相手のココロをつかむ「第二印象」
第二印象は、会話の受け答えや相槌、気使いなど、相手とのコミュニケーションの過程で判断されるもの。自分をよく見せるためではなく、相手が心地よくいられるように、自分を信頼してもらえる振る舞いが第二印象をつくります。
今回は、第一印象を塗り替えて活躍し続ける先輩女性・にしおかすみこさんにインタビュー。〝第二印象〟のために、どんなことをしているのでしょうか。
▲お笑いタレント・にしおかすみこさん
1974年生まれ。2007年「エンタの神様」(日本テレビ系)でブレイク。また、春風亭小朝師匠の指導のもと落語に挑戦。現在は「なないろ日和!」などでレポーターとして活躍中。趣味のマラソンはフルマラソン3時間5分3秒の記録を誇る。
お笑いタレント・にしおかすみこさんインタビュー
◆人見知りで緊張しい。初対面は今も試行錯誤中
にしおかさんがボンデージ姿でテレビ番組に出演し、ムチを鳴らしていたのは30代前半。
「当時テレビで見てくださっていた方に今、お会いすると、『意外とふつうなんですね』と安心されます(笑)。もともと私は人見知りで自信がないタイプ。
仕事関係の身近な人たちは、女王様は〝キャラ〟だとわかってくれていたので、実際は『怖く見られて困る』といった悩みはありませんでした。
でも逆に、人見知りゆえに初対面がぎこちなくなってしまうことは今でもよくあって。会話が途切れると、どうでもいいことをまくしたてて空回りしてしまったりします。
年下の子にけむたがられたくないし、大人なんだから社交的に振る舞えないのは甘えなのかなと、4~5年に1回、一念発起して人と積極的に会うことを自分に課すんですが、疲れてしまってその後のリバウンドがひどい(苦笑)。
それでも、頑張って会った人の中から、長いつきあいに発展することもあるので、努力はムダじゃないと感じます」
◆〝その場の好印象〟だけでは結局自分がしんどくなる
気持ちよく働くために、10年ほど前から意識しているのは、その場しのぎの印象を優先して〝いい顔〟をしないこと。
「以前は何を言われても、返事は『うれしいです』『ありがとうございます』『お疲れさまです』の3パターン。あまり理解できていない提案に対しても、つい安請け合いして、うれしそうなそぶりを見せてしまうことがありました。
でもそんなことをしていると、結局後で自分の首を絞めてしまうんですよね。『何を考えているかわからない』と言われてしまうこともありました。
だから、今はできるだけ正直に、言いにくいことも先に伝えるように意識しています。そのほうが、私のことを早く知ってもらえるんですよね。
あと、第一印象は外見が大事だと思いつつ、年齢を重ねるとキラキラした〝若さ〟はどうしてもなくなります。外見ばかりを磨いても、軽薄に見えるだけ。
難しいし時間もかかるけれど、結局は〝中身〟を磨くしかない、というのが今の実感です。
そのためには、自分の好きなことをするのがいちばんの近道じゃないでしょうか。『コレをやっている自分が好き』という自信が持てるし、自分が楽しければ気持ちに余裕ができて、人にも優しくできますから。
『こんな仕事をしてみたい』と口に出すこともできるようになりました。そんな積み重ねが、〝第二印象〟につながっていくような気がします」
カッコつけても続かない! にしおかさん流・第二印象の磨き方
☑︎その場しのぎの〝いい顔〟はしない
☑︎〝好きなこと〟をして自信をつける
☑︎人見知り克服の努力も、たまにする
趣味のベジタブルカービングや〝書くこと〟で徐々に自信が…
野菜や果物を彫刻するベジタブルカービングは、コロナ禍で習い始めた。
認知症の母・ダウン症の姉・酔っ払いの父と自らについて赤裸々に綴った、今年発刊の『ポンコツ一家』(講談社)は「壮絶だけど笑って泣ける」と話題に。もともと好きだった〝書くこと〟が仕事につながった。
2023年Oggi11月号「『第二印象』をよくするとすべてがうまく回っていく!」
撮影/為広麻里 イラスト/市村ゆり 構成/佐々木 恵・酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部