働く私たちの「キャリア 見本帖」
これまでになく女性の働き方の自由度が高まっている今、どのようなキャリアや生き方をしていけばいいのか悩む方も多いはず。これからの働き方のヒントになるように、多種多様なキャリアを歩む方々を紹介します。
独立や異動、転職で新たな目標にチャレンジ
今回は、パラレルキャリアや転職、社内のポジションメイクで新たな目標に向かう3名の女性にインタビュー。
【条件重視転職】有期契約社員から正社員へ!
5年の有期契約から、同条件で正社員として転職! 安定した働き方で、ゆくゆくは管理職になるビジョンも。
▲M.Tさん(37歳/マーケティング会社・マネジメント)
◆Work History
22歳:大手小売企業に就職。食品部門、商品部などを担当
29歳:地元にUターンするため、勤務地を関西に変更
31歳:大手広告代理店に転職。5年間の有期契約社員に
36歳:現在のマーケティング会社に正社員として転職
有期契約社員から、正社員&同条件で働ける会社に
「前職は有期契約で、収入もよく福利厚生も充実していたのですが、5年間で契約は終了。そこで同等の年収をキープできる会社を探し、20社ほど応募して今の会社に入社しました。
現在は残業もなく、子供との時間もしっかりとれるようになったので、私にとっては〝コスパのいい働き方〟ができているかな、と。何より、正社員として安定して働けるようになったのが大きく、年齢的にも最後の会社にできそう、と満足しています。
今は子育てに重きを置いていますが、ゆくゆくは管理職になるビジョンも。そのため日々の業務のブラッシュアップは欠かしていません」
仕事の予定は手帳で管理! 学生時代からアナログ派
【二拠点/フリーランス/パラレルキャリア】独立への準備期間に
フリーランスでパラレルキャリアを積み、二拠点生活を送る千葉さん。仕事が並行しているからこそ、さまざまな刺激やメリットがあるのだそう。
▲千葉憲子さん(38歳/ガイアックス 社長室長 兼 ワーケーション用ホテル予約サイトOtell・渉外担当責任者など)
◆Work History
22歳:大手ITシステム企業に就職、営業と営業企画を担当
29歳:2年半の産休・育休を取得
33歳:ガイアックスに転職。社長室で秘書や企画立案を担当。リモートワークが可能になり地元・長野県との二拠点生活を開始
34歳:長野県塩尻市の特任CCO(Chief Communication Officer)に就任
35歳:日本ワーケーション協会 ワーケーションコンシェルジュに
36歳:フリーランスに。一般社団法人ONE X コミュニティーディレクター、スタートアップコンテスト XTC JAPAN 事務局長、神奈川県の建築プロデュース・まちづくり会社bonvoyageディレクターなどを兼務
7つの仕事を兼任中! 自分の事業を起こすための準備期間
「33歳で大手IT企業から前職のガイアックスに入社したのは、当時では珍しく、自由に働く時間と場所を選べたから。子育て中だったため在宅でも働ける環境が魅力的だったんです。
そのころから地元・長野との二拠点生活も始め、副業として地方創生の仕事に携わったり、社内の新規事業を立ち上げたり…。在職時から仕事は掛け持ち状態でした。
そして昨年、ガイアックスの事業を業務委託という形で引き継ぎながらフリーランスに。いずれ自分で事業を起こしたいので、何にどれくらいの時間と労力をかけるか、自分でバランスを取りたかったんです。あとは会社員のメリットである産休・育休、ローンがひと通り終わったのもあって(笑)。
今、動かしているプロジェクトは7つ。やりくりは大変ですが、いろんな刺激をもらえるし、『この視察はあの企画にも使える』など、仕事が並行しているからこその利点もあります。秋にはこども食堂をオープン予定。また楽しみが増えました。」
Google カレンダーで多彩な業務を色別に管理
週末や長期休暇を利用して地元・長野と行き来
【ポジションメイク】希望の職種に異動し、新規事業も兼務
仕事が向いていない… と感じたら、転職や独立ではなく「ポジションメイク」という選択も。希望の職種への異動や新規事業など、さらなる可能性が広がります。
▲K・Sさん(35歳/不動産会社・営業/企画)
◆Work History
25歳:地元の商社に就職。営業部に
25歳:現在の不動産会社に転職。営業を担当
27歳:結婚に伴い大阪に転勤。営業部に配属
32歳:営業職のマネージャーに
33歳:企画職を兼務。販促や業務推進を担当
35歳:新規事業コンペに通過し、兼務
会社に相談して希望の職種に異動。今は新規事業も兼務
「7~8年前から『私には営業より、販促の企画のほうが向いているのでは』とモヤモヤしていました。そこで管理職になってメンタルもキツくなった2年前、これまでの実績とそれを生かしてやりたいことを資料にまとめて上司にプレゼン。
当時、会社には企画部門がなかったのですが、ちょうど立ち上げが検討されていた時期で、企画職に就くことができました。さらに今は、社内研修の一環でコンペに通った新規事業に注力したいところ。
すべて兼務で時間が足りませんが、やるからには評価されたい。ゆるりと働くセミリタイアの夢はいつ叶うやら(笑)」
取り組みたい仕事について勉強してプレゼン
2023年Oggi10月号「働く私たちの『キャリア』見本帖」
撮影/深山徳幸(千葉さん分) イラスト/石 明子 構成/佐々木 恵・酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部