結婚内祝いとは?
最近では、結婚式を挙げないカップルが増えている印象です。それでも、結婚が決まり周囲に報告すれば、職場の人や友人・親戚など、親しい人たちから結婚祝いをいただく機会は多いことでしょう。いざ自分が結婚内祝いを準備する立場になると、贈るタイミングなど、疑問に思う点がいくつか出てくるかもれしませんね。
「結婚内祝い」とは、お祝いをいただいた方へお返しの品物を贈ることを指します。元々、「内祝い」は今の「お返し」の意味はなく、「親しい人たちに幸せのお裾分けをする」という意味合いがありました。
内祝いがお返しの意味を持つようになった背景には、昔の日本の習慣が深く関わっているとの説があります。古来、村でお祝いごとがあった際は、「個人」ではなく「村人全員」でお祝いするのが当たり前でした。しかし、人々の意識がだんだん「村全体」から「個人」へと移り、現代において内祝いは、「いただいたお祝いに対して、お返しをする」言葉として定着しています。
結婚内祝いを贈る相手
結婚内祝いを贈る相手は、主に以下の3パターンが考えられます。
1:結婚式で高額なお祝いをしてくれた方
結婚式で、予想外に高額のご祝儀をいただくことがありますよね。その場合、食事や引き出物では十分なお返しとはならないので、後から内祝いとしてお返しを贈るのがベターです。
なお、結婚式で平均的なご祝儀をいただいた場合は、披露宴での食事や引き出物が内祝いとなります。別途、内祝いを贈る必要はありません。
2:結婚式は不参加だが、お祝いをしてくれた方
結婚式に招待していない方や結婚式当日欠席だった方などから、結婚祝いをいただくケースもあるでしょう。そのような場合は、結婚式の食事や引き出物でのおもてなしができないため、結婚内祝いを贈るのが一般的です。
3:挙式しなかったが、お祝いをしてくれた方
挙式しなくても、入籍報告をしたらお祝いをくださる方もいらっしゃるでしょう。基本的には、どのような形でもお祝いしてくれた方には、内祝いを贈るのがマナーとされています。
結婚内祝いのマナー
結婚内祝いは、お祝いをくれた相手に感謝の気持ちを伝えるものです。今後の良好な人間関係のためにも、マナーを守り、相手に失礼のない対応を心がけたいですね。
ここでは、結婚内祝いのマナーについてご紹介します。
タイミング
基本的に、内祝いを贈るタイミングは「お祝いをいただいてから1か月以内」が目安だといわれています。お祝いの金額は、いただいた人により異なるもの。お返しの品物も、いただいた値段に合わせて選びます。しかし、一つずつお返しの品を選ぶのは、時間がかかり大変ですよね。
新婚生活がスタートする忙しさも相まって、気付いたら「内祝いを贈る時期が大幅に過ぎてしまった…」というような可能性もあります。そうならないためにも、内祝いは早め早めに準備しておくと安心です。
しかし、お祝いをいただいてすぐに内祝いを贈ると、人によっては「お祝いを見越して内祝いを準備していたみたい」とマイナスに捉えられることもあるかもしれません。内祝いを贈るなら、「お祝いをいただいてから2週間後、1か月以内」にお返しをするのがベストな時期といえそうです。
熨斗(のし)
内祝いには「熨斗」を付けるのがマナーとされています。表書きは「内祝い」や「寿」とし、筆ペンや毛筆、サインペンなどしっかりしたもので記入しましょう。
結婚内祝いの場合、水引は
・紅白の結び切り
・本数は10本
を選ぶのが一般的です。結婚のように、何度も繰り返さないほうが望ましいお祝いごとの内祝いには、「結び切り」を使います。
「結び切り」には、「一度結ぶと簡単にほどけない」という意味が。その結び方から「二人が末長く結ばれますように」との願いが込められてるといわれており、結婚内祝いにはピッタリの水引ですね。
金額
結婚内祝いは、感謝の気持ちを伝えることが第一なので、厳密な金額のルールは存在しません。
一般的には、いただいたお祝いの半額程度のものを贈る「半返し」が基本となります。いただいた金額の半額以上のものを贈ると、人によっては「こちらのお祝いが少額だったのかな…」と気を遣わせてしまう可能性もあるので、注意が必要です。
一方、両親や祖父母から、ご祝儀として高額なお祝いをいただく方もいらっしゃるでしょう。そのようなケースであれば、きっちり半返しにこだわらなくても問題ありません。いただいお祝いの「3分の1」や気持ち程度の金額の品を贈ればOKです。
両親や祖父母以外の方から、高額のお祝いをいただいたくこともあります。その場合、お返しの品の価格は常識的な金額の範囲にとどめ、丁寧な手紙を添えたり、可能ならば内祝いを持参するなど、相手に誠意を見せることが大切です。
稀に、「半返しすら難しいかも…」というほど少額のお祝いをいただく場合もあるかもしれません。そのような時は、内祝いにこだわらず、新婚旅行のお土産などを渡してお礼を伝える方法もあります。
いただいたお祝いの金額に合わせて、臨機応変に対応しましょう。
結婚内祝いでおすすめのお返し
インターネットで「結婚内祝い」と検索すれば、たくさんの商品が溢れています。豊富なラインナップから選ぶのは、なかなか大変ですよね。ここでは、万人受けしそうな内祝いをセレクトし、ご紹介します。
食品
内祝いとして選ばれる食品は、コーヒーやレトルト食品・調味料など、保存期間が長いものが多い印象です。小さな子どもがいる家庭には、ジュースやこだわりの調味料を選ぶなど、相手の家庭状況に合わせて選べるのが嬉しいですね。
カタログギフト
内容は会社によって多少の違いはありますが、幅広い選択肢の中から、相手が自ら好みのものを選べるのがカタログギフトの魅力。特に、相手の好みが分からない場合、カタログギフトだと失敗がなさそうでおすすめです。
贈る側にとっても、品物選びの手間を省略できるというメリットがあります。相手も好みでないものをもらって困惑することもないので、双方にとって利点の多い贈り物といえるでしょう。
日用品
洗剤などの消えてなくなる日用品も、内祝いの定番です。種類も豊富なので、いくつかセットで購入するのもいいですね。タオルや洗剤の日用品を選ぶなら、自分では普段買わないような、上質なものをセレクトすると特別感が出て喜ばれます。
結婚内祝いの注意点
続いて、結婚内祝いを贈る際に注意しておきたいことを紹介します。
メッセージを添える
内祝いは、結婚の報告を兼ねる役割もあります。結婚内祝いを郵送で贈る場合、品物だけを贈るのではなく、お礼状を添えると喜ばれるでしょう。とはいえ、昔ながらの格式の高いお礼状を送る方は少数派でしょう。
最近は、インターネットで内祝いの品物を購入する方が圧倒的多数。多くのショップでは、メッセージや写真を自由に選ぶことができ、カード作成を無料でしてくれるサービスもあったりします。気軽に利用できるのが嬉しいですね。
しかし、高額のお祝いをいただいた方など、人によっては定例文が印刷されたカードだけだと失礼だと捉える方もいらっしゃるかもしれません。相手に合わせて、手書きで丁寧な手紙を添えるなど、誠意を見せることが大切です。
ちなみに、内祝いを手渡しで渡すならお礼状はなくても問題ありません。直接口頭でお礼を伝えたらOKです。
お礼状ではお返し感を出し過ぎない
先述したように、結婚祝いは、本来「幸せのお裾分け」という意味を持つ言葉。お礼状を書くときは、「お返し」だということを強調せず、感謝を伝えることに重きを置きましょう。
相手ファーストの品物選びを
インターネットの内祝いのショップをのぞくと、結婚記念品として置物から食品まで、多種多様なラインナップが揃っています。自分たちとしては「記念だから相手の手元に残るものがいい」と思っていても、相手は困るかもしれません。身内でない限り、置物のような記念品は避けるのが無難でしょう。
自己満足ではなく、相手に喜んでもらえることを第一に、品物を選ぶことが大切です。
最後に
内祝いは、お祝いをいただいた相手に感謝の気持ちを形にして伝えるものです。相手のことを思い浮かべながら、マナーを守り、自分らしい方法で感謝の気持ちを伝えたいですね。
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