カレー自体が独特なので富士そばのカレーかつ丼とも鳥藤のカレー親子丼とも違う、鶏千にしかないカレー親子丼にするのがおすすめです。
また、店頭販売でテイクアウトできる「醤油から揚げ」という唐揚げもおすすめ。レンジで再加熱してもカリっとした食感が失われず、味も染みていました。
豚汁のおいしさもチェーン店のレベルとは思えないものであり、とにかく満足度が高いのです。
2月20日よりメニューが変更となり、より自由な組み合わせができるようになりました。 たとえば親子丼に牛肉のせ、千吉カレーソースを追加して注文すれば、親子丼、牛丼、カレー丼を一度に楽しめる最高に幸せな丼となります。
カレーソースには味変と辛味増しに使える辛味オイルも添えられるのがまたいい。 味のおいしさはもちろん、豊富なメニューやアレンジ、食べ合わせがとにかく楽しくて、お気に入りのお店となりました。
気になるアレコレを聞いてみた!
今回は鶏千の社長に取材し、気になるところを質問しました。
Q:親子丼自体は吉野家で開発していたものかと思いますが、千吉のカレーと合わせようという発想はどこから生まれたのでしょうか?
A:カレー親子丼に関しては、サイドメニューに千吉のカレーうどんを入れたのがきっかけです。 千吉カレーうどんのおいしい食べ方として、最後に残ったカレー汁にご飯を入れて雑炊にします。 親子丼の味付けは醤油ベースなので、混ぜても相性がいいと思いメニュー化しました。
Q:メニューが一新し、より自由度が高まりましたがおすすめの食べ方はありますか?
A;千吉カレーソースはカツ丼や牛とじ丼にも追加でき、パクチーのトッピングと相性が抜群です。 ご飯が特盛まで無料のから揚げ&ご飯セットの最後の締めに千吉カレーソースをかけて召し上がっていただくと、大満足かと存じます。
Q:現状の店舗数を教えてください。今後増える予定はありますか? また、どのような場所で展開していく予定かも教えてください。
A:現在5店舗ございます(2024年2月現在、2店舗は改装中です)。 出店展開は牛丼と同じ日常食ですので、吉野家がありそうな場所と説明するとイメージしやすいかと思います。 具体的には都心部のビルインの予定です。
現在は都内の江戸川橋、西葛西、祖師ヶ谷大蔵などに展開しているもののまだまだ数が少ない鶏千ですが、タッチパネル注文ながらご飯少なめオーダーができるなど、女性やトレーニーにもうれしい心づかいがあります。 実際親子丼は高たんぱくで他の丼と比べて低カロリーなので、ご飯少なめにさえすればダイエット時にもおすすめ。 あなたの街に鶏千を見かけたら、ぜひ入ってみてください。チェーン店の進化とたゆまぬ企業努力を感じることでしょう。
AKINO LEE カレーおじさん\(^o^)/
ヴォーカリスト、パフォーマーとして自身の活動の他、様々なアイドルの作詞作曲振付プロデュースを担当。ヴォイストレーナーとして後進の育成にも力を注いでいる。
音楽ライターとしても各種雑誌、ムック本などで執筆を担当。また、カレーおじさん\(^o^)/としても知られ、年間平均1000食以上のカレーを食べてきた経験と知識を活かしてTVや雑誌など各種メディアにおいてカレーについて語っている。